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最高水準の速さと落ち着き:BMW M2 CS

アウディRS3の次にドアを開いたのは、3.0L直列6気筒で後輪駆動のBMW M2。長い歴史を持つ、2ドアのMモデルの最新版だ。CS仕様で、専用サスペンションにミシュラン・パイロットスポーツ・カップ2が組まれ、ダックテール風スポイラーがリアを飾る。

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濡れた路面では、フロントが期待ほどグリップせず、高い集中力が求められた。少し深めに右足を倒すと、突然オーバーステアが始まる。「この路面では、硬い足まわりがステアリングの精度や感触へ影響を与えますね」。イリヤ・バプラートが口にする。


BMW M2 CS(英国仕様)

ところが路面が乾くと、鋭いコーナリングを堪能できるように一転。「小さなMモデルらしい操縦性のバランスに、最高水準の速さと落ち着きが融合しています。感覚的な充足感も素晴らしい」。マット・ソーンダースが微笑む。

素晴らしいバランスとステアリング:AMG GT 43

同じく後輪駆動のメルセデスAMG GT 43は、銘柄らしくない2.0L 4気筒エンジンを積む穏やかな仕様だが、421psと動力性能に不満なし。ステアリングの感触に優れ、サスペンションはしなやか。流れるような身のこなしで、ワインディングへ興じれる。

素晴らしいバランスとステアリングだと、バプラートは印象を振り返るが、マット・プライヤーは違う。「バランスは良いですが、公道では余り魅力を感じないかも」。ソーンダースがうなずく。「グランドツアラーでも、スポーツカーでもない感じです」


メルセデスAMG GT 43(英国仕様)

ポルシェ・タイカン・ターボ GTの性格も、少々複雑。ニュルブルクリンクを超高速で周回できるバッテリーEVで、バイザッハ・パッケージが組まれ2シーターだが、4ドアサルーンのボディをまとう。車重は2220kgあり、ツインモーターは1109psを繰り出す。

ステアリングは最高峰。豊かなフィードバックがあり、重み付けとレシオも理想的だ。「想像よりずっとイイですね」。とはプライヤー。「速くて安定感は抜群で、本当に楽しい。購買層を想像しにくいですが」。と続ける。

繊細な感触に無限のリニアさ:911 GT3

2025年のBBDCには、ポルシェが2台もノミネートした。992.2世代へアップデートされた911 GT3で、指名したのはウイングのないツーリング。自然吸気の4.0L水平対向6気筒エンジンと6速MTのペアが、乗り手を魅了する。

小さいとは呼べないボディだが、一般道に大きすぎない。運転席からの視界も広い。ステアリングには、超高解像度のフィードバックが伝わる。至高のシャシー能力を、510psのパワーで引き出しつつ、ヒール&トウで没入できる。


ポルシェ911 GT3 ツーリング(英国仕様)

「お尻へ伝わる繊細な感触。エンジンの無限なリニアさ。湿った路面でも、アクセルオンで自然にラインを絞れます。もはやアートですよ」。リチャード・レーンが話す。

筆者も同感。だが、完璧とはいえないだろう。アクセルペダルを戻すと、ドライブトレインから粗野な振動が伝わり、出色の一体感へ水を差す。低域での硬い乗り心地や、小さくないロードノイズは、「ツーリング」に相応しくはない。

マッスルカー的な剛腕さ:ヴァンキッシュ

グランドツーリングを謳歌するなら、アストン マーティン・ヴァンキッシュかフェラーリ12チリンドリが望ましい。2台とも見惚れるスタイリングと、大排気量のV12エンジン、豪奢なインテリアで構成されている。

しかし共通点は、表面的な部分でしかない。ヴァンキッシュへ乗ると、横に長いフロントガラス越しの視界がやや狭く、大きさを実感してしまう。湿った路面でアクセルペダルを半分以上倒すと、即座にトラクション・コントロールが介入してくる。


手前からランボルギーニ・レヴエルトと、アストン マーティン・ヴァンキッシュ

本来のポテンシャルを、実環境で召喚することは簡単ではない。とはいえ、自然なステアリング・レシオとタイトな姿勢制御で、驚くほど意欲的に連続するカーブを駆け巡れる。放たれるサウンドは、何時間でも浴びていたい。

「12チリンドリより運転姿勢はベター。パワーも扱いやすいといえます。現実的な速度域での、マッスルカー的な剛腕さが特長ですね」。ソーンダースが端的にまとめた。

この続きは、BBDC 2025(3)にて。