東京大学宇宙線研究所などによるTA国際研究グループは、最高エネルギーで宇宙線が飛来するホットスポットの兆候を世界ではじめて北半球で捉えることに成功した。

 宇宙では高エネルギーの放射線「宇宙線」があらゆる方向から偏りなく飛来していると考えらており、実際にこれまでの観測結果でも偏りは見出されていなかった。

 今回の研究では、米国ユタ州のTA宇宙線観測装置を使って2008年から5年間かけて観測したデータを解析したところ、北半球で直径40度の範囲で特定の方向から最高エネルギーの宇宙線が過剰に飛来しているホットスポットがあることが明らかとなった。このホットスポットの領域は北半球の空の6%に相当し、3.4σ(シグマ)の有意度で宇宙線の飛来する方向に偏りがあることを示唆している。

 今後は、最高エネルギーの宇宙線観測データを増やし、このようなエネルギーの高い宇宙線の発生源を明らかにしていく予定だ。