降り注いだ拍手とブーイング。「時が経っているだけだともったいない」「このままズルズル落ちるのは悔しい」多摩川クラシコ敗戦の川崎は“言われているしやっている”守備を改善し浮上できるのか
前節はアウェーで指揮官が交代したばかりの浦和に完敗を喫し、挽回を誓った川崎だったが、FC東京に0−2で敗れ、百年構想リーグでは多摩川クラシコで2連敗という悔しき結果を突き付けられた。
俯く選手たちに、サポーターからは拍手とブーイングがまぜこぜになったような声援が送られた。
いつものようにベンチの近くに立ち、選手たちを見守った長谷部茂利監督も「このクラシコでどれだけの想いで応援をしてくれているか、申し訳ない気持ちでスタンドを見ていました。選手と一緒に一礼しましたが、こういうことが起こってはいけないし、シーズン2敗ですから、申し訳ない気持ちだけです」と振り返る。
だが、41分、0−0で試合を折り返したかったなか、ボールを前進させようと、気を利かせて中央に入った左サイドハーフの宮城天が相手ボランチ、常盤亨太のプレッシャーを受け、パスをミス。FC東京の自慢の高速カウンターを受けると、最後は佐藤恵允に決められて失点。
気を付けていたはずの形で先手を取られると、57分には後方からの佐藤龍之介の素晴らしい縦パスをダブルボランチの間に刺され、その流れから野澤零温に決められて2失点目。反撃も実らなかった。
それでもCBで先発した佐々木旭が「前半の守備は良かったと思います。エリソンと(神田)奏真が限定してくれて中盤(ボランチ)の(橘田)健人くんと(河原)創くんも気を利かせて、(2トップの一角から落ちる)佐藤龍之介選手を見てくれる時と、相手の中盤に当てはめに行く時と使い分けていたので、そこは(CBの)僕とマルくん(丸山祐市)も常に声を掛け合いながらやっていて、手応えはありました。だからこそあの時間帯の失点を含めてもったいない試合でした」と語ったように、失点するまでの守備は、長谷部監督のチームらしく、組織立ち、誰もが足を止めずにプレスに走り、見ていて美しさがあった。
ただ、前述したとおり、徐々にFC東京にプレッシャーをかけられ、効果的にボールを運べていない状況に焦れるように、ミス絡みで失点してしまったのが痛く、長谷部監督も「何回かに一回はカウンターを受けてしまいますが、ああいうところで止められないようでは、ファウルで止めろとは言わないですが、そこは『そういうミスをするな』ですし、力不足だった」と振り返ったが、個人の責任だけにはできない。佐々木や、キャプテンの脇坂泰斗も語る。
「ミスをしてはいけないチーム、こだわっているチームだからこそ、チャレンジすることは良いことですが、ミスの仕方、場所など、そういうのを含めて悪かったのかなと。でも(宮城)天、ひとりの責任ではないですし、チームとして取られたのはセンターサークルあたりなので、まだ守れる距離はあった。チームとしての意思統一が大事でした」(佐々木)
「チームとしてどう前進していきたいかを感じてのプレーだったと思うし、各々が反省するところ。チームとして(宮城)天に入るまでに苦しいパスになったんじゃないかというところもある。それは個人、チームとしてゴールから逆算しなくてはいけない。有効だったのか考えなくちゃいけない」(脇坂)
2失点目も前述したとおり、かつての川崎を見るかのようなFC東京の佐藤龍之介の素晴らしい縦パスをまずは褒めるべきだろう。
