大東建託はZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の供給戸数が契約ベースで約8万戸、今期中に12万戸を超える見通し。ZEHのような環境対応住宅を建てる時には、各金融機関が金利優遇措置を取っていることもあり、オーナーからの注目度は高い。

新たな領域を いかに開拓するか?

 ただ、日本が人口減少社会であるという現実は変わらない。大東建託が今後さらなる成長を図るにあたっては従来の事業以外の領域を開拓する必要がある。

 その1つが「まちづくり」。自治体や地元企業との連携で社会課題解決につながる施設を設置している。例えば千葉県千葉市は、22年に環境省から「脱炭素先行地域」に指定されているが、そのうちの若葉区動物公園地区は「グリーン・ZOOエリア」となっている。このエリアは大東建託が運営事業者となって、「次世代再エネシェアリングタウン」づくりを主導。

 ZEHの開発、大東建託出資による新電力会社を設立し、エリア内でエネルギーシェアリングやモビリティシェアリングを行うことが計画されている。「総合開発を進めさせていただいているが、これは自治体さんと連携しなければできない仕事」と竹内氏。

 他にもグループ会社の「ケアパートナー」は現在28都道府県、183拠点で介護、看護、保育、障がい者福祉という4事業を手掛ける。

 また、入居者専用アプリ「ruum」は、入居から退去までのサポート以外に暮らしに関する様々なサービスを提供するポータル機能も持つ。このアプリの活用で人と街、サービスをつなげていく。このまちづくりの形を「DKミライサークル」と名付けている。

 他にも不動産開発事業として、まだまだ不足が叫ばれる物流施設を手掛けていることに加え、個人投資家向けに小口化した投資用マンションの販売、それらの物件でREIT(不動産投資信託)を組成して販売するといった取り組みも進める。

 成長市場として海外展開も進めている。その市場は米国。「北米の西海岸では住宅が不足している」(竹内氏)として、カリフォルニア州に第1号案件として8棟、32戸の集合住宅を取得。これをリノベーションして再販する事業を展開する。カナダでの展開も視野に入れる。

 新築が好まれる日本とは違い、元々中古住宅が活発に流通する市場で、リノベーションした際の価値の上がり方も大きい。新築よりも中古の方が行政の認可が降りるスピードも速い。

 大東建託は業界の他社や他業界に比べて、在庫が少ないビジネスモデルを展開してきた。そのためROE(株主資本利益率)は高く、26年度までの中計の中では20%の達成を目指す。ただ、前述の物流施設や投資用マンションはどうしても在庫を抱えるビジネス。「ROE20%達成に向けて、どういう資金の回し方をしていくのがいいのかを検討しなければいけない」(竹内氏)

 今後は銀行からの借り入れを活用することも検討している。これまでの実績から、銀行などからは低利で借り入れができる。大東建託は借り入れにあたっては、D/Eレシオ(負債資本倍率)で0.4%という規律を持っており、これに照らしながら判断する考え。


「体育会系」的な社風から いかに脱却していくか


 大東建託はかねてから「営業力の強い会社」という定評がある一方、以前はそれが行き過ぎているのではないか?という指摘を受けたこともあった。竹内氏は、その会社をどのように変えてきたのか?

 竹内氏は23年4月に社長に就任。入社から35年という生え抜きだ。「創業時から上場くらいまでの時期、ブランド力も資金力もまだ弱い中で会社を引き上げてきた創業者(多田勝美氏)の目標に対する執念の強さは素晴らしいものだと思っている」と振り返る。