滴草由実(撮影:野原誠治)
 昨年5月にリリースした前作「I still believe〜ため息〜」から約一年、今年6月に通算9作目となるシングル「CALLING ME」をリリースした滴草由実。同作で初めて自ら作詞・作曲までを手掛けた彼女が今月29日、ニューシングル「GO YOUR OWN WAY」をリリースした。

――今年9月にiTunes限定シングル「Shiz-tic Covers feat. JAHAH」をリリースされましたが、選曲基準はどのようにして選ばれたんですか?

滴草由実(以降、滴草):最初、まず好きな曲をリストに上げていってたら、相当な数になったんですよ(笑)。デビュー前から、よくライブハウスでカバーライブもやってたし、大好きな曲がいっぱいありすぎて。でも、やっぱりスティービー・ワンダーとかマーヴィン・ゲイとか、一番リスペクトしているアーティストの曲を歌いたかったので。あと、みんながよく知っている曲と、歌ってみて一番自分らしさを出せる曲を重視したら、その3曲になった感じですね。

――全部男性ボーカルなのは、特に理由は無いですか?

滴草:逆に、男の人の歌を女の人がカバーするのって少ないから、それも面白いなと思ったし、JAHAHさんとのコラボレーションということもあって、彼のリスペクトしてるシンガーもマーヴィン・ゲイだったりスティービー・ワンダーだったり共通してたというのもあって。

――70年代だったりリアルタイムでは無いと思いますが、滴草さんにとってルーツとなる音楽なんですか?

滴草:特にスティービー・ワンダーはそうなんですけど、「GEORGY PORGY」 は元々がTOTOの曲だって知らなくて。エリック・ベネイがすごく好きで聴いてたんですけど、アルバムの中に「GEORGY PORGY」が入っていて。彼の曲だと思って、大好きでその曲ばっかり聴いてたんですけど、後からカバーというのに気付いて、TOTOだったという。でも、エリック・ベネイバージョンのサウンドがすごく好きだったので、JAHAHさんには「エリック・ベネイのグルーヴな感じで」という風にアレンジをお願いしました。

――アートワークはどなたが描かれたんですか?

滴草:あれは自分で(笑)。インナーとかにはよく入れていたんですけど、ジャケットを自分で描いたのは初ですね。

――元のサイズはどれくらいの大きさなんですか?

滴草:元は20cm×20cmぐらいのを、1週間で急いで描きました。

――結構、大作だと思うので、原寸で観られたらいいですね。

滴草:そうですね。いつか、どこかで原画が観られるようにしたいですね(笑)。一応、自分の中ではもう一つの夢として、展示会をやりたいなっていうのを持っていて。今、作品を増やそうと思って、描いている所ですね。最近は油絵が好きで、それも独学で試して描いてたんですけど、その油絵の作品をちょっとアルバムに入れるかも?みたいな(笑)。

――今までのR&Bから、前作のアルバム「花Kagari」以降、アコースティックギターやピアノなど生音の占める割合が増えてきたような印象を受けているのですが、自分の好みや音楽性を実感する部分はありますか?

滴草:ありますね。改めて「自分らしさはこれなんだな」というか、伝えたい音楽がすごくハッキリ定まったというか。今やっているサウンドは、昔の生音とかは変わってないし、プラス聴く人の心を癒す、力が湧いてくるような音楽をやっていきたいというのに気付いて、それが「オーガニック」だったので。それで前作から、その色を強く出していってますね。