『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』©2025 Nintendo and Universal Studios. All Rights Reserved.

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 さまざまな作品で“メロい”キャラクターが人気を呼んでいる令和のエンタメ界隈。そのなかでも圧倒的な勢いを感じさせるのが、キツネをモチーフとしたキャラクターたちだ。もはやキツネ=メロいというお約束が鉄板となりつつあるのかもしれない。

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 たとえば4月24日から全国ロードショーが始まった映画『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』では、キツネの姿をした宇宙船パイロットのフォックス・マクラウドが注目を浴びている。

 フォックスは『スターフォックス』シリーズの主人公にして、『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズでもお馴染みのキャラクター。やとわれ遊撃隊「スターフォックス」のリーダーを務めており、戦闘機の操縦技術にかけては右に出る者がいない。

 今回の映画では、戦闘機のパイロットとしてマリオやピーチたちをサポートするという役回りで、高速で宇宙を駆け抜けていく姿や、華麗に機体を回転させる“バレルロール”などを見せつけている。

 また戦闘機に乗っている時だけでなく、普段の身のこなしも洗練されており、どことなくワイルドなセリフ回しも魅力的。初対面のキノピオが思わずメロメロになってしまっていたほどだ。

 しかも日本語吹替版で声優を担当しているのは、『ヒプノシスマイク』シリーズの天国獄役などで知られる竹内栄治。SNS上では「一瞬で惚れてしまった」「爆イケだった」とフォックスの虜になる人が相次いでいるようだ。

■『ズートピア』ニックはジュディとの関係性が魅力に また“メロい”キツネのキャラクターとしては、『ズートピア』シリーズのニック・ワイルドを挙げないわけにはいかないだろう。

 ニックはさまざまな動物たちが暮らす都市・ズートピアで、詐欺師をしていた人物。とあるきっかけからウサギの新米警察官ジュディ・ホップスと出会い、捜査に協力することになり、そのまっすぐな正義感に感化されて自分の生き方を見直し始める。

 いつも皮肉っぽい口ぶりで、飄々とした態度で世渡りしているが、実はその内面は誰よりも繊細。詐欺をするようになったのも、かつて社会の偏見に深く傷つけられたことが原因だった。ふとした時に心のやわらかいところを覗かせる二面性こそが、ニックの大きな魅力の1つだろう。

 またジュディに対して見せる顔も“メロさ”の源泉。軽口を叩いてからかってばかりいるが、本心ではジュディに深い思いやりを抱いており、あえて死語を使って表現するならツンデレ的な要素がある。とくに2025年12月公開の『ズートピア2』では、ニックがジュディに向ける感情の大きさが強調されていた。

 2人の関係性ははっきりと定義されておらず、友情なのか恋愛なのかは曖昧なままとなっている。とはいえニックが「俺のこと好きなんだろ?」と、少女マンガの登場人物のようなセリフを口走る場面が数多くあるため、恋に落ちてしまったファンは少なくないはずだ。

 そのほかアニメではないものの、最近人気が出たキツネ系キャラクターとして、2025年9月に発売されたゲーム『SILENT HILL f』の狐面の男にも触れておきたい。

 同作は『ひぐらしのなく頃に』の竜騎士07がシナリオを手掛けたホラーゲーム。昭和時代のとある田舎町を舞台として、主人公の高校生・深水雛子が突如変貌していく町のなかで生き延びるために戦う姿を描いている。

 そこで雛子を導く謎のキャラクターとして登場するのが、狐面の男だ。美しい銀髪に和装という佇まいで、ミステリアスな雰囲気をまとっており、その正体は途中まで謎に包まれている。

 どう見てもあやしい人物なのだが、雛子に対する態度はきわめて紳士的。やさしげな口調でその身を気遣い、「怪我をするようなことは私がする」という甘いセリフなどを口にするのだった。

 雛子を自分のものにしようとしている節があり、常軌を逸した独占欲を覗かせる場面もあるものの、そうした愛の重さこそが刺さるというファンも多いようだ。危険な魅力をもったキャラクターと言えるだろう。

 こうして令和に人気のキツネキャラクターを見てみると、外面のよさが共通しているように見える。スタイリッシュだったり、ワイルドだったりする普段の振る舞いがあるからこそ、その裏で意外な素顔を見せたときにギャップが際立ち、ファンの心を掴むのではないだろうか。つまり“1キャラで二度おいしい”というのが、彼らの最大の強みなのかもしれない。今後、新たなキツネ系男子の新人が現れてくることにも期待していきたい。(文=キットゥン希美)