大いに不満の残る相撲がつづいた14日目を見てしまったことで、「やっぱり相撲は千秋楽」と改めて抽選応募への意欲が高まった件。

やっぱり千秋楽がよかった!
21日の土曜日、大相撲観戦に行ってきました。前日はラグビーワールドカップ開幕戦で大興奮し、休息もそこそこに向かった国技館は、いつも以上にマス席を狭く感じ、腰や足の痛みにさいなまれるような戦いの時間でした。今回はお出掛けの報告とともに、「やっぱり千秋楽だったかな…」という繰り言を述べていきます。
国技館についたのは昼をまわろうかというところ。すでに連れ合いのメンバーからは「もうちゃんこ行くよ」など昼ごはんを待ちきれないショートメッセージなどが入ってきています。そう言われてもコチラも身体はひとつ。前日の疲労でワリとグッタリしているのである…と思いながらの両国入りです。
↓駅前では貴景勝がCMに出演するとかで、新作のポテトチップを配布していました!
↓どうでもいいけど、相撲取りがポテチに突進する図は世紀末食欲のヤバみ!
ポテチ食う目じゃねぇよwww
休場力士が大変多く、何だか人手不足な感じの国技館。2横綱、1大関がおらずそれ以外にもいっぱいお休みがいるこの状況。頼りの大関陣はカド番と戦っており、場所を盛り上げるどころの状態ではありません。それでもお客さんの顔は笑顔がいっぱい。また相撲ブームが一周したでしょうか。まるで「初めて見るもの」かのように目をときめかせ、テンションアゲアゲのお客さんがたくさんいます。そして、いつも以上に数多い外国からのお客様。
「ラ、ラグビーのみなさんだ…!」
なるほど、確かにあり得る話。せっかくラグビーワールドカップで日本に来たのなら、ついでにグランドスモートーナメントを見たほうが絶対にイイ。ちょっとラグビーっぽいし。ということで、さまざまな国のラグビー訪日者が国技館に訪れ、大相撲を楽しんでいた模様。明らかにスプリングボクス(南アフリカ)のシャツだったり、明らかにオールブラックス(ニュージーランド)のシャツだったりが国技館を闊歩しています。僕のグループのマスのすぐ隣には完全にアイルランドからのご夫妻もいらっしゃっており(シャツにカタカナでアイルランドって書いてあった)、ここだけひと足早く日本VSアイルランド戦の様相です。
来週はワールドカップで激突する両国のファンが、今はこうして国技館で並んで大相撲を見ている。ノーサイドの精神とはまさにこのこと。「横綱がおらんですまんのぉ」「今年はもう横綱は店じまいなのじゃ…」「来年初場所はいると思う…」という気持ちで少し胸が痛みます。これが最初で最後かもしれないお客様に横綱を見せてあげられなかったな…と。
しかし、横綱という最大の出し物はなくても十分に楽しんでいただけるのが大相撲のいいところ。特に飲食に関しては、これはもう思う存分楽しんでいただけます。ラグビーだと「酒さえあればエエんやろ」的な運営で、バイトから「食糧難地獄です!」みたいな声も上がりそうですが、大相撲は「メシが切れたら国技の恥」という勢いで食事を用意しております。専用の焼き鳥工場、専用のちゃんこ調理場、館内レストラン、ショップの数々。ラグビー会場のぶんまで食べていってもらえれば幸いです。
↓おなじみの国技館地下ちゃんこは時津風部屋の塩ちゃんこでした!
うん、普通に美味しい!
さすが国技館地下ちゃんこ!
↓でも、正代のこの顔はウソだと思います!
さすがにこんな顔はしないよ!
普通に美味しいけど、この顔はないです!
↓鍋のあとはもちろん寿司!つまむ程度にいただきました!
立ち食いってのも粋でいい!
※このあとは焼き鳥とシウマイとソフトクリームを食べるのがいつもの流れです。
↓館内散策では五月場所で登場した「トランプ杯」を見てきました!
天皇賜杯よりデカいなぁ!
天皇賜杯が負けてるみたいに見えるから、てっぺんのワシを外すか…!
↓トランプ杯にはちゃんと「トランプからだよ」って書いてありました!
大統領が代わったあとどうするかって…?
ひとしきり散策を終えると相撲の時間に。今場所は横綱不在のなか大関も低調で、非常に混戦の場所。14日目の時点では「5敗力士」にも数字上は優勝の可能性が残っているような状況です。もしも僕が5敗力士の親方だったら、「ウチもタイ買っておくべきかな?」「タイの尾頭付きってどこで売ってるの?」「イオン?」といった慌て方もしたかもしれません。
そんな優勝争いですが、僕が行った14日目は物議をかもす相撲が2番もありました。ひとつは遠藤と隠岐の海の取組。遠藤の技巧が凝縮された素晴らしい一番だったのですが、どうやら途中で「足が出ていた」という判定だった模様。あの会場で「足が出た!」と思ったのは西方の勝負審判だけだったように思いますし、疑問のざわつきは館内全体に広がって勝負審判にも届いたはず。家に帰ってテレビで見直したら「審判さんがそう言うんならそうなんでしょうなぁ」という内容ではあったものの、せめてビデオは見るべきでした。
さらに御嶽海と豪栄道の取組。豪栄道はまだわずかに優勝争いの可能性を残す4敗の大関。横綱がいないことを考えれば、豪栄道ではあっても場所の看板として奮闘してもらわねばならない立場です。それに向かっていく関脇ということであれば、ここはチカラを示す相撲でドーンといってもらいたかったところ。この日最大の大一番なのですから、それなりの責任がある。しかし、フタを開ければ御嶽海が残念な変化を繰り出し、豪栄道はビターン。
つねづね言っているように「勝てば何でもいい」などとは僕は思いません。素晴らしい勝負の数々が「相撲って面白いなぁ」と人々をひきつけ、たくさんのお金と関心を生み、「ただ勝つだけでもお金と名誉が得られるようになった」のです。そうした状態を作り上げたのは変化による「注文相撲」などではありません。ため息と落胆で国技館が埋まるような相撲では断じてない。そりゃあもちろん御嶽海の家族やファンは「勝てば何でも嬉しい」でしょうし、それを咎めだてするつもりもありませんが、御嶽海の家族やファン以外は望んでいない相撲だったと思います。
変化をルールで禁じていないのは炎鵬のような小兵力士のために隙間を残しているだけであって、誰にでも変化を推奨しているわけではありません。「誰でもトイレ」は誰でも利用していいわけじゃないでしょう。そこしか使えない人のために、使わなくて済む人は利用を慎むべきものでしょう。優勝しよう、大関を獲ろう、その先に行こうと思うならなおのこと、こうした相撲は慎んでもらいたいところです。当日館内にいた者として「1000円くらい返せ!」という気持ちでいっぱいです!
↓よーし白鵬から1000円、鶴竜から1000円、高安から500円、豪栄道から500円、御嶽海から1000円返してもらおう!
【御嶽海 立ち合いの変化で11勝目】
幕内の全取組動画はこちらでチェック!
- nhksumo (@NhkSumo) September 21, 2019
(当日動画は順次公開)↓↓ https://t.co/Q6RQerjIp1#NHK大相撲 #sumo #nhksumo #御嶽海 #豪栄道 pic.twitter.com/aCKb4IT24j
↓理事長は「度胸がある」とお茶を濁す感じで見て見ぬふり!
御嶽海が立ち合いで変化 八角理事長は「度胸があるわな」 https://t.co/4kCqKNqpsq
- スポニチ記者ツイート スポーツ (@sponichisports) September 21, 2019
そして隠岐の海、貴景勝、御嶽海の3人に優勝争いが絞られての千秋楽。まず貴景勝が隠岐の海に勝ち、御嶽海も強い相撲で勝って、両者が優勝決定戦へともつれ込みます。優勝決定戦でも御嶽海が立ち合い強く当たると、貴景勝は「押し切れない」と感じたか引き技に頼ってしまいました。晩年の千代大海コースというか、ドンと当たってダメならすぐに引くという悪いところが出て、一気の寄りを喰らう結果に。これが「組んだら負け」の力士の宿命かもしれませんが、苦手の御嶽海戦、何故かよく怪我をする御嶽海戦、ここで押し勝てるようにならないとですね!
↓取組途中で負けてる顔になったのは、どうやら左胸付近に負傷をした模様!
<御嶽海優勝!>御嶽海は優勝決定戦で貴景勝を寄り切り、2度目の優勝を決めました!#sumo #相撲 pic.twitter.com/tb49CIwia3
- 日本相撲協会公式 (@sumokyokai) September 22, 2019
また怪我か…!
「貴軽傷」でありますように…!
最後の勝負への段取りとは言え、非常に残念だった14日目と力の入る相撲がつづいた千秋楽。15日間全部見ればイイ日も悪い日も見られるのでしょうが、そんなに通えない身としては、なるべくイイ日を引きたいもの。改めて「やっぱり相撲は千秋楽だな」「本割、決定戦と二度の変化はさすがにないだろうし」「煮え切らない相撲でもセレモニーがあれば締まった感じがする」と思わされました。次回はぜひ千秋楽観戦を目指して抽選応募に励みたいと思います。千秋楽の日はラグビー観戦のために横浜に向かったであろうアイルランドのご夫妻にも、千秋楽みたいな相撲を見せてあげたかったです!
いっそ御嶽海と豪栄道が両方変化するという珍場面が見たかったです!
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