東京都独自「0〜2歳の保育料無償化」始まる 3〜5歳は全国で無償化済み
●台東区は4月から先行実施 東京都では9月から
「幼児教育・保育の無償化」として、2019年10月から、全国一律で3〜5歳の保育園・幼稚園・こども園に通う子どもの保育料は無償となっている。一方、0歳から2歳については住民税非課税世帯や第三子以降などに限られていた。そこで東京都は、国の制度ではカバーできない0〜2歳について、第一子から、所得制限を設けず、支援を行うことで、二人目以降の出産を後押しする環境を整える。
東京都の今回の施策は、もともと保育料が高く、家計に占める割合が大きくなりやすい0歳から2歳の子どものいる世帯をターゲットに絞り、子育て支援の姿勢をアピールしたものだ。今後、近隣自治体との格差や財源確保といった課題も予想されるが、少子化対策としては重要な一歩である。
一方で、こうした制度のない地域では、引き続き、経済的に厳しい状況が続く。例えば、私の姪は大阪府高槻市に住み、第一子である1歳の子を保育園に預けながらフルタイムで働いている。しかし現実には、子どもが発熱するなど、思うように勤務できない日が続くうえ、保育料については全額自己負担だ。そのため、収入よりも保育料の方が上回る月もある。
働いても赤字が続き、家庭にとっては「子どもを預けて働くほうが赤字になる」という点こそが最大の問題である。そのため、安心して働き続けることが難しいのが実情である。
こうした現実を考えると、東京都が第一子から無償化を導入する意義は明確である。保育料負担を軽減することは、単に子育て世帯の経済的支援にとどまらず、出産を機に退職せず、安心して就労を継続できる社会を形づくる基盤となる。今回の東京都の取り組みは、こうした課題を解消し、子育て世代にとって前進となる大切な制度であるといえる。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)
■Profile
堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所 堀田泰希を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実践的内容から評価が高い。

