【新NISA】5月配当取りを狙える、注目の日本株「増配株4選」を実名公開
国際情勢が安定する気配がない。「このような相場では配当金にフォーカスした投資をするのも選択肢になる」と億り人投資家の桶井道(おけいどん)氏は言う。日本株の多くが3月と9月に権利付最終日(この日までに株を買えば配当金が貰える)を迎えるが、5月に権利付最終日を迎える銘柄もある。本稿は、5月に権利付最終日を迎える増配株に注目する。『 資産1.8億円+年間配当金(手取り)240万円を実現! おけいどん式「高配当株・増配株」ぐうたら投資大全 』(PHP研究所)の著者である桶井氏に、解説と銘柄紹介をしてもらう。桶井氏は増配株を好み、資産を伸ばし、また関連書籍を出版した実績がある。
増配株投資の魅力
はじめに、増配株投資の魅力について、箇条書きでお伝えいたします。
(1)配当金は定期的(日本株なら年2度が多い)に入る
(2)配当金は事前にその額がわかる
(3)配当金は自動的に入る
(4)配当金は安定的な収入になる
(5)株価下落場面で配当金は心の支えになる
(6)配当金は会社員にとり副収入になり、かつ不労所得である
(7)配当金は老後の生活費に使える
(8)企業の株主還元意識が高まっており、連続増配が期待できる
(9)配当利回りが高い銘柄であれば、配当金目的の買いが期待でき、株価を下支えすることが多い
(10)配当金を再投資するのが楽しい
(11)増配によって、投資額(簿価)に対する配当利回りが上がっていく
配当株のETFも選択肢
「配当金の魅力はわかるけれど、100株買うにはそれなりのお金が必要で、お金が足りない」、または「これまでS&P500やオルカンなど海外にインデックス投資してきたのでいきなり個別株は怖い」、そう感じる人もおられるでしょう。
そんな方には、配当株に投資する東証ETFがあります。個別株と同じように分配金があります。個別株の話に入る前に、東証ETFを数銘柄、ご紹介しましょう(お勧めではなく紹介です)。
(1)上場インデックスファンド 日経平均高配当株50(399A)
日経平均株価の構成銘柄のうち、予想配当利回りの高い50銘柄で構成されます。分配金は4月10月の年2回。信託報酬0.165%以内。
(2)NEXT FUNDS 野村日本株高配当70連動型上場投信(1577)
国内に上場するすべての株式のうち、予想配当利回りが高い70銘柄で構成されます。分配金は1月4月7月10月の年4回。信託報酬は0.352%です。
(3)iシェアーズ MSCIジャパン高配当利回りETF(1478)
国内に上場する大型株・中型株で、配当性向や配当継続性、財務指標の要件を満たした銘柄のなかから、配当利回りが高いものが選択されます。約30銘柄で構成されます。分配金は2月8月の年2回。信託報酬は0.209%です。
私の銘柄選択法 12個のポイント
つぎに、増配株の銘柄選択法を解説します。配当利回りや連続増配年数だけを見てはいけません。それを可能とする裏付けがあるかを確認しましょう。
(1)市場規模が拡大している業種
初めに見るべきポイントは、業界(分野)です。需要が増加する業界であるかどうかを見極める必要があります。需要が増える(=市場成長)から、そこに企業が供給を増やすことで、その企業は業績成長できます。売上高が増え、営業利益が増えるわけです。そして、株価が上昇し、配当金を増やせるというフローです。
(2)業界1位もしくはニッチ企業
業界1位の企業(もしくは2位まで)に投資しましょう。または、3位以下でもニッチに稼ぐ企業を選びましょう。しっかり稼いでいる企業を投資先に選ぶことが大切です。
(3)増収増益
株価は、短期では経済指標(雇用統計、GDP、消費者物価指数など)や政治的要因(トランプ関税など)、地政学リスク(中東やロシア・ウクライナ紛争など)などの影響を受けますが、長期では企業価値に連動します。企業価値とは、端的に「どれだけ儲けているか。儲けを伸ばせるか」ということ。したがいまして、増収増益(売上高も営業利益も成長していること)している企業を選びましょう。合わせて、1株当たり利益(EPS)が成長しているかも確認してください。利益が不安定だったり、たびたび赤字になる企業は避けましょう。
(4)営業利益率
本業でしっかりと利益が出せているかを確認する必要があります。業種にもよりますが、営業利益率が10%以上あれば優良といえるでしょう。同じ業種のライバル企業と比較することも大事です。
(5)株価のトレンド確認
株価が上昇トレンドの銘柄を選びましょう。なぜなら、配当金をたくさん貰っても、それ以上に株価が下がって結局損しているなんてことになったら本末転倒だからです。5年チャートか10年チャートで株価のトレンドを確認しましょう。
(6)配当性向
無理な配当をしていないか確認しましょう。配当性向(利益に占める配当金の割合)が概ね50%以下の銘柄を選んでください。逆に、低すぎても株主還元が十分ではなく、30%以上は欲しいところです。
(7)連続増配年数、増配率、減配の過去を確認
連続増配年数は何年か。もちろん長いほど優良です。増配率(配当の前年対比)も確認しましょう。これも高いほうが優良です。さらに、頻繁に減配していないかを確認してください。ただし、業績連動型配当を方針とする場合は、減配も仕方がありません。あわせて、配当利回りにも目を配りましょう。
(8)自社株買いの推移
自社株買いをすると株価は上がります。連続して自社株買いをするということは株主還元に熱心であるといえます。
(9)自己資本比率
低いほど借金が多いことを意味します。自己資本比率40〜50%以上が目安です。
(10)ROEが高いか
ROEとは、自己資本利益率と訳されますが、簡単にいうと、経営効率が良いかどうかを表します。2桁あれば優良、8%あれば合格ラインです。
(11)リスク要因・ネガティブ要因の確認
・不祥事の過去がないか
一度不祥事を起こすと、連続する傾向があります。外部要因かもしれない事案もありますが、当該企業がどのような対応をするのか確認することも大切です。
・後継者問題がないか
カリスマ経営者の後継者問題はリスク要因です。経営者の年齢や健康状態、後継者育成について確認しましょう。
・増資の過去がないか
増資(株式を新しく発行し資金を集めること)すると株価は下がります。株主の利益になりません。
(12)PER推移
1〜11で分析して優良銘柄を見つけたとしても、高値掴みに注意しなくてはいけません。PERが過去に比べて高くなっていないかを確認しましょう。私は予想PERを使って確認します。予想PERは、「現在の株価」を「1株当たり利益(予想)」で除すことで計算できます(予想PER=株価÷1株当たり利益(予想))。1株当たり利益(予想)は決算短信などで確認できます。証券会社(サイト)によっては、予想PERの推移をグラフで確認することが可能です。
以上12個のポイントを挙げましたが、すべてをクリアする銘柄はなかなかありません。総合的に判断して、ご自身が納得できる銘柄を探してください。
この5月、注目の銘柄は…
それでは、増配株をご紹介します。次に紹介する銘柄は5月27日(水)が権利付最終日(この日までに株を買えば配当金が貰える)です。
※推奨ではなく紹介です。( )内は銘柄コードです。
(1)三光合成(7888)
富山県に本社を置く、プラスチック工業部品メーカーです。合成樹脂成形品の製造・販売、金型の設計・製造なども手掛けています。主に、自動車部品、情報・通信機器部品、家電用部品、医療機器部品などに用いられています。自社の強みとして「他社では製造できない商品で、『これがなければ車が動かない』製品がある」旨言及しています。
海外売上高比率は約70%もあります。業績は増収増益です。営業利益率(3年平均、以下同)は5%です。利益重視の視点から、中期的に8%以上とすることを目標に掲げています。5年チャートは上昇トレンドです。予想配当利回り(5月1日現在、以下同)は3.26%あり、高配当株です。6期連続増配の予定です。
(2)E・Jホールディングス(2153)
岡山県に本社を置く、総合建設コンサルタントの大手です。公共事業等の企画、計画策定、調査、設計、施工管理、維持管理まで全工程に対応しています。主な発注者は官公庁や地方自治体であることから、業績は公共事業の動向に影響されます。国策である国土強靱化の追い風を受けることが期待できます。中期経営計画にて、成長戦略として海外ビジネスの本格化を掲げています。業績は増収増益です。営業利益率は11%台あります。5年チャートは概ね上昇トレンドです。予想配当利回りは4.10%あり高配当株です。9期連続増配の予定です。
(3)キユーピー(2809)
キューピーと思いがちですが、「キユーピー」です。創業100年以上、日本ではじめてマヨネーズを発売した会社です。
マヨネーズのほかに、市販用としてはドレッシング、パスタソース、パッケージサラダや惣菜なども扱います。業務用としては液卵、凍結卵、食酢、調味料や調理ソース、オムレツやたまごサラダなど加工食品を扱います。日本ではシェア1位です。海外売上高比率は約20%で、世界79の国と地域で事業を展開しています。
業績は2018年11月期をピークに下降していましたが、売上高は回復途上にあり、営業利益はV字回復・成長して2025年11月期に過去最高となりました。中期経営計画(2025-2028年度)で、グローバル展開の加速を成長戦略としています。海外売上高の年平均成長率では2桁%以上を目標とし、海外売上高は2024年11月期931億円でしたが、2028年11月期には1800億円を目指します。営業利益率は6.1%ですが、2028年11月期には7.5%を目指すとしています。5年チャートは概ね上昇トレンドです。予想配当利回りは1.57%です。配当利回りは高くありませんが4期連続増配の予定で、2028年11月期までは配当金54円を下限として段階的に引き上げる旨言及しています。
(4)日本毛織/ニッケ(3201)
通称は「ニッケ」、日本最大の毛織物メーカーです。衣料繊維事業だけではなく、自動車関連・環境関連など「産業機材事業」、商業施設運営・不動産事業・介護事業など「人とみらい開発事業」、寝装品・100円/300円ショップ向け卸売・インテリア用品販売など「生活流通事業」も手掛けます。これら4事業の売上構成はほぼ均等でバランスが取れています。
業績は増収増益です。営業利益率は9.9%あり合格点でしょう。5年チャートは2023年夏まではヨコヨコ、2023年夏以降は上昇傾向にあります。予想配当利回りは2.81%です。配当方針として累進配当政策を掲げており、8期連続増配の予定で、かつ50年近く減配していないことは評価できるでしょう。
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増配株は、下落相場で配当金が心の支えとなりますので安心感があります。5月の権利付最終日を前に、増配株に注目してみてはいかがでしょうか。
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