写真はイメージです(以下同)
 かつてない、数か月にも渡る自粛期間の中で、新しく定着してきたと言えるのがZoomを始めとする、オンライン会議サービス。ビジネス以外にも、オンライン飲み会など幅広い層に使われています。その余波は、子どもをもつママたちの間にも広がっていたようです。

ママ友からオンライン井戸端会議に誘われる

 首都圏在住の小泉友里恵さん(仮名・34歳)は、今年4月に小学校に入学した男の子と、去年の秋に出産したばかりのまだ0歳児のママ。緊急事態宣言が発令されたため、息子の入学した小学校は、校庭でほかの保護者や児童たちと距離を取った入学式を行ってからは、ほぼ休校状態になったそうです。

「入学式が行われただけよかったのですが、他の保護者とほとんど話すことすらできなかったんです。そのため小学校では、親しいママ友もできず…。自粛期間の間は、同じ幼稚園に通っていたママ友が唯一の情報源でした。

 特に、4月はまだいつ頃から小学校が再開できるか不明だったので、『自宅学習はどうする? 』という内容が、LINEのグループチャットなどでも話題に上がったり、不安が強かったんです。そんな時、仲が良いママ友から、オンライン井戸端会議に誘われたんです」

◆本当は乗り気じゃないけど、子どものために参加

 友里恵さんの夫は、イベントスペースの運営会社を経営していました。本来なら3月や4月は、謝恩会や企業の懇親会を始めとして、結婚式の二次会で繁忙期だったといいます。

「2月くらいからぽつぽつとキャンセルが相次いできたのですが、『一時的なものだろう』と、楽観的だったんです。でも、3月になるとイベントがない日が増えていきました。さらに緊急事態宣言のせいで、臨時休業に…。今もまだ休業状態なんです」

 予想していなかった、数カ月にわたる営業自粛に、収入が途絶えてしまったそうです。

「元々、夫は広告関係のウェブ媒体の仕事をしていたのですが、脱サラをして自営業になりました。そのため、事業に余裕があるわけではなかったんです。正直、最初はママ達とオンライン井戸端会議をするのも乗り気ではなかったんです。仕事のことを聞かれても答えづらいし…」

 そう語る友里恵さん。しかし、一か月もの間、休校が続いたため、子どもの方がほかの子と話をしたがったそうです。

「息子が、『早く友達に会いたい』と言い出したんです。うちは下の子がいるため、感染予防で、息子には公園に行くのも我慢してもらっていました…。仕方なしに、ママ友たちのオンライン井戸端会議に参加するようになったのです」

 果たして、ママ友同士のオンライン井戸端会議とは、どのようなことを話しているのでしょうか。

◆画面越しに見えてきた、それぞれの家庭事情

「飲み会ではないので、お酒などは飲んでいませんね。時間も、夕飯や買い物の時間に支障がないように、昼間や、夕方に1時間ちょっとで切り上げています。自宅で、子どもとどう過ごしているとか、どうやって勉強をさせているとか、そういう話題がメインです」

 友里恵さん曰く、子連れならではの悩みもあるそうです。

「スマホで繋いでいるママが多いのですが、子どもがスマホを持って移動をしたり、部屋が映りこんじゃうんです。ソファや、大きなオーブンレンジなど、家具や家電で生活水準がわかってしまうんですよね」

◆息子に申し訳ない気持ちに…

 さらに、自粛期間中の家での過ごし方でも格差を感じたそうです。

「周りは、スマイルゼミやチャレンジゼミというノートパッドを使った学習を積極的に取り入れているのを今回の自粛がきっかけで知りました…。さらに、オンライン中に、部屋が広いうちの子は情操教育に良いとされているトランポリンを飛んで見せたり、『どうぶつの森』で遊ぼうよと誘ってきたり…。

 どれもほかの家の子どもが画面で見せてくるのですが、うちはどれも持ってないので、井戸端会議が終わった後に、子どもに申し訳ない気持ちになりました…」

 LINEなどのやりとりだけではわからなかったママ友たちの生活水準が、オンラインでつないだことで、わかってしまったといいます。友里恵さんは、「外出自粛がなければオンライン井戸端会議もしなくて済んだし、各家庭の状況がわからなかったのに…」ともやもやした気持ちになったそう。コロナウィルスは、ママたちの間にある格差も映し出してしまったようです。

<文/阿佐ヶ谷蘭子>