2014年7月、宇都宮市の認可外保育施設で宿泊保育中に体調を崩した当時9カ月の女の子が適切な対応を取られることなく命を奪われました。

施設のパンフレットが実態の保育内容や体制と異なり、保育料をだまし取ったとして施設の責任者だった女が詐欺の罪に問われている裁判の初公判が22日、開かれます。

事件から6年、両親に胸の内を聞きました。

産まれてからわずか9カ月で命を奪われた我が子。自宅には生前の様子が記録された1枚のDVDが残されています。

にこやかに笑うのは、当時9カ月の山口 愛美利ちゃん。愛美利ちゃんの両親と親族が箱根に旅行へ出かけたときの映像です。

笑顔が絶えなかった旅行から10日後の2014年7月26日、最愛の娘がこの世からいなくなるとは思いもしませんでした。

両親が3泊4日の宿泊保育で預けていた宇都宮市の認可外保育施設「といず」で、体調を崩した愛美利ちゃんは適切な医療措置を受けず両親が迎えに行く日に熱中症で亡くなったのです。

施設の責任者だった木村 久美子被告(64)は、これまでの裁判で適切な対応を怠ったとして保護責任者遺棄致死などの罪で懲役10年の刑が確定しています。

今回の裁判で審理されるのは詐欺罪についてです。

当時、施設のパンフレットやホームページには「保育委託中に急激に体調が悪化した場合、看護師や医師によって直ちに適切な対応がなされる体制が整っている」などといった文言が記載されていました。

起訴状では、木村被告が保育内容の実態が違うにも関わらず愛美利ちゃんの両親に虚偽の説明をして保育料などをだましとったとしています。

会社役員を務める2人は、仕事で県外に出ることが多かっため、それまでに数回、愛美利ちゃんを預けたことがあり信頼していました。

今年7月、両親は愛美利ちゃんの命日に法要を行い、茨城県日立市の墓に眠る娘にこれまでの経過を報告しました。

今回の裁判が開かれるまでには事件から6年という長い年月を要しました。

両親は事件当初から木村被告などを詐欺の疑いで告訴していましたが、不起訴処分になったため検察審査会に申し立てを行いました。

不起訴不当の議決を経て起訴に至ったのは去年7月でした。

両親は娘のために裁判で真実が明らかにされることを強く望んでいます。

とちぎテレビでは、木村被告に当時の保育内容などについて質問状を送りましたが、21日までに返答がありませんでした。

法廷でどのような判断が下されるのか初公判は22日、宇都宮地方裁判所で開かれます。