日韓の目下の憂いと将来の懸念、イラン戦争から台湾海峡危機を展望―独メディア

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2026年4月22日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレ(DW)の中国語版サイトは、ホルムズ海峡封鎖が日韓に将来の台湾海峡危機への深刻な懸念を突きつけていると報じた。

記事は、米国とイランの長期化する対立によってホルムズ海峡経由のエネルギー輸出が深刻な打撃を受けており、日本が消費する原油の93%、韓国が使用する石油の70%と天然ガスの20%が同海峡を経由していると伝えた。

そして、シンガポール南洋理工大学のジョセフ・クリスタント海洋安全保障アナリストが、海上航路は日韓の生命線であり、長期封鎖されれば両国経済に重大な戦略的衝撃が及ぶと分析したことを紹介した。

また、南シナ海が年間約3兆3600億ドル(約534兆円)相当の世界貿易を担う重要航路であり、主要な紛争の火種となっているとした上で、クリスタント氏が同海域と台湾海峡は密接につながった「連続した通路」を構成するため両方を通過しなければ東アジアに到達できないと指摘し、この地域を「相互に関連した海上の戦場」として捉えるべきだと警告したことに触れた。

記事は、日本の護衛艦が台湾海峡を通過した際、中国が「日中関係の政治的基盤を損ない、中国の主権と安全を脅かす」と強く抗議するとともに、米国の空母打撃群3隻すべてが中東へ展開されたタイミングでフィリピンとの係争海域入り口に浮体式障壁を設置したと指摘した。

このほか、中国が空母打撃群や長距離爆撃機の活動範囲を日本・台湾を含む「第一列島線」の外側へ拡大させていることにも触れ、米軍などの接近を阻む「対介入・領域拒否(A2/AD)」戦略の一環だと解説した。

その上で、国際危機グループ(ICG)北東アジア分析官のウィリアム・ヤン氏が、アジアの米軍兵力希薄化が同盟国に不安を引き起こす中、中国がこの隙を突いて影響範囲の拡大と係争地での足場固めを進めており、日韓にとって航路制御権の喪失は「悪夢」になると語ったことを紹介した。

記事は、3月に韓国ガス公社(KOGAS)と世界最大の液化天然ガス(LNG)輸入元である日本のJERAがエネルギー安全保障強化の覚書を締結するなど日韓協力の動きも見られると紹介する一方で、クリスタント氏が海上輸送への依存から脱却するには至らず、船舶が北東アジアに到達するためには「幾多の関門」を突破し続けなければならないと警告したことを伝えた。(編集・翻訳/川尻)