「リーズナブルに野球を楽しんで」阪神・粟井球団社長の思い チケット全席前売りで完売も「絶対に続かないので下降期を短くする」
阪神の粟井一夫球団社長(61)が23日までにデイリースポーツのインタビューに応じた。2リーグ制以降では球団初となる連覇を目指す猛虎。藤川球児監督(45)は若手を積極起用しながら首位争いを演じ「育てながら勝つ」を実践している。一方で球団は事業で得た収益をチームの育成、強化にも還元し「稼ぎながら勝つ」という好循環を確立。常勝チームとして創設100周年に向かう球団トップが、自らの経営理念を語った。
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−チケットについては需給に応じて価格変動する「ダイナミックプライシング」を導入している球団もある。
「タイガースはファンの方を大事にしたい。短期的に言えば『今、稼げるからもっと高く売れば』という方法もあるかもしれないが、野球というのは家族や友人と気軽に来てもらえる『大衆の娯楽』だと思っている」
−米国ではナショナルパスタイム(国民的娯楽)とも言われる。
「MLBでも少し高くしすぎだと思っている。甲子園球場は内野席が全体の3分の1で、割安なアルプスと外野席を足すと3分の2の席数になる。他の球場では内野2、外野1の割合がほとんどだが、甲子園球場は高校野球がベースの球場なので、その割合を変える気もない。席数を確保して、リーズナブルに野球を楽しんでいただきたいという思いがある」
−だからダイナミックプライシングは導入しない。
「長期的な目で見ると、払えないような金額でチケットを売るのは、やはりおかしい。外野席とアルプス席はできるだけ値上げを抑えて、内野席はある程度、お金を頂戴してという考え方でいる。だからダイナミックプライシングは必要ないと思っている。元々は全ての試合を満席にしたいというところから始まっている。そうすることで入場料収入だけでなく、スポンサー価値が上がる、グッズや飲食物が売れると、あらゆることがプラスに働く」
−主催試合のチケットは全席前売りで完売している。
「私は1998年から関わってきて、それが達成できたのが2024年だった。そうなると、今みたいにチームも営業も両方が好循環になるが、何度も言っているように、これは絶対に続かないと分かっているので、下降期を短くして、すぐに今の状態に戻せる努力を、親会社を含めた三位一体でやっている。親会社の役割は例えばゼロカーボンベースボールパークを作ったこと。甲子園球場のリニューアルもそう。チケットシステムも親会社が作った。それはこれからも繰り返していくので『もう何もすることがないのでは?』と聞かれるが、山ほどある(笑)」
−ジェット風船が7年ぶりに復活した。反響と今後の改善策は。
「ファンの方が(再開を)待っていただいていたというのがよく分かる結果になっている。本当にありがたいと思っている。先日の『STADIUM HEROES DAY』では初めて緑色の風船をやったが、また違う色も(試してみる)という話にはなっている。リサイクルについても甲子園球場が頑張ってチャレンジしてくれている。ただ、七回表のイニング中に膨らます人がいるので、啓発活動がうまくいっていないという事実はある。できるだけイニング間に膨らませていただくようにお願いしていこうと思っている」
