【しぶんぎ座流星群2026】今夜28日~1月12日 いつどの方角を見る?1997年の「あの彗星」が関係か?【真冬の星空観察】
国立天文台によりますと、しぶんぎ座流星群の一般的な出現時期は12月28日から1月12日頃、極大は1月4日です。
流星数が比較的多く観察されるのは、極大の前後1日程度で、際だって流星数が増加するいわゆる極大は、数時間程度です。
天文学に詳しい、山陽学園大学地域マネジメント学部の米田瑞生さんに聞きました。
──よく見えるのは、いつでしょうか。
(山陽学園大学 米田瑞生さん)
「極大は1月4日午前6時ですが、日の出が近く、空が明るくなるので、実質的には午前3時~5時くらいがピークでしょうか。
満月が一晩中夜空にあるため、条件は良くありません。しかし、この時間は満月も西の空に低くなり始めているので、月を背に(建物で月明かりを遮るなどして)北の空に注目すれば、ある程度見えるとは思います」
どんな流星群?
──「しぶんぎ座流星群」は、どんな流星群なのでしょうか。
(山陽学園大学 米田瑞生さん)
「【画像①】は、2025年1月に観測した『しぶんぎ座流星群』です。一晩の流星を、同じ静止画に収めています」
星空のどの辺りを見ていたらよい?
(米田さん)
「『しぶんぎ座』は、『りゅう座』のあたりに放射点があります。このあたりは明るい星々が少なく、わかりづらいかもしれませんが、放射点から四方八方に流星が出現するということであり、星座・星々を把握する必要はありません。北斗七星あたりをぼんやり眺めるくらいのつもりで十分です」
(米田さん)
「この流星群は、あたりはずれがあり、今回の活動がどうなるかは、予測が難しい所です」
「ちなみに、『しぶんぎ座』という星座は現在は使われていませんが、流星群の名前として、残っている名称です」
「『しぶんぎ座』の正式名称は壁面四分儀座(壁面四分儀:天体の位置計測の器具)ですが、この星座は現在は使われていません。国際天文学連合が、正式な星座として、この星座を認定しなかったためです。しかし、流星群の名前として現在もしぶんぎ座は定着しています」
この流星群を発生させる「ダスト」をまき散らしている彗星の正体は、1997年のあの彗星?
(米田さん)
「この流星群を発生させるダストを撒き散らしている彗星の正体ははっきりしていませんが、1997年に壮大な姿を見せた、ヘールボップ彗星がその候補の一つになっています」
米田さんが1997年に撮影したその彗星が【画像③】です。
(米田さん)
「この写真を撮ったころは、13歳でした。当時いた中学校(奈良市内)の屋上に望遠鏡(口径20cm)を運び、彗星のコマ(核)の拡大した写真を撮りました。当時はフィルムでの撮影です」
「彗星の尾を含んだ全体の写真を撮る方が美しいのですが、市街地では望みが薄かったので、明るい部分(コマからダストが放出されている様子)を拡大して撮影したような記憶があります」
このヘールボップ彗星を、1997年にRSKが取材していました。当時の原稿です。
『彗星は「ほうき星」の名の通り長い尾を持つのが特徴です。この尾ができる過程が岡山県鴨方町竹林寺山にある国立天文台でヘールボップ彗星の観測によって世界でも初めて明らかにされました。』
『この観測を行ったのは埼玉県の高校教諭、鈴木文二さんら7人のチームです。鈴木さんらは竹林寺山にある国立天文台の91センチ反射望遠鏡にウープスと呼ばれる偏光撮影装置をとりつけ、彗星の頭の部分を撮影しました』
彗星の頭の部分では何が起こっている?
(1997年のニュース記事)
『この頭の部分の中心には核があり、そこからは太陽に照らされてたくさんのチリが吹き出して尾をつくっています。観測の結果、このチリに反射した太陽の光は核の近くではほとんど偏光せず、遠くなるにつれてしだいに偏光の度合いが増していく事がわかりました』
『この結果、鈴木さんは核からはなれたチリがはじめ数ミリ程度と大きく、やがてミクロン単位に小さく分裂していく事を示しており、ミクロン単位の小さなものばかりが集まっているという定説はくつがえると話しています。
彗星のチリができる過程を一枚の影像としてとらえたのは世界でもはじめてで、太陽系のもととなった物質の大きさなども明らかになるのではないかと期待されています』
1997年のニュース記事を令和のいま、考察してみよう
ー米田さん、ヘールボップ彗星に関する1997年の記事を、いま読んでみていかがですか?
(山陽学園大学 米田瑞生さん)
「当時の記事があったんですね!なんと興味深い。地球の大気に飛び込んでくる流星のダストの大きさは、0.1mmとか、1mmとか、そのくらいだと思います」
「ミクロンサイズよりはだいぶ大きいので、ヘールボップ彗星が、大きめのダストを供給しているとなると、流星群の原因になっていても良いのだな、と納得させられました!」
ーヘール・ボップ彗星は、その後どうなったのでしょうか。
「その後、ヘールボップ彗星は、彗星としては非常に大きくて(60km程度、ハレー彗星は6km程度)、太陽や地球のそばを過ぎ去ったあとも、だいぶしぶとく観測されていたように記憶しています。2001年になっても、南ヨーロッパ天文台の2.2m望遠鏡が、その姿を捉えています」
「ちなみに、つぎにヘールボップ彗星がやってくるのは、約2500年後です。このような長周期彗星が、流星群の原因になっているとしたら、実はそれは珍しいことです。まれにしかダストを供給しに来てくれないからです」
しぶんぎ座流星群を観て、ヘールボップ彗星が過ぎ去った1997年に、思いを馳せてみてはいかがでしょう。
