J2で首位を走る町田の主軸である翁長。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 攻守の重要局面となる「バイタルエリア」で輝く選手たちのサッカー観に迫る連載インタビューシリーズ「バイタルエリアの仕事人」。第31回は、FC町田ゼルビアのMF翁長聖だ。

 帝京三高時代から全国大会で活躍した翁長は、中央大を経て、2017年にV・ファーレン長崎でプロキャリアをスタート。1年目から開幕スタメンを飾り、定位置を勝ち取った。

 その後、大宮アルディージャを経て、22年に町田に加入。移籍直後からポジションを掴み、今季もここまでのリーグ戦全試合に出場している。

 プロ入り後は、4バック時にはサイドバック、3バックではウイングバックで活躍してきた。

 23年のJリーグで、大きな話題の一つとなっているのが“黒田ゼルビア”の大躍進だ。昨年J2で15位に終わった町田は、青森山田高で一時代を築いた黒田剛監督の抜擢や、意欲的な補強を敢行。チームは現在、首位に立っている。

 注目度も上昇している。7月に国立競技場で開催した東京ヴェルディ戦では、公式入場者数が3万8402人を記録。従来のクラブ最多だった1万444人を大きく更新した。

 飛躍の時を迎えている町田。前年から主軸だった翁長から見て、どのような変化があったのか。

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 黒田監督が来てから、いろいろなメディアで報じられている通り、失点を防ぐことへのこだわりが、すごく変わりました。

 守備の良さが、これだけ大々的に報じられると、選手としても、自然と意識が向きます。当然、そういう心の持ちようになってきますし、僕も失点を防ぐイメージを、すごく持っています。そのような変化は、シーズン前のキャンプに入った当初から感じていました。

 個人としては、毎年マイナーチェンジをしているなかで、積み上げが大事だと思っています。去年できたプレーのなかに、次は監督に言われていること、たとえば「ゴールを隠す」というプレーを、強く意識しています。

 今季のここまでの出来については、チームが勝てている、という感じです。個人がどうかというよりも、チームのほうが大事です。

 順位が大きく上がっているのは、やるべきプレーの徹底が凄くて、それを求められているからだと思っています。勝つために、当たり前のように、やらないといけないことができていると。

 注目度に関して、ですか? たしかに上がっているとは思いますけど、プレーしている身として、僕は、特には意識していないです。
 翁長の特長に挙げられるのが、豊富な運動量とロングスローだ。“飛び道具”である後者では、長い助走から背筋やバネを利用して投げ込む。フリーキックのような鋭い弾道を描いたボールは、ゴールの正面付近まで到達する。

 今季から就任した黒田監督は、前任の青森山田高でもロングスローを重視。攻撃時の有力な武器として、高校サッカー界にも多大な影響を及ぼした。

 そんな経緯から、開幕前から翁長が持つ“特技”への期待が高まっていた。その通り、ロングスローの回数は増加して、従来の試合終盤だけではなく、序盤からも見られるようになった。

 6月に行なわれたJ2第20節の長崎戦では、ゴール前に放り込んだロングスローで得点を演出した。

 ロングスローを始めた経緯や、意識している点などを訊いた。

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 アマチュア時代にはまったくやっておらず、初めて投げたのは、長崎に入ったプロ1年目でした。
 
 加入直後にウイングからウイングバックにコンバートされたこともあってか、たしか当時の三好毅典キーパーコーチに勧められて、投げてみました。僕のタイプや体形などを見て、向いていると思ってくれたのかもしれません。

 最初は、周囲の選手よりも多少は飛ぶ程度でしたけど、投げていくうちに、どんどん距離が長くなっていきました。