尾上眞秀 13歳仔獅子から若獅子へ 身長10センチ伸びた 「四月大歌舞伎」上演中「荒々しく演じたい」
歌舞伎俳優の尾上眞秀(13)が東京・歌舞伎座で上演中の「四月大歌舞伎」(27日まで)夜の部「連獅子」で尾上右近(33)と親子の獅子として奮闘している。連獅子を踊るのは2024年、右近の自主公演以来2年ぶり。心身共に伸び盛り。「荒々しさは意識しています。きっちりと暴れるところは暴れたい」と4月に懸ける意気込みを語った。(前田 拓磨)
連獅子は歌舞伎の代表的な舞踊演目の一つで「獅子の子落とし」という故事成語から親子の情愛が描かれている。前半の手獅子を持った狂言師の流麗な踊りと、後半で親子の獅子がダイナミックに毛を振る動きが見どころ。実の親子が演じることも多く、血縁のない俳優が歌舞伎座で演じるのは2020年の片岡愛之助(54)と中村壱太郎(35)以来6年ぶり。眞秀は「荒々しく演じるべきところは荒々しく演じます。暴れるところは暴れたい」と意気込む。
獅子の親は子を深い谷底に落とし、はい上がってきた子だけを育てる。連獅子を踊るのは24年の右近の自主公演「研の會」以来で歌舞伎座では初。右近の指導にも熱が入る。「右近さんには特にすり足のことを言われています。稽古は厳しいですが楽しかったです」と眞秀は充実の表情。毛を振る場面で右近はスピードを出し、眞秀も必死に食らいつく。
一方で親のような一面も感じている。「右近さんからは“最初に出てくる場面が一番大事”とか“一人で踊る時は伸び伸び自由に”と言われました」と親身なアドバイスがあったという。
今回踊る歌舞伎座は前回の浅草公会堂より舞台が大きくなる。「歌舞伎座の舞台に慣れようと意識しました。客席の奥を見るようなイメージでいます」と会場全体に見せることを心がけている。
前回から身長は約10センチ伸びた。「足が長くなり、前の感覚でやっていると形が悪く見えたりする」と苦戦中の部分もある。だが毛振りには「前回疲れた時に得た発見で、毛はこうすれば振れるというのは分かってきました。徐々に慣れ、前よりは全然きつくなく、体力もついたと思います」と手応えを見せる。
取材に同席した母の寺島しのぶ(53)も「衣装さんと衣装の袖をもう少し長くしようかと話した。1カ月でも日々変わる」と息子の成長を明かした。
私生活では中学2年生となった。「いろいろなことに挑戦する一年にしたい」。歌舞伎座での大役を糧に、幼い仔(こ)獅子から力強い若獅子へ変わっていく。
