Image: Shutterstock

データセンターはどうして積極的に評判を悪くするのやら…。

昨年、ジョージア州フェイエットビルにある富裕層向けの高級住宅地Annelise Parkの住民たちが、水圧が異常に低下していることに気づきはじめました。

報告を受けた郡の水道局が調査したところ、衝撃的な事実が判明したそうです。

データセンター、こっそり1億1000万リットルの水を使う

Politicoによると、ジョージア州の州都であるアトランタの約32km南に位置するQuality Technology Services(QTS)のデータセンターキャンパスが、水道局に無断で数カ月にわたって郡の水道水を大量に使用していたとのこと。

当局が施設に水を供給する産業規模の取水口を2カ所発見した時点で、同施設は1セントも払うことなく、約1億1300万リットルもの水を消費していました。

報道によると、取水口の1つは水道局に無断で設置されており、もう1つはQTSの契約とひも付けられていなかったとされています。なんでそんなことが可能なのかちょっと意味がわかりません。

Politicoが入手した2025年5月15日付のフェイエット郡水道局からQTSへの書簡によると、開発業者に対して約15万ドル(約2,370万円)がさかのぼって請求されたそうです。

QTSの広報担当者は米Gizmodoの取材に対し、「QTSによる不適切な水使用があったという指摘は断じて事実無根です」と述べ、請求処理上のミスによって、水道局が一部のメーターを誤ってひも付けた結果だと説明しました。同社はさらに、この問題は是正済みで、すべての料金は支払われたと付け加えています。

請求はミスだったけど、料金は払ったってこと…? よくわかんないな。

ちなみに、このデータセンターが郡の水道水を無断で使用していた正確な期間は不明とのこと。QTSはPoliticoに対し、9カ月から15カ月くらいと語っています。

一方、フェイエットビル郡水道局のVanessa Tigert局長は、米Gizmodoのコメント要請をスルーしていますが、Politicoには4カ月近くと答えています。企業と水道局で見解が思いっきりずれていますね…。

ビッグテックに立ち向かう地域社会

今回の出来事は、水道システムの監視体制が十分に整っていない一部地域において、性急なデータセンターの開発が行なわれることに対する懸念をさらに強めるものです。また、データセンターが地域社会の水供給に与える多大な負担を浮き彫りにしています。

QTSのデータセンターがタダで水を使い放題だった一方で、ジョージア州の大部分は干ばつに見舞われていました。

地元の弁護士で、財産権擁護活動家でもあるJames Clifton氏によると、フェイエットビルの住民は、芝生への散水を控えるよう要請されていたとのこと。同氏は、2025年にQTS宛に送られた書簡を最初に入手し、Facebookに投稿した人物です。また、同氏は現在、フェイエット郡行政委員会の委員選に立候補しています。

Clifton氏は、Politicoに対し、次のように語っています。

QTSが私たちの水を吸い取っている状況下で、当局が最初にやったことは、個人や市民に水の費用を控えるよう圧力をかけることでした。QTSは、ほとんどの月で郡内最大の水消費者なんです。

深刻な干ばつとデータセンター乱立のジョージア州

それ以来、ジョージア州の干ばつは悪化の一途をたどっています。

Image: U.S. Drought Monitor
白い丸で囲んだ部分がフェイエット郡

フェイエット郡(白いまるで囲んだ部分)は現在、「極端な干ばつ」にあります。州全域が「深刻」から「例外的」とされるレベルの干ばつ状態にあり、特に南部では大規模で破壊的な山火事が数週間続いています。

ジョージア州は、全米でも有数のデータセンター集積地にもなっています。Data Center Mapによると、同州には現在213施設が登録されており、その大半がアトランタ近郊に集中しています。

フェイエットビルにおけるQTSのプロジェクトは、国内最大級の規模で、「Project Excalibur(プロジェクト・エクスカリバー)」として知られています。2022年から開発が進められており、完成すれば2.5平方キロメートルの敷地に、総面積61万3160平方メートルにおよぶ16棟の施設が建設される見込みです。

Politicoによると、QTSの施設が請求書を受け取る前に使用した水の量は、データセンターの計画段階で合意していたピーク時の上限を大幅に上回っていたといいます。

QTSの言い分と全米に広がる懸念

QTSはPoliticoに対し、昨年の水使用量が非常に多かったのは、建設工事に伴う一時的なものだと説明しました。同社はまた、自社のデータセンターでは「閉ループ」冷却システムを採用しており、「同じ水を継続的に循環させるため、地域の水道供給に影響はない」と主張しています。

でも、ケタ外れの水使用量が建設にあるのだとすれば、この問題はまだまだ解決しそうにありません。なんせ、QTSはフェイエットビルにあるデータセンターの拡張を申請していて、2029年までの完成を目指すとのことなので、あと3年くらいは水問題が続きそうな気配です。

こういう事例がニュースになるのは、きっとこれが最後ではないでしょう。全米各地でデータセンター計画が急増し、地域社会のインフラが水やエネルギーの消費に対応する準備を終えないまま承認されるなかで、そのツケを払わされるのは地域住民です。

フェイエットビルをはじめ、データセンターが急増する地域では、住民が反対の声をあげていますが、彼らには長く厳しいたたかいが待ち受けています。

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