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RSがさらに魅力的なモデルへと進化

1972年に誕生した初代モデルから数えて、11世代目となる『ホンダ・シビック』が日本で発表されたのは2021年のことだった。

【画像】プレリュードに続きS+シフト搭載!ホンダ・シビックに新スポーツグレード『e:HEV RS』登場 全63枚

翌2022年には『e:HEV』モデルが追加設定されるなど、ホンダはその後も積極的にそのラインナップを拡充。同じく2022年にはかねてから絶大な人気を誇っていた『タイプR』も、11世代をベースにフルモデルチェンジされ、さらに2024年に行われたマイナーチェンジ時には、こちらもシビック伝統のスポーツグレード、『RS』が6速MTのみを組み合わせて復活している。


ホンダ・シビックへ新たに追加されたスポーツグレード『e:HEV RS』。    平井大介

そんなRSが今回、さらに魅力的なモデルへと進化を遂げることになった。新たに『e:HEV RS』と呼ばれるこのモデルは、4月23日にホームページで公開。同日、先行予約の受付を開始している。

そのネーミングが物語るとおり、ホンダのスポーツハイブリッドシステム『e:HEV』を2Lの直列4気筒エンジンに組み合わせ、さらにミッションはプレリュードで初採用されたCVTの『ホンダS+シフト』とした、きわめて魅力的なパワートレインを持つモデルだ。

詳細なスペックは今後発表されることになるが、ホンダは先日その先行試乗会をクローズドコースで開催。ここではこの時に感じた、e:HEV RSの走りの魅力をレポートしていこう。

制御やドライブモードの組み合わせは独自のもの

e:HEVとホンダS+シフトは、どれだけe:HEV RSの走りを魅力的なものにしているのだろうか。

ホンダは従来までの1.5L直列4気筒ターボエンジン+6速MTという組み合わせのRSを、今後も継続していく戦略を打ち出している。ユーザーが気になるのはやはり、両車の走りにどれほどの違いが表れているかにあるだろう。


プレリュードに続き、『ホンダS+シフト』を採用。    平井大介

ちなみにe:HEV RSで採用されたホンダS+シフトは、プレリュードのそれを基本とするが、その制御やドライブモードとの組み合わせは独自のものとなっている。

最も大きな違いは、プレリュードでは『インディビジュアル』、『スポーツ』、『GT』、『コンフォート』といういずれのドライブモードにおいてもホンダS+シフトの使用が可能だったのに対して、シビックでは『インディビジュアル』、『スポーツ』、『ノーマル』、『イーコン(ECON)』の中で、スポーツモード使用時のみ、ホンダS+シフトへ移行できることだ。

逆に考えれば、『S+』の表示があるセンターコンソール上のスイッチでホンダS+シフトを選択すれば、ドライブモードは自動的にスポーツへ切り替わるということになる。そのシンプルな操作性は、e:HEV RSの大きな魅力となる。

より精悍なイメージに仕上げられている

プレリュードと共通となるDシェイプ形ステアリングホイールの先には、視認性に優れたメーターパネルが備わっている。ホンダS+シフトがオンの状態ではエンジン回転数に連動したパワーメーターが表示され、パドルを操作しマニュアルシフト的な感覚を楽しむ時には、ギア段数が表示されることも嬉しい。

ただし、パドル自体のサイズはやや小さめで、ステアリングを切り込みながらのパドル操作にやや難を感じたのが正直な感想だ。


インテリアのフィニッシュも実にスポーティな演出だ。    平井大介

エクステリアはそれぞれブラックにペイントされたヘッドライトリングやアッパーサイドガーニッシュ、バンパーロアガーニッシュ、シャークフィン、そしてマットブラックの18インチ径ホイールなどで、より精悍なイメージに仕上げられている。

インテリアのフィニッシュも実にスポーティな演出だ。それを考えるとセンターモニターなどは、現代のモデルには必要不可欠なアイテムではあるけれど、ドライビングへと没入するためには無粋な装備のようにさえ思えてくるから不思議だ。

ドライバーの感性を大いに刺激

今回用意された試乗時間は長くなかったため、最初からホンダS+シフトのスイッチをオンにしてドライブを始めることにした。

そのシフト制御はなかなかに魅力的で、特にシフトダウン時に感じる『レブマッチダウン制御』は、ドライバーの感性を大いに刺激してくれる。


シフトダウン時に感じる『レブマッチダウン制御』は、ドライバーの感性を大いに刺激する。    平井大介

ちなみにパドルによるマニュアル操作を行わなくても、コーナリング手前では車速の変化などに応じて最適な仮想ギア段数へとダウンシフトする『アーリーダウン制御』、そしてコーナリング中にはそのギアをホールドする『コーナリングホールド制御』が実行される。

率直な感想としては、前者にはもう少し積極的な、表現を変えるのならばよりアグレッシブな制御が欲しかったところ。一方で、新たにこのe:HEV RSではマルチスピーカー化された『アクティブサウンドコントロール』によるサウンドの演出は、迫力、軽快感ともに十分に満足できるものだった。

特に印象的なステアリングの応答性と正確さ

コーナリング性能は、これまでのガソリンエンジン仕様のRSをはるかに凌ぐものだ。

特に印象的だったのはステアリングの応答性と正確さで、加えてスプリングやスタビライザーの剛性がアップされたほか、ダンパーのバルブ最適化、前後のコンプライアンスブッシュの剛性までもが見直されたことで、きわめてスポーティで、そして上質感のあるコーナリングが演出されている。


マットブラックの18インチ径ホイールなどで、より精悍なイメージに仕上げられている。    平井大介

狙ったラインを確実に、まさにオンザレール感覚でクリアしていく一連のプロセスは、間違いなくスポーツ志向のユーザーの心を捉えてくれるはず。

『いったいホンダは何というニューモデルを生み出してくれたのか』。ドライブ中に常に意識していたのは、この言葉に象徴される感動だけだった。

正式な発表を経て、シビックe:HEV RSがオンロードを走る準備が整ったのならば、必ずもう一度そのステアリングを握ってみたい。その日が訪れるのが今から楽しみになるテストドライブとなった。