名車が奏でる氷上のシンフォニー|The I.C.E. サンモリッツ 2026
「Open Wheels」カテゴリーの各車は、まるでスピードボートのように湖上を駆け抜けた。巨大な1928年ベントレー 4.5リッター、元スクーデリア・フェラーリのアルファロメオ 8C 2300というアイコニックなモデルの走りが楽しめるのだから、こちらも文句ない。
「Birth of the Hypercar」カテゴリーは昨今のネオクラシック・ブームもあり、一般的に言えば最も注目を集めたのかもしれない。1995年フェラーリ F50、1996年マクラーレン F1や、1999年ポルシェ GT1などが並んだ。ケーニグセグの最初のプロトタイプ、1996年ケーニグセグCCといったレアカーまでも氷上でダンスを繰り広げたのだからエキサイティングだ。しかし、このカテゴリーの各車が氷上の走りにおいては一番ハンディがあったかもしれない。重いボディとファットなタイヤ、そろそろと走ったり、スタックして牽引される個体も多発したのだった。
「ベスト・オブ・ショー」を射止めたのは、フリッツ・バーカード所有の1937年タルボ・ラーゴ T150C SS「ティアドロップ」であった。フィゴーニ&ファラスキによるその流麗な造形は、一般的なコンクール・デレガンスのグリーン上でも素晴らしく美しいのはもちろんであるが、この白銀の世界の中ではさらにその美しさを増すように感じた。
その他の主な受賞車:
Legendary Liveries: 1976年ランチア・ストラトス
Open Wheels 1949年 マセラティ 4CLT
Birth of the Hypercar: 1993年 ジャガー XJ220
Hero Below Zero(一般投票): 1996年 マクラーレン F1 GTR(Larkカラー)
Spirit of St. Moritz: 1967年 フェラーリ・ディーノ 206 S(観光ポスターのラッピング仕様)
The I.C.E.を訪れるためのアドバイス
このエレガント極まりないイベントをそのスタートからずっと応援している筆者から、幾つかのアドバイス。前述のようにチケットは限定数販売だからウェブサイトをまめにチェックし、メーリングリストにも参加されたい。金曜、土曜の二日間の開催となり、1日目がディスプレイ主体で、2日目が走行主体+セレモニーだ。一日目の方は展示車両をそれぞれ目の前で観察することができるし、走行も行われるから、どちらか一日の参加ならば、金曜日の方がより楽しむことができるかもしれない。
アクセスはチューリッヒから、もしくはミラノからの二つのルートがメインであろう。ミラノからティラノ経由で絶景を楽しむことのできるベルニナ急行でゆっくり行くのもよい。サンモリッツのホテルはこのシーズン、ほぼ満室であるし、良いところはとんでもなく高価であるから、ベルニナ急行沿いの小都市に宿泊する手もある。こぢんまりとしたポスキアボはお勧めだし、サンモリッツまでベルニナ急行で1時間半ほどだ。
ウェブサイト:https://theicestmoritz.ch/
Special thanks Marco Makaus, Desiree Baldini,
Words: Shinichi EKKO
Photography: The I.C.E. St. Moritz, Alessandro Barbieri, Shinichi EKKO
