感情は抑え込むほど牙をむく? 感情をありのまま受け止めるべき理由【感情を手放してラクになる デトックス・ジャーナリング】

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いつも疲れているのは、心に溜まった闇や影のせい?

感情は、自分で感じることで解放される

私たちは、怒りや嫉妬といったネガティブな感情がわいてくると、それを悪いものとみなし、早く消し去ろうと焦ってしまいます。また、感情を見ないようにフタをしたり、無理にポジティブなことを考えて気をそらそうとしたりすることもあるでしょう。

しかし、感情は抑圧すればするほど、心の奥底に溜まり続けます。そして、それを抑え込むためにエネルギーを使い果たし、慢性的なエネルギーの停滞や不足となって私たちを苦しめるのです。

感情を健やかに手放すための唯一の方法は、その感情をジャッジせずに、ありのままに感じることです。あなたの心の声を、あなた自身が「心の鏡」で見てあげるだけでいいのです。

「心の鏡で見る」とは、表面に表れた二次感情ではなく、裏面に隠れた一次感情を、価値判断せずに、ただ「悲しいんだ」「とても寂しいんだ」と、素直に見つめ、受け入れることを指します。

多くの場合、私たちは「怒るべきではない」「うらやむべきではない」と、自分に表れた二次感情を思考で判断して抑圧してしまいます。これが、感情の解放を妨げる最大の要因です。大切なのは、感情に良し悪しはないんだと、ジャッジを切り離すことです。

どんな感情も自分で認めることで解放される

自分の感情は自分自身で受け入れることがとても大切です。たとえそれが醜い嫉妬心や、深い絶望感であったとしても、それは紛れもなくあなた自身のものです。その存在を否定せず、「そうなんだ」「そう感じているんだ」「しかたないね」と、まず自分自身を理解してあげることです。

このプロセスは、あなたの本音を、あなた自身が受け入れることに他なりません。それは、まるで迷子になった幼い子どもを見つけたときに、理由も良し悪しも問わずに、「怖かったね、寂しかったね」と優しく共感するような行為です。子どもは、ただ自分の気持ちをわかってもらえるだけで安心し、泣き止むことができます。それと同じように、私たちの感情も、ただ「わかってもらえた」「受け取ってもらえた」と感じるだけで、自然と鎮まっていくのです。

二次感情は、あなたに何かを知らせるために表れたメッセンジャーです。ネガティブな感情は、あなたを罰するためにあるのではなく、「気づいてね」という内側からのサインなのです。 メッセージを受け取らずに頭ごなしに抑えつけようとすれば、メッセンジャーはさらに強いメッセージを送ろうとします。

しかし、「心の鏡」に映し出された自分の内側の一次感情に静かに耳を傾け、その良し悪しを問わずに、「教えてくれてありがとう」と受け入れたなら、メッセンジャーは安心して去っていきます。

激しく噴き出す感情はあなたを傷つけたいのではなく、むしろあなたに深く理解し、癒やしてもらいたいだけなのです。ただ黙って見て、聞いて、共感して感じてあげてください。

POINT

表に出た二次感情は、あなたを守ろうとするメッセンジャー。
良し悪しを判断せず、「今、こう感じている私」を認めてあげて。

【出典】『感情を手放してラクになる デトックス・ジャーナリング』著:長沼睦雄

【著者紹介】
長沼睦雄(ながぬま・むつお)
十勝むつみのクリニック院長・精神科医。昭和31年生まれ。北海道大学医学部卒業後、脳外科研修を経て神経内科を専攻し、北海道大学大学院にて神経生化学の基礎研究を修了。その後、障害児医療分野に転向し、道立札幌療育センターにて14 年間児童精神科医として勤務。平成20 年より道立緑ヶ丘病院精神科に転勤し児童と成人の診療を行う。平成28 年に帯広にて十勝むつみのクリニックを開院。急性期の症状を対症療法的に治療する西洋医学に疑問を感じ、HSP・アダルトチルドレン・神経発達症・発達性トラウマ障害・慢性疲労症候群などの慢性機能性疾患に対し、「脳と心と体と食と魂」をつなぐ根本治療を目指す統合医療に取り組んでいる。
『敏感すぎて生きづらい人の 明日からラクになれる本』『繊細で敏感でも、自分らしくラクに生きていける本』(共に永岡書店)、『子どもの敏感さに困ったら読む本』『10 代のための疲れた心がラクになる本』(共に誠文堂新光社)、『その、しんどさは「季節ブルー」』(日本文芸社)など著書多数。