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エンジン車にモーターとバッテリーを後付け

英国を拠点とするベデオ(Bedeo)社は、後付け用の電動パワートレイン「RE-100」を発表した。既存車両のエンジンと併用するもので、都市部での排出ガス削減を目的としている。

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RE-100はバッテリー、制御モジュール、ホイール内蔵型の電気モーターで構成され、フィアット・デュカトやヴォグゾール・モバノといった3.5トン級の大型バンでの使用を想定している。取り付けにかかる費用は約2万5000ポンド(約450万円)とされる。


ベデオ社のデモ車両

モーターはベデオ社の一部門であるProtean社製で、後輪の内側に1基ずつ取り付けられる。37kWhのバッテリーをシャシー内に搭載し、最低地上高、積載量、フロア高を維持。電気のみでの航続距離は約115kmで、回生ブレーキシステムも備わる。エンジンは既存車両のものをそのまま使用する。

モーターとエンジンは独立しており、基本的にEVモードで始動する。停車時には任意でエンジンモードを選択でき、標準車のようにエンジンパワーで駆動する。エンジンモードで走行中、ギアをニュートラルに入れてモードを切り替えると、EVモードへ復帰することができる。

このような切り替えシステムは、欧州の都市部で実施されている排出ガス規制区域(ULEZなど)に対応したものである。規制区域に進入する際、一定の排出ガス基準を満たさない車両には通行料金が課せられてしまう。古いディーゼルエンジン車などへの風当たりも厳しい。

RE-100は既存のエンジン車に後付けで導入できる。排出ガス規制区域に進入すると、自動的にディーゼルエンジンの停止を促す機能も備わっている。

ベデオ社は英国企業だが、RE-100をフランスで生産する計画だ。フランスでは、エンジン車をEVに改造するための補助金制度があり、1台につき8000ポンド(約145万円)が政府から支給されるため、取り付け作業もフランス国内で行われる。需要に応じて英国などにも拠点を設ける方針だという。

ベデオ社はRE-100を「リボーン・エレクトリック」と呼び、高価な新型EVを購入する余裕のない事業者向けの製品であり、商用車、特に冷凍車などの特注車に適していると主張する。

創設者でCEOのオスマン・ボイナー氏は「改造されていないバンの場合、当社のシステムを使った投資回収は最長で5年ですが、特定の用途のために高価な改造が施されているバンの場合、投資回収はもっと早くなります」と話す。

「現在、事業者には3つの選択肢があります。古いバンを8000ポンドで売却するか、新しいディーゼル・バンを2万5000ポンド前後で購入するか、新しいEVを5万ポンドで購入するか、というものです。当社は約2万5000ポンドで、第4のハイブリッド・ソリューションを提案します。これは、企業の収益にも、事業者が単に車両を交換するのではなく、車両の耐用年数を最大化するという意味で持続可能性にも良いものです」

ベデオ社は2009年に設立され、小型商用車を中心に製造してきた。2017年より英国でEVの販売を開始し、2019年には当時のPSAの一部モデルに電動パワートレインを供給すると発表した。

デモ車両に試乗

シトロエン・リレーの後輪のホイールスポークを覗くと電気モーターが見えるが、それ以外にベデオ社のデモ車両であることを示す手がかりはほとんどない。

運転席に座ると、標準車との違いがよく分かる。ダッシュボードには、パワートレイン・モード切り替えボタンを備えたコントロールパネルがあり、バックミラーにはバッテリーの状態が表示されている。


ベデオ社のデモ車両

イグニッション・キーを押せばEVモードで始動し、スムーズかつ静かに走り出す。この点は、ディーゼル・バンの絶え間ない振動や揺れ、ガラガラ音に疲れ切ったドライバーに喜ばれるに違いない。

EVモードであることを忘れてクラッチを踏み、ギアを選ぼうとしたが、幸いなことにトランスミッションの機械式ロックがレバーの動きを妨げていた。

わたしはバンを停め、ディーゼルモードで再始動させた。すぐにノイズと揺れがひどくなったので、まもなく停車してニュートラルギアを選択し、モードボタンを押してEVモードに戻した。ディーゼルエンジンは停止し、電気モーターが継ぎ目なく静かに作動する。