日本人に最も身近な洋食の一つ「パスタ」。しかし、イタリア料理店などでは「パスタ」と表記される場合と、「スパゲッティー」と表記される場合の2パターンがあるように思います。さて、この両者に違いはあるのでしょうか。

 オトナンサー編集部が、洋食全般に詳しい、日本洋食協会の岩本忠会長に取材しました。

パスタは「デュラム」を使った麺の総称

 岩本さんによると、そもそもパスタは、「デュラム」という小麦粉を水で練って作った麺類の“総称”。パスタは大きく、「ロングパスタ」「ショートパスタ」に分類されます。ロングパスタはいわゆる麺状のもので、太さや形状によって名称が異なります。

 以下はその一例です。

・カッペリーニ(太さ0.9ミリ)

・スパゲッティー(太さ1.9ミリ)

・リングイネ(断面が楕円形)

 そのほか、断面が四角い「キタッラ」、平たい「フェットチーネ」、マカロニを細くしたような筒状の「ブカティーニ」などがあります。

 一方、ショートパスタの例は以下の通りです。

・マカロニ(筒形のもの)

・ペンネ(筒形で両端が斜めにカットされたもの)

 ほかには、蝶のリボンのような「ファルファッレ」、貝殻のような形状で、表面に筋が入った「コンキッリェ」、ネジのような螺旋状の「フジッリ」なども。ショートパスタは「サラダなどにもよく使われます」(岩本さん)。

本場イタリアでは数種類を一緒に

 つまり日本において、パスタとスパゲッティーはほぼ同じものと認識されていますが、スパゲッティーは数あるパスタの一種、またロングパスタの一種ということになります。「日本のうどんやラーメンに、さまざまな食感や太さがあるのと同様に、さまざまな種類のパスタがあるのです」。

 岩本さんによると、イタリアのスーパーには多種多様なパスタが並んでおり、イタリア人が日頃から、さまざまな種類のパスタを楽しんでいることがわかるとのこと。「いろいろなパスタが少量ずつ余った場合、イタリアの家庭では全て一緒にゆでて食べています。スパゲッティーでも、フジッリでも、ペンネでも、一緒にゆでることでさまざまな食感が楽しめるのです」。

 何とも奥深いパスタの世界ですね。

(オトナンサー編集部)

【写真】こんな形も! 種類豊富なショートパスタ

種類豊富なショートパスタ