ポケモンGO、人海戦術で世界の3Dデータ化開始。ARマッピングでアイテム報酬
Niantic

ポケモンGOがスマホで周囲の環境をスキャンする「ARマッピング」で アイテム報酬が貰える仕組みを導入しました。

膨大な数のプレーヤーがゲーム内のタスクとしてこのARマッピングを繰り返すことで、世界各国の店舗やランドマーク等が詳細な3Dマップとしてサーバに蓄積されてゆき、いずれはさらにリアルな、現実に溶け込んだようなポケモンの表現や新たなARアプリが可能になります。

「ARマッピング」は、ポケモンGOのゲーム内ではポケストップから「フィールドリサーチタスク」の一種として手に入ります。現在はレベル20以上のプレーヤー限定です。

「ARマッピング」の目印がついたタスクを入手したら、指定されたポケストップへ向かい、指示に従ってスマホカメラを向けつつ対象物をぐるっと一周または半周することで、取り込まれたデータがナイアンティックのサーバに送信されます。

スキャン結果のアップロードは今すぐまたは後でを選択可能。ナイアンティックいわく、スキャンしたデータは自動的に匿名化され、プレーヤーアカウントとの紐づけや個人情報の収集・保存はされません。

タスクは通常のフィールドリサーチと同様、「大発見」に向けた一日分の課題達成としてカウントされるほか、各種モンスターボールほかのアイテム報酬も手に入ります。

(一時はふしぎなアメやわざマシン、ポフィンといった比較的貴重なアイテムが手に入ったという報告がありましたが、どのような条件なのか、現在はボールや回復薬といったアイテムが多いようです。調整が入ったのか、今後どのように変わるのかはまだ分かりません)。

ポケモンGOのゲームプレイを支えるポケストップや、ナイアンティックの最初のゲーム Ingress でいうポータル、ハリーポッター:魔法同盟の宿や砦といった POI (Point of Interest) は、その多くが特に熱心なプレーヤーによる提案と審査で作られてきました。

ナイアンティックはこうしたデータを含む一連の技術をNiantic Real World Platform と名付け、きたるべきAR時代にプラットフォームホルダーとして覇を唱えるべく、他社のゲームや非ゲームアプリの参入を募っています。

ポケモンGOのナイアンティック、仮想と現実をつなぐOS「リアルワールドプラットフォーム」発表(2018年)

今回、ポケモンGOのゲーム内で直接的なアイテム報酬によるタスクとして導入されたARマッピングも、プレーヤー数を武器に世界中の詳細な三次元形状や環境についてのデータを蓄え、プラットフォームを強化するストレートな手段です。

ポケモンGOといえば2015年の発表トレーラーで夢のような世界を描きつつ、始まってみれば表現もゲーム内容も似ても似つかない簡素なものだったことで、「まあ、あくまでイメージ動画であって現実ではないしな」と目を覚まさせましたが、レイド・交換・対戦といったシステムについては着々と当初の夢を実現してきました。

ARマッピングで現実の環境の詳細なデータが集まり、ナイアンティックがAR技術のスタートアップ買収を通じて蓄積してきた「現実の意味付け・理解」技術が噛み合えば、夢のようなイメージ動画にあった植え込みから飛び出すピカチュウや道をふさぐカビゴン、公園の噴水で水しぶきを上げるカメックスといった表現も、遠からずポケモンGOに導入されるかもしれません。

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