おもちゃに「年間200万円以上」を使うコレクター男性には譲れない“こだわり”が「価値が上がったことは『たまたま』に過ぎない」
◆子どもの頃の“欲しかった”を回収していく
邪道:いろいろなコレクターがいると思うんですけど、僕は「ある種の目的意識を持って、物を集める人」がコレクターかなって思っています。ただ、目的意識っていうのは、きれいな言葉にした場合ですね。実際は執着です。僕、おもちゃに使っている年間の総額をならすと、毎月20万円近くになるので。
――に、にじゅうまん!?
邪道:おもちゃ全般が好きなので、SDガンダム以外にもいろいろ買っているんです。
――すみません、驚きすぎて話の腰を折ってしまいました。コレクターの定義についてお願いします。
邪道:執着についてですよね。たとえば旧車って、合理性だけで言ったら新しい車の方がいいじゃないですか。燃費もいいし、安全性も高い。ハイブリッドカーや電気自動車の方が合理的ではある。でも、「これが好きだから乗る」とか、「好きだから集める」っていう、合理性を超えた部分があると。僕はそこを“執着”だと思っています。だから、コレクターって結局、その執着を抱えた人なんですよね。
――その執着は、どこから生まれるんでしょうか。
邪道:ノスタルジーは大きいと思います。特におもちゃは。子どもの頃に好きだった物とか、当時欲しかったけど買えなかった物とか。大人になると、時間やお金に多少の余裕ができるじゃないですか。そのお金で旅行に行く人もいるし、スポーツにハマる人もいる。そのなかで、一部の人は子どもの頃の夢の続きをやるんですよね。宇宙飛行士にはなれなくても、昔欲しかったおもちゃは買える。そういう、“思い残し”を回収していく感覚はあると思います。
――ああ、夢の続きなんですね。
邪道:近いですね。たとえばプラモデルって、大人になってから再び始める人が多いんですけど、子どもの頃にできなかったことができるようになるんですよ。昔の『コミックボンボン』(※講談社から発行されていた児童向け雑誌)って、BB戦士の特集で「パテで盛って削れば完成!」みたいな、子どもにはムチャな改造の作例がいっぱいあったじゃないですか(笑)。
◆肩書き「コレクター」に違和感を覚える
――私もボンボン派だったので、よくわかります……!
邪道:でも、大人になると時間もあるし、技術的なチャレンジもできます。僕自身はモデラーというわけではありませんが、今は便利なツールもいっぱいありますから。なので、子どもの頃にできなかったことを大人になって実現できるんです。コレクションも同じで、当時持っていた物を買い直していくと、今度は「持っていなかった物」が欲しくなるんですよ。「え、こんなの出てたんだ!?」って調べ始めて、そこからだんだん深くなっていく。だから最初から「コレクターになりたい」と思ってなる人って、ほとんどいないと思うんですよね。
――確かに、結果としてコレクターになっていた人が多そうです。
邪道:そうなんですよ。コレクターって職業でも肩書きでもないので。だから僕、自分で「コレクターです」って名乗るの、ちょっと気持ち悪いんですよ。本業は普通にサラリーマンですし。
