1/7この土星の巨大な目は、実はとてつもなく大きな嵐だ。直径は1,240マイル(約2,000km)もあり、風速は時速330マイル(約530km)に達する。土星探査機「カッシーニ」は2014年4月、140万マイル(約225万km)離れたところからこの嵐を撮影した。PHOTOGRAPH BY NASA/JPL-CALTECH/SPACE SCIENCE INSTITUTE2/7100万マイル(約160万km)の高みから土星の北極を見下ろしたこの画像では、六角形の嵐とさまざまな風の帯を見てとれる。土星の環も写りこんでいる。PHOTOGRAPH BY NASA/JPL-CALTECH/SPACE SCIENCE INSTITUTE3/7巨大ガス惑星が「巨大」と呼ばれるのには理由がある。この写真では、土星のほんの一部と、それに比べた衛星ディオネの小ささを見てとれる。真横から見ると、土星の環がどれほど薄いかもわかる。写真の下のほうに目をやると、環が大気に投げかける影が見えるはずだ。PHOTOGRAPH BY NASA/JPL-CALTECH/SPACE SCIENCE INSTITUTE4/7土星の下に潜りこんだこの写真で、カッシーニは、環の下から土星を見あげた、息をのむような光景をとらえた。環を照らす太陽の光が、土星表面に影を投げかけるこの写真は、まるで人間が意図的にこの構図を考えたかのような印象を受ける。だが、土星の下のほうもよく見てほしい。小さな丸い点のような別の影が見えるはずだ──これは衛星ミマスだ。PHOTOGRAPH BY NASA/JPL-CALTECH/SPACE SCIENCE INSTITUTE5/7この写真にはひとつだけでなく、ふたつの惑星が写っている。土星の薄い氷の環のなかをのぞくと、明るい点が見えるはずだ。これは内太陽系で輝く金星だ。PHOTOGRAPH BY NASA/JPL-CALTECH/SPACE SCIENCE INSTITUTE6/7土星の環は、大半が小さな氷のかけらでできている。そして、その組成のおかげで、光をよく反射する。環を撮影するためには、カッシーニのカメラの露出を、環の明るさに対応できるように調整しなければならなかった。そのため、背景にある星の光の大部分は写らない。だが、この写真には、ふたつの衛星がどうにか割りこんでいる。左上の大きいほうの衛星はディオネだ。その右側、環のすぐ上あたりをじっと見ると、小さな点として写っているエピメテウスが見つかるはずだ。PHOTOGRAPH BY NASA/JPL-CALTECH/SPACE SCIENCE INSTITUTE7/72017年9月15日にカッシーニのミッションは終わった。カッシーニはNASAから土星の大気への突入を命じられ、そこでばらばらになった。だが、別れを告げる直前、最後の1枚を撮影した。それがこの写真だ。どんな探査機も、いまだかつてこれほど近くから土星を接写したことはない。下のほうには環が、真正面には大気が見える。これはカッシーニの最後の写真で、永眠の地でもある。PHOTOGRAPH BY NASA/JPL-CALTECH/SPACE SCIENCE INSTITUTE

米航空宇宙局(NASA)は1997年、土星探査機を打ち上げた。「カッシーニ」と名づけられたその勇敢な探査機は土星に到着してからの13年、その大部分を土星軌道上で過ごし、土星や数多くの衛星を観測した。

「探査機「カッシーニ」がとらえた美しき土星の光景:今週の宇宙ギャラリー」の写真・リンク付きの記事はこちら

カッシーニは土星の大気で発生する奇妙なかたちの嵐をとらえただけでなく、土星をまわる小さな衛星を新たに発見した。エンケラドスと呼ばれる小さな衛星から噴き出す水の間欠泉を観測し、土星最大の衛星タイタンの大気に含まれる炭素、メタン、エタン、窒素などの物質を特定した。

時が経つにつれ、燃料が尽きつつあることに気づいた地球チームは、カッシーニが土星の軌道をまわる最後の1年を華々しいものにすることに決めた。いずれにしても最後は土星に突入することが決まっていたことから、チームはリスクを冒し、土星の環のあいだをすり抜け、衛星のそばを通過し、環の内側に飛びこんでは出ていく軌道にカッシーニを送りこんだのだ。

このグランドフィナーレの軌道は、数々の見事な写真を生んだ。カッシーニのすばらしいミッションを称えて、地上の外出禁止令を破って土星を訪ねることにしよう。

ほかの宇宙写真は、こちらから楽しんでほしい。

※『WIRED』によるカッシーニの関連記事はこちら。