「欲しいもの」は本当に欲しいもの? 一か月買わずに我慢してみる

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―[ひろゆき連載コラム「僕が親ならこうするね」]―

◆「欲しいもの」は、本当に欲しいもの? 立ち止まり考える力

 子供たちが大人になって路頭に迷わないよう、お金がなくても生活できる方法を義務教育で教えたほうがいい。そんなことを数回にわたって書いてきたわけですが、普通の人は自分が欲しいものを得るために働いてお金を稼ごうとしますよね。

 ただ、昨今は不景気なので企業勤めしてもなかなか昇給しない時代です。「頑張っても稼げない」と感じている人もいて、「お金がない状態で、欲しいものを手に入れる方法はないのか?」と考えたりする人もいると思います。

 でも、子供の頃からいろいろと考える癖を身につける訓練をしておくと、大人になってからこういう問題に直面したときに困らないのではないかと思っています。

◆コンビニ弁当も容器を底上げ

 最近は、世の中がギスギスしていて、「アコギなことはしないほうがいいよね」という価値観がだんだん薄れ、「騙されるほうが悪い」という考えでも問題ない状況になりつつあるような気がしています。大手メーカーでも「水素水」など科学的根拠が全くないものを売っていたり、コンビニ弁当も容器を底上げして内容量をかさ増しするステルス値上げをしていたりと、キリがない感じです。

 今までは「大手企業は、そんなことしないよね」という信頼がブランドにつながっていたと思うのですが、ブランドよりも消費者を騙して利益を取ったほうが得という時代になってしまったのですね。「消費者を騙すのは良くない」という正義感では、お腹が膨れないわけです。

◆自分が騙されていると思いたくない

 だもんで、世の中の多くの人は企業などから消費者として騙され、利用されていることに気づかないまま暮らしていたりします。例えば、「サプリ」と呼ばれる栄養価としてはほぼ無価値なものにお金を払う人も多いです。自分は欲しいと思っているけど、実は「欲しいと思わされている」状況というのは、世の中には多くあって、例えばCMを観なければ欲しくならないのにCMを観たことで本当は不必要なものが欲しくなってしまうわけです。

 ただ、多くの人間は、自分が騙されていると思いたくないので、「自分が欲しいと思っている」「自分の欲望は正しい」「自分の感情に従うことが自分らしさ」などと自己肯定とか自分を騙して、消費者としてまんまと騙されていろいろとものを買ってしまったりするわけです。

◆欲しいものが本当に必要なものなのか?

 新型コロナ禍でアパレル業界の売り上げが減りまくって業界全体が厳しくなっている昨今ですが、リモートが増えたことでマスクもしているから「化粧も服も要らないよね」ということが、ようやく理解してもらえるようになってきました。身だしなみに気をつけたからといって、それが直接的に仕事の効率を上げるわけでもないです。小綺麗な格好をした仕事のできない人よりも、汚い格好でも仕事ができる人に業務をお願いしたくなるのは、普通のことだしそれが現実です。服にいくらお金かけたってモテない人はモテないし、モテる人は何を着ていてもモテたりするのですね。

 なので、「お金がないけど欲しいものを手に入れるには?」を考える前に、例えば、欲しいものを一か月買わずに我慢して、問題なければ必要ないなどの訓練をして「欲しいものが本当に必要なものなのか?」と考えられるようにすることが大事なんじゃないかと。そういうことを子供の頃からやっておくと、そもそもお金を使わなくても暮らしていける能力というか考え方が身につくと思うのですよ。

―[ひろゆき連載コラム「僕が親ならこうするね」]― 【ひろゆき】
西村博之(にしむらひろゆき)’76年、神奈川県生まれ。フランス在住、たまに日本。2ちゃんねる・ニコニコの元管理人で、英語圏最大の掲示板サイト『4chan』現管理人。SPA!誌面にて11年間にわたり「ネット炎上観察記」を連載。近著に『自分は自分、バカはバカ』(SBクリエイティブ)など