「年金に関するお知らせ」“青文字のハガキ”が届いたら…〈老齢年金〉のもらい逃がしを防ぐ「年金請求書」【社労士が「年金受給の手続き」を解説】

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「65歳になるまで年金はもらえない」と思い込み、届いた書類を放置していませんか。年金を受け取る権利は、手続きをしないと5年で時効となり消滅してしまいます。また、誕生月の初旬に届く「ハガキの年金請求書」を出し忘れると、年金の支払いがストップしてしまうことも……。本記事では、小林労務による著書『これ1冊ですっきりわかる! 年金のしくみともらい方 26−27年版』(ナツメ社)より一部を抜粋・再編集して、老齢年金を受け取るために65歳前後で必要な手続きについて解説します。

65歳の誕生月の初旬に届く「ハガキの年金請求書」

特別支給の老齢厚生年金を受け取れる人には、60〜64歳の受給開始年齢になる誕生月の3か月前に、「年金請求書」が届きます。その「年金請求書」を年金事務所に提出して、受給が始まります。

特別支給の老齢厚生年金を受給していた人が65歳になると、老齢基礎年金と老齢厚生年金を受け取ることになります。それを知らせるために、誕生月の初旬に「ハガキの年金請求書」が届きます。

65歳から老齢基礎年金と老齢厚生年金を受け取るためには、このハガキを誕生月の末日までに年金事務所に提出する必要があります。ただし、誕生日が1日の人はその前日で65歳になったと考えますから、誕生月の前月の初旬にハガキの年金請求書が届きます。

したがって、誕生月の前月末日までにハガキを提出する必要があります。1日生まれの人*だけは誕生月よりも前に提出することになるので、注意しましょう。

*誕生日の前日で65歳になったと考えるので、誕生日が1日の人は誕生月の前月の初旬にハガキの年金請求書が届きます。

[図表1]65歳の誕生日前に届く年金請求書1(特別支給の老齢厚生年金受給者が、65歳から老齢基礎年金・老齢厚生年金を受け取る場合) 出典:『これ1冊ですっきりわかる! 年金のしくみともらい方 26−27年版』(ナツメ社)より

[図表2]65歳の誕生日前に届く年金請求書2(繰上げ受給者が65 歳から老齢基礎年金・老齢厚生年金を受け取る場合) 出典:『これ1冊ですっきりわかる! 年金のしくみともらい方 26−27年版』(ナツメ社)より

「ハガキの年金請求書」の要注意ポイント

ハガキの年金請求書は、誕生月の末日までに提出する必要があります。提出をしないと、年金の支払いが止まってしまうので、提出は遅れないようにしましょう。

ただし、繰下げ受給を考えている人は注意が必要です。年金請求書には、「受取方法欄」があります。老齢基礎年金のみの繰下げ受給や老齢厚生年金のみの繰下げ受給を希望する場合は、該当箇所にチェックを入れて提出します。

しかし、老齢基礎年金と老齢厚生年金の両方の繰下げ受給を希望する場合は、年金請求書自体を提出しません。提出しなければ、年金の支払いが止まります。そこで、繰下げ後、受給を希望する年齢になったときにはじめて年金請求書を出して請求すれば、繰下げ受給による増額後の年金の支払いがはじまります。

[図表3]繰下げ受給を希望する場合・希望しない場合のハガキの書き方 出典:『これ1冊ですっきりわかる! 年金のしくみともらい方 26−27年版』(ナツメ社)より

年金を一度請求してしまうと、繰下げはできなくなってしまうので、この年金請求書の記入と返送には注意が必要です。

ハガキではなく「書類」が届いたら放置厳禁

60歳になる3か月前に、ハガキの「年金に関するお知らせ」(青色の文字で印刷されたもの)が届いた人は、65歳になったときに年金を受け取る権利が発生します。このような人にはハガキの年金請求書ではなく、書類の年金請求書が届きます。

65歳の誕生月の3か月前に基礎年金番号、氏名、生年月日、性別、住所および年金加入記録をあらかじめ印字した「年金請求書(事前送付用)」とリーフレット「年金を請求されるみなさまへ」が送付されます。この年金請求書は、必要な添付書類といっしょに65歳の誕生日の前日以後に提出します。

提出のタイミングや添付書類の注意点は、65歳前の受給開始年齢時に年金請求書を提出する人と同じです。この場合、提出先に注意が必要です。国民年金の第1号被保険者の期間のみの人は、住所のある市区役所や町村役場に提出します。それ以外の人は、年金事務所に提出します。

なお、65歳前の受給開始年齢のときに、年金請求書が届いたにもかかわらず、それを提出しなかった人にも、書類の年金請求書、未請求用の年金の請求手続きのご案内が届きます。この年金請求書は、必要な添付書類といっしょに早めに提出をします。

年金を受け取ることができる権利は、5年で消滅してしまいます。そのため、なるべく早く年金事務所に年金請求書の提出をしましょう。65歳までもらえないと勝手に思って、65歳までなにも手続きしなかったら、もらえるはずの年金があった場合に、手遅れとなってしまいます。

65歳になる前に、年金請求書が届いたら、そのときに手続きをしておきましょう。

[図表4]特別支給の老齢厚生年金を受け取る権利のある人で手続きをしていないとこの書面が65歳のときに届く。※『これ1冊ですっきりわかる! 年金のしくみともらい方 26−27年版』(ナツメ社)より

社会保険労務士法人 小林労務