どっちの向きが正面、一緒に見えるけれどもよく見ると……。

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「伊勢名物・赤福の正しい向きとは?」

【写真】正解の向きは?

赤福餅といえば折箱からヘラでグッとすくって、そのまま口に……ってこともよくあると思いますが、お皿にのせるときはどのように置けばいいのでしょうか。そんな素朴な疑問を広報担当者に訊いたところ、意外なことも判明しました。

赤福」(本社:三重県伊勢市)の赤福餅になだらかな三筋が入った姿は、伊勢神宮の神域を流れる五十鈴川のせせらぎを表現しています。

本来の向きは写真の右側。折箱(8個入900円ほか)に美しく並ぶ姿も、お店でお盆に載って運ばれる時も、常にその「流れ」を意識して整えられているのだそう。

「ご提供する時には正面を決めておりますが、お客様には自由に楽しんでいただければ。和菓子には、作法よりも大切にしたい心があるもの。取材の撮影などで向きを確認することはあっても、日常で召し上がる方に『正しい向きで!』と強いることはありません」

実は、鍋をイメージしている!?

また、パッケージに折箱を使っているのは、日本の伝統的な食べ方である、一つの鍋を囲んで食べるように、みんなで仲良くつつき合って食べるという意味もあるそうです。

各々がヘラですくって、わいわい言いながらいただく。そうなると、確かに向きはさほど関係ないですよね。

また手土産として、さまざまなシチュエーションで持ち運ぶことを想定し、折箱の内側の銀色の部分のテクスチャーを赤福餅が滑りにくくする工夫が凝らされているそう。そのおかげで、帰宅後も赤福餅が折箱の中で偏ることなく、行儀よく並んでいるのです。

ちなみに、折箱から美しく取り出すために、ツウの間では箱を少し広げてヘラを差し込むなど、自分なりの攻略法を編み出す方もいるようです。

関西では百貨店でもおなじみの存在「赤福」。購入は気軽にできますが、2025年4月8日にオープンした10年ぶりの関西での喫茶「赤福 五十鈴茶屋 高島屋大阪店」(大阪府中央区)であればイートインもできます。高島屋大阪店にある同店では関西で唯一、赤福餅2個(400円)をお茶とともに提供。オープン1周年記念として、いちごコルネ和三盆クリーム(5月6日(水・休)まで、イートイン&テイクアウト可)が同店限定で楽しめるほか、人気の「赤福氷」(イートインのみ、秋冬は赤福ぜんざいに)もスタートもしています。

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和菓子はただ味わうだけでなく、色や形を通して季節の移ろいや情景を繊細に表現。小豆の赤で邪気を払ったり、角のある造形で魔除けを願ったり……。一つひとつに深い意味や願いが隠されているのも、和菓子の魅力。赤福餅であれば、「伊勢の五十鈴川のせせらぎ」を。形や色、向きも少し気にかけていただくだけで、1つの和菓子から、情景が広がり、豊かな時間が楽しめそうです。

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・いなだ みほ)