満タン後の「ちょい足し給油」なぜやっちゃダメ? 知らずにやってた「セルフ式ガソリンスタンド」での“NG行為”とは?

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「それやっちゃダメ!」セルフ式GSでNGなこととは?

 近年、ドライバー自らが給油する「セルフ式ガソリンスタンド(以下、セルフ式GS)」が増えています。

 かつては「車両燃料=危険物」の観点から有資格者(GSスタッフ)しか給油できない時代もありましたが、1998年の改正からセルフ式GSが認可されました。

セルフ式GSでのNG行為とは?

【画像】「えぇぇぇぇ!」 これが給油口の中身です! 意外な構造を画像で見る!(24枚)

 現在では全国の半数以上に当たる1万721箇所(2023年3月時点・日本経済エネルギー研究所石油情報センター調べ)ものセルフ式GSがあり、利用している人も多いでしょう。

 給油スタンド前に車両を移動させ、給油口を開けて給油ホースから燃料を入れるという、一見カンタンそうな給油作業ですが、実は知らないうちにやってしまうNG行為があるようです。

 どういった行為がNGなのでしょうか。都内のセルフ式GSの店長に聞いてみました。

●給油中の火気および電子機器の使用

「給油中はもちろん、敷地内でも火気厳禁です。給油中の車内喫煙(電子タバコ含む)だけでなく、静電気を引き起こす可能性のある電子機器の使用もできれば控えていただきたいところです。

 また日本では給油中はエンジンをOFFにしなければいけません」

●給油スタンド前での急な移動やバック走行

「いざ給油しようと思ったら給油口がスタンドの反対側だった、なんてことはよくあります。同様に、給油口側の列にばかり並ぶ、というのも実はNG行為です。

 適正な位置に駐車できれば十分反対側の給油口まで届くようにホースの長さも確保されています。

 また給油レーンでのバック走行は接触事故の原因にもなります。どうしても必要な場合はGSスタッフの誘導に従って移動してください」

●オートストップ(自動停止)後の燃料ちょい足し

「実は給油ノズルの先端には『検知口』と呼ばれる小さな穴が開いており、ここから空気が入らなくなると満タンだと判断するシステムが搭載されています。

 シンプルな構造のため満タンでなくてもオートストップ機能が働いて止まってしまうこともありますが、継ぎ足す行為はおすすめできません。

 入れ過ぎによって引火性の強い燃料が溢れるのを防ぐためです。オートストップがかかったら、そのまま静かにノズルを引き抜いください」

 何回も給油経験のあるドライバーでもしてしまうNG行為のなかで、最も厄介なのが「油種の入れ間違え」です。

ガソリン」と「ディーゼル」の入れ間違えは、確実にアウトで、そのまま走行してしまうとエンジンに決定的なダメージを与えると言われています。

「セルフ式GSでは、基本的にガソリンのホースは赤(レギュラー)か黄(ハイオク)、ディーゼルのホースは緑です。

 特にSUVの場合は同じ車種でもガソリンエンジンとディーゼルエンジン両方の設定があるモデルもあるので、自車の燃料は何を入れればいいのかを事前に確認しておきましょう」(GS店長)

 ちなみに間違えて給油してしまった場合、走行前ならギリギリ間に合います。

 間違えて入れてしまった量に関係なく、走行せずにスタッフの指示を仰ぎ、燃料タンク内の燃料を抜き出してもらう必要があります。

 お金はかかりますが、エンジンが故障するよりも安く済むのですから、正しい対処でクルマを守りましょう。

 ほかにも、「静電気除去パッド」に触れずに給油ノズルを持ち上げるのはNG。体にたまった静電気を逃がすためで、夏場であっても静電気除去パッドに触れる必要があります。

※ ※ ※

 正しい手順がわかれば、セルフ式GSでの給油はさほど難しいことはないのですが、燃費が良いハイブリッド車の普及によって給油回数が減り、給油でのNG行為を忘れている人もいるようです。

 セルフ式GSは多くの人が利用する設備であることを意識して、安全に利用しましょう。