原子力発電所の建て替え、最大5基…経産省が2040年代までの目標案を示す
経済産業省は5日の有識者会議で、2040年代までに2〜5基、50年代までに計11〜14基の原子力発電所を建て替える目標案を示した。
東京電力福島第一原発の事故後、政府が具体的な建て替えの数値目標を示すのは初めて。電力の安定供給に向け、脱炭素電源としての原発を最大限活用する方針を明確にする。
同日開かれた総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)の原子力小委員会で、「今後の原子力政策の方向性と行動指針」の改定案として示した。パブリックコメント(意見公募)を経て今夏に正式決定する見通しだ。
政府は25年2月に閣議決定した「第7次エネルギー基本計画」で、福島原発事故後の原発政策を転換し、「最大限活用する」と明記。電源に占める原発の割合を40年度に2割とする目標を掲げた。
改定案では、40年度以降も原発が2割の電力を賄うには、40年代までに220万〜550万キロ・ワット、50年代までに1270万〜1600万キロ・ワット分が不足すると指摘。原発1基の出力を120万キロ・ワットと仮定し、目標の建て替え数を算定した。
政府が建て替えを推進するのは、AI(人工知能)の普及に伴うデータセンターの増設など、電力需要の増加が見込まれているためだ。一方で、50年度までに15基の原発が運転開始から60年を迎えるため、廃炉になれば供給力は低下する。
原発の建て替えを巡っては、関西電力が昨年11月、美浜原発(福井県)で地質調査を始めている。
