【関西激震】大阪松竹座が“存続”から一転、完全解体決定…ファンの希望を打ち砕いた急転直下の舞台裏
100年超の歴史を持つ「なにわのシンボル」が
関西に激震――大阪松竹座が“消滅カウントダウン”をめぐり大混乱だ。
大阪・道頓堀のシンボル「大阪松竹座」。歴史ある劇場が取り壊されるという衝撃展開を見せた。「道頓堀の凱旋門」と呼ばれた優美な正面玄関までもが解体対象というから、関係者の間に激震が走っている。
決断が下されたのは4月14日の松竹取締役会。着工時期は未定ながら、“完全解体”の方向性だけはガッチリ固まったというから穏やかではない。
大阪松竹座は1923年誕生の関西初の本格洋式劇場。ネオ・ルネサンス様式の華麗な建築で知られ、レビューに映画を組み合わせた当時最先端の興行で一世を風靡した“伝説のハコ”だ。1997年に大アーチを残してリニューアルし、演劇の聖地として生まれ変わった。
地下2階・地上8階、客席数1033。上方歌舞伎に松竹新喜劇、OSK日本歌劇団、関西ジュニアの拠点劇場として関西芸能のど真ん中を担ってきた‟牙城“。400年の歴史を持つ芝居町・道頓堀の風情を今に伝えるシンボル的な存在として親しまれてきた。
ところが昨年8月、「老朽化」を理由に閉館を発表。なにわの夏の風物詩として親しまれた“船乗り込み”ができなくなるため、3月29日に人間国宝・片岡仁左衛門(82)ら人気歌舞伎役者による“お練り”が特別に行われ、街はすっかり“さよならムード”一色に包まれていた。
ここで“まさかの一報”が空気を一変させた。3月31日付の読売新聞夕刊が「存続の可能性」を報じ、現場は一気に色めき立ったのだ。「大阪府や市が本気で乗り出すなら、建物も何らかの形で残るのでは――」そんな期待が一気に膨張し、楽観ムードが漂った。
だが、その“淡い期待”をあざ笑うかのように突きつけられたのが、今回の解体決定。まさに天国から地獄への急転直下だった。
「必ず、道頓堀に芝居小屋は建つ」
「松竹の社員ですら寝耳に水だったそうです。松竹座内にあるオフィスの移転先も決まっていないとかで、現場は相当混乱しているようです」と全国紙記者は明かす。
さらに浮上するのが、“カネの問題”だ。
「劇場が建つ土地は松竹の所有ではなく、“地代の異常な値上げ”を要求されたことで継続を断念したと噂されています。大阪・本町の松竹衣裳ビル売却説も飛び交っています」(同)
肝心の興行も苦戦が続き「満席になり、ペイできるのは関西ジュニア公演くらい」と囁かれる中、現在上演中の“さよなら公演”の「御名残(おなごり)大歌舞伎」も、一等席2万6000円の強気価格が裏目に出てチケットは売れ残り――花道の裏で冷たい現実がのぞく。
一方で松竹は、2026年2月期に52億円の黒字を確保。しかし次に控えるのは、ケタ違いの投資――東京・東銀座での再開発だ。
2035年をメドに総額約1000億円かけて、東劇ビルを建て替えるという。30階建ての複合施設に松竹本社のほか、800席の劇場、ホテル、映画館を詰め込む一大プロジェクトで、業界内からはこんな声が漏れ伝わっている。
「結局、大阪を切って東京に一極集中するということでは……」
芝居町・道頓堀の灯は消えるのか、それとも別の形で蘇るのか。
片岡仁左衛門が、お練り後の挨拶で、「必ず、道頓堀に芝居小屋は建つ」と言い切った言葉が重くのしかかる。
「どこかの会社の劇場のように“商業施設の中にお粗末な劇場を作ってお茶を濁す”という形だけは避けてほしいですね」(同)
華やかな看板の裏で進むのは、“文化の一極集中”という静かな地殻変動。名門劇場の終幕は、単なる一施設の問題では済まなさそうだ。
撮影・文:住吉スマ
