もちろん、ESGの要素は企業のサステナビリティ(持続可能性)に重要な意味を持つものですから、企業の存続にかかわるという点で、中長期で考えるとプラスの効果があることは間違いないと思います。ただ、短期的に考えれば、たとえば、環境に配慮した経営によって再生可能エネルギーだけを使うことにすると、企業が負担するコストは増加します。短期的には、収益を圧迫する要素になることもあるのです。企業の社会的な価値と、業績との関係をどのように評価していくのか、また、投資家の皆さまにパフォーマンスとしてお返しできるかということは、これからの取り組みだと思っています。

 ――国内の運用会社としては、アジア関連のリソースはトップクラスだと思いますが、今後の海外展開は?

 国内の株式市場の規模は、世界の中では7%程度を占めるに過ぎません。他の93%は海外市場なのですから、お客さまに運用商品を提供するにあたっては、海外資産も合わせて運用する商品を提供する必要があります。海外資産における運用力は、これから運用会社として生き残るために不可欠な要素であると思って取り組んでいます。特に、世界のどこよりも高い成長力のあるアジアは、海外戦略の雌雄を決するポイントとして強化しています。

 ――三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)とSBIグループの関係会社における資本業務提携が発表されています。SMFGの運用会社として今後の展望は?

 SBIグループもSMFGも、それぞれに強力な販売ネットワークを有するグループですが、運用会社としては、販売会社に選んでいただき、使っていただくという他はありません。運用商品や運用サポートの面でサービスの質を高めて、販売会社から認めていただくということが全てだと思います。

 また、国内の投資信託市場全体として、現段階は、どこの販社がというよりも、全ての関係者が一体となって協力し、市場全体の底上げを図る段階だと思います。GDP比で見た国内の投信残高は、まだまだ拡大の余地が大きいと考えています。市場全体が拡大発展していく中で、運用会社として選んでいただくにはどうあるべきか、私どもの特徴をより明確にしていきたいと思います。

 ――コロナ禍によって資産運用を開始される方が増加しています。運用会社としての取り組みは?

 銀行や証券会社など幅広い販売会社で当社の商品をお取り扱いいただき、また、当社独自の直販チャネルも設けるなど、様々な販売チャネルを通じて商品を提供しています。また、日本株式をはじめ、外国株式や債券など様々な資産クラスに投資する商品ラインナップを揃え、お客さまのあらゆる運用ニーズにお応えできる体制にあります。

 今後も主力である日本株のアクティブ運用と、実績を重ねてきたアジアの運用商品を軸に、特徴のある魅力的な商品を提供していきたいと思っています。

 お客さまには見えにくい部分ですが、昨年11月に運用部門の再編成を行いました。社内の人間には、組織を変えることは強いメッセージ効果がありますし、それを事業のコアである運用部門に対して行ったということで、大きな変革として受け取られました。私は、この組織変更によって、世界で戦える運用会社になるという強い意志を示したつもりです。今後、お客さまには高い志を持って運用の成果をご提供することで、これからの時代に選んでいただける運用会社になっていきたいと思います。ぜひ、今後の三井住友DSアセットマネジメントにご期待ください。