まだまだ収まらない「サナエトークン問題」 “元凶”とされる「高市首相のブレーン」は職を失っていた
いまなお、サナエトークン騒動は収まらない。運営元のユーチューブチャンネル「NoBorder(ノーボーダー)」が価格暴落への補償を発表したものの、ホルダーからは不満続出。おまけに、騒動の元凶とされる「高市ブレーン」の藤井聡・京大大学院教授(57)は表舞台から姿を消し、言論活動の危機に瀕している。
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【実際の画像】最初から「高市首相のお墨付き」はなかった! “サナエトークン”提案書のナカミ
大物ヤメ検弁護士のアドバイス
あらためて、高市早苗首相がサナエトークンへの関与を否定したのは4月7日の参院予算委員会。立憲民主党の杉尾秀哉議員から、無断で名前を使われているなら「訴えるべきではないか」と問われると、ノーボーダーが補償を進めていることなどから法的措置は取らないとの見解を示した。

関係者の話。
「暗号資産交換業者として無登録だったため、資金決済法違反の疑いで金融庁が調査に乗り出しました。事件化に危機感を持ったノーボーダーの溝口勇児CEOは、大物ヤメ検弁護士のアドバイスで、ホルダーに補償することにしたのです」
その補償は、高市首相のXでの「関与否定」投稿直前である、3月2日21時時点を基準に算出した損失が対象だった。
「高市首相の投稿で市場はパニックに陥り、0.012ドル付近から一気に半値近くにまで暴落しました。しかし、暴落はその一度だけではなかった。サナエトークンは発行初日の2月25日に0.027ドルの最高値をつけた。言うまでもなく、溝口CEOらが高市首相公認だとあおったからです。ところが、翌日にかけて60%の暴落。意図的な“売り抜け”が疑われています」
大勢のホルダーから不満の声
実は、サナエトークンの発行前、ノーボーダー側が高市首相の公設第一秘書、木下剛志氏宛てにLINEで送った「自民党×民間プロジェクト(NoBorder)ご提案書」なる文書がある。それには、〈本トークンは、高市氏と提携または承認されているものではないことにご留意願います〉などと記されている。
「つまり、はなから高市首相のお墨付きを得ようとはしていなかったわけです。話を盛り過ぎの宣伝にだまされ、初日にサナエトークンを購入したホルダーは大損を被った。ところが、その暴落は補償の対象外で、大勢のホルダーから不満の声が上がっているのです」
騒動の元凶
一方、サナエトークン騒動の元凶とされるのが高市首相の経済ブレーンの一人、藤井教授である。溝口CEOにプロジェクトそのものを提案した当事者だからだ。
高市首相投稿の翌3日、藤井教授は同じくXで〈アプリ内での活動(意見投稿など)に応じて付与されるデジタル資産との説明を受け、その趣旨に沿った発言をして参りました〉などと、サナエトークンが仮想通貨であるとの認識はなかったと弁明。しかし、事態は収束しなかった。3月7日、「教えて!ニュースライブ 正義のミカタ」(ABCテレビ)が藤井教授のレギュラー出演見合わせを発表したのだ。
さらに、「表現者クライテリオン」の編集長の座も失うことになった。同誌は保守の論客だった故・西部邁氏が創刊した「発言者」がルーツの言論誌として知られている。
クライテリオン関係者によれば、
「言論活動とは別の問題で批判を浴びた藤井さんを編集長に留め置けませんでした。4月16日発売の5月号から編集委員らによる合議体制に移行することが決まった。また、クライテリオンのユーチューブチャンネルへの出演もしばらく取りやめ。藤井さんは第一線からいったん退くことになったのですが、実はその間、本人が“院政”を敷こうとした。編集委員らがそれに反発し、もめたそうです」
「表現者クライテリオン」の運営元である規準社に聞くと、
「今後の編集体制については、5月号で発表します」
サナエトークン騒動にケジメがつくのはいつか。
「週刊新潮」2026年4月23日号 掲載
