顔が可愛いだけの女の「さしすせそ」は、もう通用しない。ハイスペ男が求める “プラスα”の条件
恋とは、どうしてこうも難しいのだろうか。
せっかく素敵な出会いをしても、相手に「また会いたい」と思わせない限り、デートにも交際にも発展しない。
仮に、順調に駒を進められても、ある日突然別れを突き付けられることもある。
しかし一見複雑に絡み合った恋愛でも、そこには法則があり、理由がある。
どうしたら、恋のチャンスを次のステップへ持っていけるのか、一緒に学んでいこう。
今回は、可愛いし会話も盛り上がっていたと思うのに、好物件男から選ばれなかった沙代のミスという宿題を出していた。

僕が沙代と出会ったのは、友人の健人から誘われた食事会だった。
“結構レベルの高い女の子たちが来る”とは聞いていたが、たしかに沙代はかなり可愛い。
「沙代ちゃん、ヨロシクね!早希絵ちゃんとは、何繋がりなの?」
「元々は友達の友達で。でも気があって、そこからよく二人で遊んでいます」
そんな会話をしながら、僕は沙代を観察する。色白で肌のキメが細かく、瞳も大きい。
-この子、ホントに可愛いな。
すると、僕の心を見透かしたかのように、健人が気持ちを代弁してくれたのだ。
「智也がこの前彼女と別れたばかりで。智也、沙代ちゃんとか可愛いし、タイプなんじゃない?」
「え〜そんなそんな。智也さんみたいにカッコイイ人、恐縮です」
謙遜なのか、ただ断られただけなのか分からなかったが、僕はめげずにもう一押ししてみた。
「今度、良ければ二人で食事でもどうですか?」
沙代の顔がパッと明るくなる。こうして、僕は沙代とのデートに漕ぎ着けた。
しかし会えば会うほど、彼女に対する気持ちは萎えていく一方だったのだ。
可愛いのに残念…。女がやりがちなデートでのミスとは
解説1:褒められすぎると、逆に居心地が悪い
沙代とのデートは、『東京肉割烹 西麻布 すどう』を予約した。雰囲気も良く、味も良い。かつ、ここのカウンター席はぐっと距離が縮まる気がしたからだ。
「すみません、お待たせしちゃいましたか!?」
時間ぴったりに現れた沙代を見て、僕は“やっぱり可愛いなぁ”と改めて思ってしまった。
「全然待ってないから大丈夫だよ。僕も今着いたところだから。それより沙代ちゃん、今日の服装も可愛いね」
前回はあまり気がつかなかったが、ニット素材のセットアップが、彼女のスタイルの良さを引き立てている。
そんな沙代を惚れ惚れと見つめながら、僕は質問を投げかける。
「お店の場所、すぐに分かった?」
「はい、大丈夫です。タクシーに乗ったので」
「そっか、良かった。何か苦手な食べ物とかある?ここの〆の『飛騨牛の岩盤すき焼き』は絶品だから、それは絶対に食べて欲しいなぁ〜」
「すごい、美味しそう〜」
この会話をしている時は、僕はまだ気がついていなかったのだ。この後押し寄せてくる“違和感”の波に。

「沙代ちゃんは、普段は何をしているの?」
沙代は緊張しているのか、今日は前回に比べて口数が少ない。なので僕の方から盛り上げることにする。
「私は今IT関連の会社で働いています」
「そうなんだ!そしたら僕と同じ業界だね」
「同じかもしれませんが、そんな智也さんほどでは…」
急に謙遜を始めた沙代を見て、何故かこちらが恐縮してしまった。
確かに僕は某IT関連会社の役員ではあるが、今はビジネスの場ではないし、そんなことは重要ではない。
「なにそれ(笑)別に僕、そんなに大した奴でもないよ? 」
謙遜し返しながら、妙な空気が流れる。
こう言って祭り上げられるのが、実はあまり好きではなかった。しかしその後も、沙代の“すごい”祭りは一向に終わる気配がない。
「智也さんって、すごいですよね...」
食事が終盤に差し掛かっても尚、彼女は僕のことを褒め続けている。
「全然すごくないよ〜。沙代ちゃんだって、仕事頑張っているんでしょ?それと同じだよ」
「いえいえ。智也さん、さすがだなぁ〜」
段々と、居心地の悪さを感じ始める。もっと自然体で接して欲しいし、特別扱いなんていらないのに。
それにさっきから「すごいすごい」と言ってくれてはいるが、一体何が「すごい」のかは具体的には触れない。だから彼女が褒めれば褒めるほど、表面的な言葉を口にしているだけに見えて、僕の気持ちはなんとなく萎えていく。
でも沙代が良かれと思って褒めてくれているのは手に取るように分かるし、決して悪い子ではないのは明白だ。
だから僕は、彼女がこう言ってくれたとき、もう一度デートをすることを決意した。
「良ければ、またお食事ご一緒させて下さい♡」
しかし二回目のデートで、沙代と一緒にいる時に感じる居心地の悪さの原因は、“すごい”の連発以外にもあったと気がついたのだ。
二回目のデートで沙代がチャンスを失った最大の理由とは
解説2:会話のキャッチボールが全くできない
二回目のデートは、丸の内にある『ハインツ ベック』にした。
内装も明るく綺麗で、料理も添加物を一切使わずに美しい色彩にこだわるという、女性が喜ぶ要素満載の店だ。
「私このお店、ずっと来てみたいなぁと思っていたんです!!」
着いた途端にキャッキャとはしゃぐ沙代を見て、僕も嬉しくなった。
「そうなんだ。そんなにも喜んでくれて嬉しいよ。連れてきた甲斐があったと言うか」
しかしまた、沙代の口からあのセリフが飛び出したのだ。
「本当に、智也さんってさすがです!」
-あ、まただ…。
もうその言葉は少々食傷気味である。しかし今回は、それだけではなかった。
「沙代ちゃんは、最近何してた?」
気分を変えようと、新たな話題を振った時のことだった。一瞬、『ハインツ ベック』の店内が静寂に包まれた。

「何をしていたのかな...平日は仕事して、先週末は家にいました」
-…で?で、それでどうした!?
沙代の致命的な欠点。それは、会話力が決定的に欠けている点にある。
“すごい、さすが!”の合いの手を入れつつ、“ウンウン”と頷きながら話を聞く。本人はもしかしたら、“聞き上手”のつもりでいるのかもしれない。
しかし、会話が全くキャッチボールになっていないのだ。
前回のデートのときから、話は常に僕の一方通行。沙代からは決してボールが返ってこず、会話のラリーが一切続いていないことに気がついてしまった。
「まぁ平日忙しいと、せめて週末くらいは家でのんびりしたくなるよね」
そうフォローしてみても、沙代はニコッとするだけだ。
これでは、せっかく話していても面白くない。気を取り直して新たな話題を放り込んでみても、やっぱり同じことの繰り返しである。
「沙代ちゃんは、旅行とか好き?来週から出張でシリコンバレー行くんだけど、西海岸の方行ったことある?」
「西海岸は行ったことないです〜」
沙代はそれだけ言うと、またニコニコと笑顔を浮かべて黙ったまま僕を見つめている。
僕に興味がないから質問もしてこないのか。それとも、沙代自身に話すネタがないから会話が毎回続かないのか...。
可愛くて美人の子なんて、東京には死ぬほどいる。女の子は、大概可愛い。
しかしそんな“一億総美人時代”だからこそ、何をもって人を好きになるか?
僕にとってそれは、会話の相性だ。
一緒にいて楽しいとか、癒されるとか。人によって違うことは承知だが、少なくとも僕の場合、会話の相性はとても大事な要素だ。
「智也さんの彼女になれる人は、幸せですね」
そう言われてもどう答えて良いのか分からず、僕は曖昧な笑顔でごまかす。
「でもほら、沙代ちゃんは可愛いし性格も良いから、すぐに素敵な彼氏とか見つかりそうだよね。じゃあ、そろそろ行こうか」
外見も性格も良いのに、あと一歩足りない。
-可愛いのに残念だなぁ…
そう思いながら、僕は沙代を笑顔で見送った。
「じゃあ出張から帰ってきたら、また連絡するね」
そう言いながらも、心の中ではフェードアウトすると決めていた。
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