ゆで卵を念力で生卵に戻して孵化させた!? 仰天論文が学術誌に載る=中国
記事は、吉林省で発行されている学術誌「写真地理」に先日、「火の通った卵を生に戻して雛を誕生させる」という内容の論文が掲載されたとして、ネット上で議論が巻き起こったと紹介。その第一著者は河南省鄭州市にある職業訓練学校校長の肩書きを持つ人物だったと伝えた。
論文の内容もとんでもないが、このような論文が掲載されてしまう学術誌も問題と言わざるを得ない。しかし記事によれば、論文の作者はネットユーザーからの「インチキだ」という批判の嵐に対して「すべて事実である。能力開発した子どもたちは遠隔操作でスマホの写真を撮ることもできる」と反論し、この学校の教師を名乗る人物も「実際に実験に立ち会い、確かにそのような能力を持つ者がいる」と語るとともに、実験映像を公開する意思まで示したという。
一方、中国科学分野の最高峰・中国科学院はSNS上で、「フッ」という嘲笑を付して関連報道を紹介したとのことである。
記事は、論文の第一作者が経営する学校では「潜在能力、記憶力、念力の開発が可能」と称し、3泊4日のトレーニングを1万2800元(約21万6000円)という高額の値段で販売しており、昨年には河南省のテレビ局で「わが子が潜在能力開発クラスに参加したが、文字を透視する『特殊能力』が眼帯の隙間からのぞき見したものだった」という母親の証言が報道されたこともあったと紹介した。
そして、吉林省の出版当局が「写真地理」に対して停刊処分を下し、自己調査を命じたほか、鄭州市の市場管理局や公安局が合同で第一著者の経営する職業訓練学校の全面調査に乗り出したと伝えた。
その上で、第一著者が27日に「事がここまで大きくなり、慚愧に堪えない。実験の厳格性が不十分なまま論文を発表してしまった。心から皆さんに申し訳ないと思っている。論文は私が書いたものでなく、友人が書いたもの。まさかここまで騒ぎが大きくなるとは思わなかった」などと釈明したとしている。
中国ではこれまでにもしばしば学術論文の不正問題がクローズアップされてきたが、今回の騒動の対象となった論文も学術誌もあまりに稚拙だと言わざるを得ない。学術の威厳と尊厳を守るという意味でも、「トンデモ論文」がまかり通ることのない体制を作らなければならないだろう。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
