日本テレビ系ニュース番組「NEWS ZERO」が、元NHKアナウンサーの有働由美子をメーンキャスターに迎え、10月からリニューアルする。

 その一方、約12年務めた番組の顔・村尾信尚キャスター(62)の去就が、局内で話題となっている。

「周囲の局員は、100%政界に転じるだろうとささやきあっています。村尾さんの講演会を聞いても、未練があるのか、政策についての意見を述べることが多いんですよ」(日テレ関係者)

 また、政治部記者も「村尾氏は、2019年の参院選出馬を考えているらしい。すでに野党内には、選挙区調整に入ったという情報も駆け巡っている」と明かす。

 村尾氏は、1978年に財務省に入省。退官後の2003年、三重県知事選に出馬するも落選している。

「当時は知名度がなく、候補者4人中3位の惨敗を喫していますが、その後、日テレの夜の顔となり、十分戦える候補者と言えます」と語るのは、ある自民党関係者だ。

 総選挙のときの特番で、党が最も警戒していたキャスターは、池上彰氏と村尾氏だという。

「2人とも、安倍総理や二階幹事長に鋭い質問をぶつけますからね。村尾氏がアベノミクスの成否について疑問を投げかけたとき、総理が『偏った意見だ』とイヤホンを外して勝手にしゃべり出したのは有名です」(同)

 そのため、自民党の担当者たちは、選挙のたびに「対池上」だけでなく「対村尾」シフトも取るという。

「局の自民党担当記者に、可能な限り、事前に質問内容を取材しておく(笑)。中継の順番が近づくと、『総理、次は村尾です。こう答えてください』という具合に耳打ちします」(同)

 自民党の天敵とも言えるだけに、政党支持率が伸び悩む野党はなんとしても村尾氏を引き込みたい。だが、本人の意志はどうなのか。

「村尾氏も本音は、自民党から出たいのではないか。そもそも『反アベ』は、自民党内にもいる。政権や党執行部への批判を隠さない石破茂元幹事長率いる石破派、このところ政権との距離が目立ちだした竹下派など非主流派だ。9月の総裁選に向け、対決色を強めたい彼らが村尾氏を引っ張ろうという動きもある」(前出・自民党関係者)

 日テレの夜の顔を味方につけるのは、野党か、自民党か――。