【陸上・日本インカレ1万m】早大・山口竣平が直前まで欠場を検討するも自己新で圧勝「27分台はまだエースの入り口に立ったぐらい。まだまだです」
陸上競技の日本学生対校選手権(日本インカレ)1万mが、4月24日、神奈川・レモンガススタジアム平塚で行われました。日本インカレは今年は9月開催ですが、暑熱対策の一環として1万mのみ分離開催となり、日本学生陸上競技個人選手権と併催されました。
男子1万mは出場者が8人と少人数ながら、スタート時の気温が17.5度、ほぼ無風と好条件に恵まれたこともあり、ハイレベルなレースが繰り広げられました。そのレースで終始主導権を握っていたのが、早稲田大学の3年生、山口竣平選手でした。「もしかしたら牽制し合うかもしれないと思っていたので、そういうレースは見ている側もやっている側も面白くないので、自分が(レースを)作ろうと思いました」こう話すように、入りの1000mが2分45秒と序盤からハイペースで牽引しました。2000m過ぎに一度は後退しましたが、「ペースがはまらなかったので」と3200mで再び先頭に立ちます。そして、3700m付近から後続をじわじわと引き離し始めました。「27分台は全く狙っていなかったのですが、4000mぐらいに(27分台が)出るなと思いました」と言い、学生トップランナーの証とされる27分台を視野に入れつつ、一人旅になっても力強い走りを見せました。「7000mからはきつくて足も動かなくて、やめたいなと思った」と胸の内を明かしますが、「ここでやめたら後悔する。"チームのために"って考えた時に優勝はマスト」と、苦しくなってからも淡々とペースを刻みます。そして、ラスト1周をペースアップし、27分59秒47でフィニッシュ。それまで29分台だった自己ベストを大きく更新し、学生日本一のタイトルを手にしました。また、山口選手と同期の吉倉ナヤブ直希選手も28分13秒07の自己ベストで3位に食い込む健闘を見せました。
山口選手は、今年の箱根駅伝では2年連続で3区に起用されたものの、駅伝シーズン開幕を前に大腿骨を疲労骨折した影響もあって、区間8位と自身にとっては悔しい走りになりました。実は、今大会の2週間前ぐらいにも脚に痛みを覚えてMRI検査を受けており、「欠場届も書いていた」と欠場も検討していたと言います。それでも、慎重な判断の上、「トレーナーさんから2時間前にゴーサインが出たので行きました」と、無事にスタートラインに立つことができ、快挙を果たしました。今季の早稲田大学は強力なルーキーズや、マラソンでも活躍する"山の名探偵"こと工藤慎作選手(4年)が注目されることが多く、山口選手は「自分は準エースぐらいでいい」と謙遜します。27分台というタイムも「うれしい気持ちはあるんですけど、今の学生陸上界を見ていても、27分台はまだエースの入り口に立ったぐらい。まだまだです」と謙虚に受け止めていました。それでも、学生日本一の称号を手にし、チームに勢いをもたらしたのは間違いないでしょう。今季の目標を問われた山口選手は、「トラックシーズンは、去年は予選落ちで何もできなかったので、日本選手権で決勝に残って日本のトップ選手と戦いたい。駅伝シーズンは、昨年度は箱根しか出ていないので、出雲駅伝からギアをマックスにしてチームの優勝に貢献できるように頑張りたいです」と口にしていました。昨年度悔しさを味わった分も、今季の活躍を誓っていました。
