和食・洋食・中華で違う! 食事の基本マナー&作法13選
食事は、私たちにとって生きていく上で欠かせないものです。しかし、そんな食事の際にマナーや作法は、きちんと守れているでしょうか。幼い頃に親や先生から教えてもらう以外、食事のマナーを学ぶ機会はなかなかありません。自己流では、知らないうちに相手を不快にさせてしまう可能性もあるでしょう。ここでは、男女問わず気をつけたい食事のマナーや作法をご紹介していきます。
■4つの基本マナー
まずは、どんな食事にも共通するポイントを4つお伝えします。基本的な部分ですので、しっかり覚えるようにしてください。
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1)感謝の気持ちを持つ
食事のマナーや作法は、堅苦しいものではありません。ポイントとなるのは、食事に対しての心構えなのです。それは、いったいどういうことなのか。皆さんが普段何気なく食べているものでも、たくさんの人が関わってできています。そして関わる多くの人が、「美味しく食べてもらいたい」という気持ちを込めて一つ一つの商品を作っているのです。また、私たちは幼い頃から、必ずと言っていいほど「食事は命をいただくことだ」ということを教わります。私たちの命は、多くの命をいただきながら保たれていることを再確認しましょう。
当たり前すぎて忘れがちなのですが、目には見えない、たくさんの人たちに対して感謝の気持ちを持つことを大切にしてください。そして「美味しく食べる」こと、「感謝の気持ちをもって食事をする」ことを今一度意識しましょう。そうすれば、自然とどういう行動をすればいいのかが分かってくるはずです。
2)姿勢を正す
食事中に、自分の姿勢を意識したことはありますか?思わぬクセが出ていることがありますので、くれぐれも気をつけましょう。例えば頬杖をついたまま食事することはNG。一緒に食事をしている人がいる場合、「美味しくないのかな、退屈なのかな」と相手を不安にさせてしまいます。お皿に顔を近づけて食べる「犬食い」も不快に思う人がいます。あまりにも姿勢が悪いと、「この人は、食べることに対してどういう教育を受けてきたんだ!」と思われてしまうかもしれません。十分に注意しましょう。
また、最近よく見かけるのがスマートフォンを操作しながら食事する姿。この行動は、自分自身が「食事をしている」ということを忘れがちになってしまい、思わぬマナー違反に繋がる可能性があります。さらに周りから見ていても、「食べている時くらいはやめたらいいのに…」と不快感を与えることが多く、あまり気持ちのいいものではありません。
食事をする時には頬杖をついたり猫背になったりせず、背筋をしっかりと伸ばしましょう。そして、周りから見ても「美しい姿」になっているかを意識するようにしましょうね。
3)音を立てないよう注意する
誰かと食事をしている時、「なんだか食べ方が汚いな…」と思ったことはないでしょうか。食事中というのは、普段の生活音とはまた異なった「音」を相手に聞かせています。「人を不快にさせる音」が出てしまうこともありますので、注意しましょう。
例えば食べている時、「クチャクチャ」と音を立てる人がいます。多くの人は、この音を「汚い」と不快に感じるはず。そのため、食事中は口を閉じて食べるようにしましょう。食べながら話をすることも、この「クチャクチャ音」を聞かせてしまう可能性もあります。そのため、食べ物が口に入っている時は会話を控えるのも1つのマナーです。
その他に、お皿をフォークなどで引っかいた時に出る「キイィー」という音も、本能的に不快さや気持ち悪さをと感じる人がいます。あるいは食器を「カチャカチャ」させる音が嫌いという人もいますので、できるだけ音を立てないよう食べることがマナーです。
4)席次を正しく理解する
特に宴会の席などでは、席次を正しく理解しておくことが重要です。部屋に入ったからといって、好き勝手な位置に座るのはいけません。その部屋の上座がどこかを見極め、位の高い方をご案内するようにしましょう。
大切な人が座る上座は、基本的に入り口から遠い場所です。入口の近くほど、人の出入りや廊下が近く騒がしいので下座とされます。和室の場合、床の間があることが多いでしょう。この際には床の間の前が一番良い席とされています。ただし一辺倒に、上座は入り口から遠ければいいというものではありません。例えば庭園が見える部屋であったり、立派な絵画が飾ってあったりする部屋の場合などは、景色や絵画がよく見える位置にお通しするとよいでしょう。迷ったら「どこが一番ゆったりくつろげる席か」ということを考えてご案内してください。
■食事に応じたマナーや作法
それでは、次に和食・洋食・中華それぞれのマナーや作法について確認していきましょう。食事によって、守るべきマナーが少々異なります。
<和食編>
5)嫌い箸はしない
何気なく使っているお箸ですが、お箸の使い方でやってはいけないことがあるのを知っていますか?「箸から箸へ料理を渡す」ことがNGというマナーは、恐らく多くの方がご存知でしょう。これは火葬場で遺骨を拾う箸使いと同じなので、通常の食事で行なってはいけません。また、器をお箸で引き寄せるのも避けてください。自分の手を動かさず箸を使うというのは、横着しているように思われますのでやめましょう。
そして意外とやってしまいがちなのが「渡し箸」です。食事の途中で食器の上に箸を渡して置くと、「もういりません」という意味になってしまいます。お箸は箸置きに置くようにしましょう。箸置きがない場合、お膳の右側かお箸の入っていた袋を折って、箸置きを作るといいでしょう。
6)おしぼりを正しく使う
日本独特の文化であるおしぼり。これは、食事前に手を拭うために出されるものです。ですから、顔を拭いたり台拭きにしたりするのは、実のところやってはいけないことなのです。おしぼりは一度ひざの上で広げ、手を拭いたらたたんで机の上におきましょう。おしぼり台があれば、その上へ戻します。また、食事の途中でおしぼりが出てくることもあるはず。これは「手をつかって食べても良い」という合図ですので覚えておきましょう。
7)手皿はしない
和食の場合、メインとなる料理のお皿以外、ほとんどお皿を持って食べてよいとされています。しょうゆ皿やてんぷらのつゆが入った器なども、手で持ち上げて食べても良いということです。一方、やってはいけないのが、左手を皿に見立てて料理を口に運ぶこと。上品に食べているというイメージがありますが、これは「手皿」といわれ無作法とされています。また、お皿を持ちあげる時ですが、両手で胸の高さまで持ち上げるようにしましょう。つまり、一度箸置きに箸を置いて持ちあげ、その後に箸をとるということですね。
<洋食編>
8)ナプキンの扱い方
席に通されて最初に迷うのが、ナプキンの扱い方ではないでしょうか。ナプキンは、席についてすぐに広げて構いません。ナプキンの置く位置は膝の上。胸元へ、よだれかけのようにするのはやめましょう。ナプキンは二つ折りにして、輪になっているほうを自分に向けて置きます。では、なぜ二つ折りにするか。これは、口を拭いたり汚れを拭いたりした後に、相手に汚れが見えないようにするためです。ですから、ナプキンを使う時には折りたたんだ内側を使うようにします。女性の場合、グラスに口紅がついてしまうのを防ぐため、あらかじめナプキンで口元をおさえておくとよいでしょう。グラスに口紅がついてしまったら、グラスに傷をつけてしまう可能性があります。ナプキンで拭いたりせず、指でそっとふき取りナプキンで手を拭きましょう。
また、途中でお手洗いなど席を立つ場合、ナプキンは椅子の上に置いていくようにしましょう。背もたれにかけていく人も見かけますが、これでは相手に汚れが見えてしまいます。不快に思われる場合があるので注意してください。尚、退席する時には、ナプキンはきっちりたたまないようにしましょう。「食事が美味しくなかった」というサインになってしまいます。あまり汚らしくならない程度で、自然にテーブルの上に置いて帰るようにしましょう。
9)ナイフ・フォークを正しく使う
洋食を食べる時、テーブル上にいくつものナイフ・フォークが最初から席へセッティングされていることがあります。これは料理に合わせて、お店の人が使いやすいナイフ・フォークをあらかじめ用意してくれているもの。外側から、一本ずつ順番に使うのがマナーです。ただし、もし間違えて使ってしまっても大丈夫。料理を片付けに来た時に確認すると、お店の人が持ってきてくれます。また、途中でナイフやフォークを落としてしまった場合、自分で拾ってはいけません。お店の人を呼び、新しいものを持ってきてもらうようにしましょう。
食事中は、ナイフとフォークを八の字に置くようにしてください。これはお店の人に対して「まだ食事をしています」というサインになります。2本そろえて置いてしまうと、たとえ料理が残っていても食べ終わったと思われ、片付けられてしまうので注意が必要です。食事が終わったら、今後はナイフとフォークをそろえて食べ終わったと意思表示しましょう。
10)スープやパンはゆっくり食べる
普段、スープは飲むものというイメージを持っていないでしょうか。洋食の場合、ゆっくりと静かに食べるものであるということを意識しましょう。「ズズズッ」と音を立てるのはマナー違反です。
左手を器に添えて、スプーンで手前から向こう側に向かってすくいながら食べます。中身が少なくなってくるとすくいにくくなりますので、器の手前側を軽く浮かせ、向こう側にスープを寄せてすくうようにしましょう。取手が付いている器が出てきたら、両手で持ちあげて食べほしてもよいとされています。また、お肉のソースをパンにつけるのはよいとされていますが、パンをスープにつけて食べるのはいけません。
基本的に、パンは出されたらいつ食べてもよいとされています。しかし、席についてすぐ食べ始めるのは控えた方がよいでしょう。食べる時はそのままではなく、パン皿の上で一口大にちぎって食べるのがマナー。パンは、ちぎった部分が自分側を向くように置いてください。
<中華編>
11)料理のとり方
基本的に、中華は円卓の上に大皿で料理が運ばれてきます。上座に座っている人から、順番に時計回りで料理を取っていきましょう。その時、席を立たないようにしてください。また、料理をとる際には自分の箸を使わず、サーバーや取り箸を使い、盛りつけをあまり崩さないよう気をつけます。お店の人は、見た目も含めて美味しく見えるよう配慮しています。次の人のためにも、見栄えが悪くならないようにすることが大切です。
また、調味料なども全員共通で使うのが基本となります。料理をとった際、調味料を自分の手元に置いてしまわないようにしてくださいね。そして、料理をとったらすぐに食べ始めず、全員に料理がいきわたるのを待ってから食べましょう。尚、全員が料理をとり終わった時点で、大皿に残っている料理は食べたい人が自由に食べてもいいとされています。
12)取り皿の扱い方
取り皿は無理に同じものを使い続ける必要はなく、次の料理がきたら取り替えても構いません。使った取り皿は重ねて置いても大丈夫。周りの状況を見て、取り皿が足りなくなるようであればお店の人に追加で持ってきてもらうようにしましょう。
そして取り皿に盛った料理などは、持ちあげずテーブルに置いたまま食べます。ただし、ご飯茶椀だけは持っても構いません。ただし、器に口をつけるのは基本的には控えた方がよいとされています。また、取り皿に盛った料理を残すのはマナー違反ですので、最初から食べきれる量だけとるようにしましょう。
13)れんげの使い方
意外と知らないのが、正しいれんげの持ち方。人差し指をれんげのくぼみの中に入れ、親指と中指を添えるようにして持つのが正しい持ち方です。そして、れんげはあくまでスープを飲むためのもの。スープを食べる時は右手で持ち、そのまますくって食べます。
麺類などの汁物は、左手でれんげを持ち、右手で箸をもって具を少しずつ取りましょう。汁が飛び散らないよう、れんげで一度受けます。このとき、そのままれんげを口にもっていき、具を食べるのはマナー違反です。あくまで受け皿としての役割をしていますので、れんげの上の具はお箸で食べるようにしてください。また、具を食べた後、左手にれんげを持ったままスープを飲むのもいけません。一度、右手に持ち替えてからにしましょう。
和食や洋食、中華と、それぞれに独特なマナーがあります。しかしマナーだからと堅苦しく考え過ぎず、「どんな人とでも気持ちよく、楽しく食事の時間を過ごすためにはどうしたらいいか」を意識してください。ご紹介したマナーや作法も、この意識があれば自然と身についていくはずです。
執筆者:高橋 みお(ナレッジ・リンクス)
