2026年6月の星空情報:宵の空に並んで輝く「金星」と「木星」

6月、風が湿気を帯び、梅雨の訪れを感じる時季となりました。曇りや雨が続いて星が見えづらくなり、晴れた日も靄がかかって星の光がかすむことも多くなります。しかし、今年の6月には、夕方から夜にかけて鮮烈な輝きを放つ星をいくつも見ることができます。
まず、夕方の空には金星、木星が浮かびます。金星は−4.0等(※1)、木星は−1.8等(※1)と非常に明るく、良く目立ちます。
6月初めは金星が木星の西側にありますが、8〜10日頃にかけてほぼ隣り合うような配置になります。その時期を過ぎると金星・木星間の距離は離れていき、木星の方が西側になります。
毎日、二つの惑星の位置関係を観察すると、惑星がまさに「惑う星」であることを実感できるでしょう。
さらに、この2つの星の近くには水星もあります。6月16日には東方最大離角(※2)となり、見つけやすくなります。光度は0.4等程度(※1)で、目を引くほど明るいとはいえませんが、金星や木星を目印に探してみてください。

夜の9時ごろになると、1等星アークトゥルスが南の空高くに昇ります。単体の1等星としては全天で3番目に明るいオレンジ色で、見つけやすい星です。名前の意味は「熊の番人」で、「おおぐま座」に続いて昇るように見えることに由来しています。
アークトゥルスは「うしかい座」の星です。うしかい座の神話にはいくつかの説がありますが、天空を支える巨人アトラスに結びつけて語られることもあります。
アークトゥルスの南側で青白く輝くのは「おとめ座」の1等星スピカです。
農業の女神デーメテールがモデルになったと言われており、そのしるしとして片手に麦の穂を携えています。スピカは「穂先」を意味する名前で、名前の通り、おとめ座の持つ麦の穂に位置しています。日本ではアークトゥルスを夫、スピカを妻に見立て、二星を合わせて「春の夫婦星」と呼ぶことがあります。
東の空を見ると、夏の星々がその姿を現しています。
特に目を引くのは「こと座」の1等星ベガです。単体の1等星としてはアークトゥルスの次に明るく、目を射るような白い輝きから、「真夏の女王」と呼ばれることがあります。
こと座の東側、空低いところには同じく1等星のアルタイルがあります。アルタイルは「飛ぶワシ」という意味で、名前の通り「わし座」の星です。
ベガは七夕の織姫星、アルタイルは彦星に当たります。二星の間には七夕伝説の通り、天の川があります。
天の川は銀河系(天の川銀河)の恒星を遠くから見たものです。淡い光の帯のようにとらえられ、西洋では「ミルキーウェイ(ミルクの道)」と呼ばれます。
今頃の空を見上げると、夕方には並ぶ惑星たち、夜には春の夫婦星、七夕星と、連れ立って空に浮かぶ明るい星々を見ることができます。梅雨時の靄にも負けない、燦然とした輝きを、実際の空でも眺めてみてください。
※1…金星、木星、水星の等級は日本時間2026年6月15日0:00時点のもの(国立天文台暦計算室 今日のほしぞら参照)
※2…最大離角:内惑星(水星・金星)の地球からの見かけの位置が太陽から最も離れる時点。太陽から離れるため見つけやすい。
※…星座や天体の見える方角や位置関係は2026年6月15日のものです(時刻は本文中に記載)

かんむり座Tの増光
「かんむり座」は「うしかい座」と「ヘルクレス座」の間にある、小さな半円形の星座です。その領域にあるかんむり座Tは、伴星から物質を受け取り、繰り返し爆発を起こす再帰新星のひとつです。
爆発の周期はおよそ80年程度で、前回は1946年でした。そのため、ここ数年のうちに再び爆発する可能性があると考えられています。
爆発すると通常10等級のところから2〜3等級程度まで急激に明るくなり、肉眼でも見えるようになります。
ただし、その後は1週間程度で肉眼では見られないほど暗くなると考えられています。そのため、かんむり座が見やすい時期に起きないと、観測はできません。かんむり座が見え、さらには晴れた日が続く時期に爆発の日を迎えることを願いましょう。

文・編集/sorae編集部
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