【チャンピオンズC 見どころ】冬の到来とともに、新たなダート王は現れるか

写真拡大 (全6枚)

2025年も残すところあと1ヵ月、冬の到来とともにやってくるのがダート最強馬決定戦として名高いチャンピオンズC。

ジャパンCダート時代から振り返るとクロフネ、カネヒキリ、ヴァーミリアン、そして昨年のレモンポップなど、歴史を紐解けばダート最強馬がその実力を誇示し続けた。

【予想配信】ダート最高峰の競走「チャンピオンズC」をガチ予想!キャプテン渡辺の自腹で目指せ100万円!冨田有紀&三嶋まりえ

そうして迎える26回目のチャンピオンズCだが......出走メンバーを見ると例年よりもやや小粒に映るのは気のせいだろうか。

思えば2025年のダート界はフォーエバーヤングが絶対王者として君臨したのは間違いない。

日本馬として史上初となるダート大国・アメリカの最高峰GⅠであるBCクラシックを制しただけでなく、年明け早々にはサウジCも勝利するなど文句なしの実績を収めた。

そんな絶対王者が不在の一戦となったため、どの馬にもチャンスがある一戦となったのは間違いない。

思えば、チャンピオンズCで単勝オッズが10倍を切る馬が5頭以上いるという混戦模様の年は過去に5回ほどあったが、1番人気馬は[1・3・0・1]。

敗れた4戦中3戦では6番人気以下の伏兵が勝利した一方、唯一の勝ち馬は翌年もこのレースを勝ったトランセンドだった。


ナルカミ(c)SANKEI

つまり、混戦模様を断ち切って勝利した人気馬はその後もダート界の覇権を握るが、流れ次第で大波乱の結果ともなりうる。それだけに今年は1番人気候補・ナルカミに注目したくなる。

雷を指す「鳴神」の名を与えられた彼の走りはまさに電撃。

スタートからダッシュを利かせてハナを切り、直線でそのまま押し切るという内容でデビュー戦はブッチギリ。これ以降も勝つ時は2馬身以上の差を付けて勝つことがほとんどで、逃げながらも上がり最速でまとめるという圧倒的な走りを見せてきた。

そんなナルカミの力が存分に発揮されたのはジャパンダートクラシック。

いつものように自ら先手を取っていくと前半3ハロン35秒3と速いペースを刻むと、後続馬は追いかけるのが精いっぱい。

この馬自身も最後はペースを落としたが、それでも南関東三冠を狙うナチュラルライズに3馬身差を付ける圧勝を収めた。

ここまで6戦5勝とほぼパーフェクトな戦績を収め、展開に左右されない走りが大きな武器に。古馬の一流どころとの対戦はこれが初めてだが、自分の走りができれば若きダート王の誕生となるだろう。


ウィルソンテソーロ(c)SANKEI

若きダート王候補がナルカミならば、悲願の勝利を狙うのがウィルソンテソーロだろう。

若いころは同じ馬主が所有するウシュバテソーロのまるで影武者とも言うべき成績を収め、2年前のチャンピオンズCは12番人気で2着に激走して表舞台に。

続く東京大賞典でウシュバテソーロとのワンツーを決めると、5歳になった昨年はGⅠ制覇を目指して国内の主要なダートGⅠに立て続けにチャレンジ。

コリアC制覇をステップに佐賀競馬場で開催されたJBCクラシックで遂に念願を叶えた。

そうして迎えた昨年のチャンピオンズCではレモンポップを懸命に追いかけたが、あと一歩届かず2年連続で2着。

この後の東京大賞典は積極的に動いていったが、海外帰りのフォーエバーヤングの前に屈して2着と絶対的な王者が常に壁となっていた。

6歳になった今年は昨年ほどの安定感はなかったが、南部杯ではシックスペンスらを力でねじ伏せて2度目のGⅠ勝利を達成。

昨年と比べると小粒になった感のあるメンバー構成を見ると、3度目の挑戦でのチャンピオンズC制覇が現実味を帯びてきた。


ダブルハートボンド(c)SANKEI

時代を変える波乱の王者は突然やってくるもの。今年の場合は牝馬ダブルハートボンドにその資格があると言えるだろう。

デビューしたのは昨年8月。今年の1月の時点ではまだ2勝クラスを勝ったばかりという一介の条件馬に過ぎなかったが、それから連勝は続いて舞鶴S、三宮Sと連勝して5連勝でオープン入り。

交流重賞のブリーダーズゴールドCで敗れて連勝は途絶えたが、それでも2着に入って実力を証明すると、JRAに戻って迎えたみやこSでは好位に付けて流れに乗ってペースをつかむと、早めに先頭に立って後続馬たちを完封。

勝ち時計の1分47秒5はダート1800mでの日本レコードという圧巻のものとなった。

レコード勝ち後のダメージもなく、順調な状態で迎えた今回はここまで3戦全勝を誇る中京ダート1800m戦。ダート女王の座を襲名するにはこれ以上ない舞台となりそうだ。


ルクソールカフェ(c)SANKEI

ナルカミとともに3歳ダート界を引っ張ってきた実力馬・ルクソールカフェも注目馬の1頭となるだろう。

フェブラリーS2連覇を飾ったカフェファラオを兄に持つという超良血馬はデビュー3戦目で初勝利を挙げると、そこから4連勝。ヒヤシンスS、伏竜Sと3歳ダート戦線の主要な出世レースを勝利してきた。

素質馬がこの後に選んだのはアメリカへの道。ケンタッキーダービー制覇を目論んで遠征したが、道悪馬場に苦しみ完敗。

帰国緒戦のジャパンダートクラシックはナルカミを最後まで捕まえられずに3着止まりだったが、初古馬相手の一戦となった武蔵野SではフェブラリーSを制したコスタノヴァに土を付ける完勝。

兄が庭同然に暴れまわった東京マイルのダート戦で重賞初制覇を成し遂げた。

兄はチャンピオンズCで2年続けて着外に終わるなど、決して得意としていなかったが、果たして弟はどうか。兄のリベンジを成し遂げるか注目したい。

冬の到来とともに現れるダート界の新たな王者は、果たしてどの馬か。冬枯れの中京競馬場を照らす夕日に映える新王者の誕生が今から待ち遠しい。


■文/福嶌弘


繁殖牝馬は縦社会!? オークス馬・ユーバーレーベン 新米ながらボスに君臨【もうひとつの引退馬伝説】

【華麗なる武一家】"サイレンススズカ" 武豊「自身が乗った中で一番強い馬」

【クセ強名馬】二冠馬エアシャカール「アタマの中を見てみたい」武豊も思わず激怒!?