【2026年4月施行】訪問スタッフが気をつけるべき自転車の青切符制度とは?違反行為と反則金を解説

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訪問業務中に気をつけたい違反行為と反則金

2026年4月1日より、自転車の交通違反に青切符制度が導入され、16歳以上が対象となります。訪問業務中の移動でも例外ではなく、やりがちな行為が危険・悪質と判断された場合、3,000円~1万2,000円の反則金が課されます。まずは違反行為の例を確認してみましょう。

1.携帯電話使用等(保持)反則金1万2,000円

走行中にスマートフォンを手に持って画面を注視することは、「携帯電話使用等(保持)」に該当し、反則金1万2,000円の対象となります(法第71条第5号の5)。また、スマホホルダーに固定している場合でも、画面を注視しながら走行すると違反となる可能性があるため、訪問先の住所確認や電話の折り返しは、停車してからおこないましょう。

2.信号無視|反則金6,000円

車道を走行中は車両用信号、横断歩道を渡るときは歩行者用信号に従うのが基本です(法第7条)。ただし、歩行者用信号に「歩行者・自転車専用」の標示がある場合は、車道を走っていても歩行者用信号に従ってください。

また、車両用信号が黄色の場合は、安全に止まれないときを除いて、停止位置を越えてはいけません。

3.歩道走行|反則金6,000円

歩道と車道の区別がある道路では、車道を通行しなければなりません(法第17条第1項)。歩道の走行が認められるのは、以下のケースに該当する場合に限られます。

例外的に歩道を通行できるケース

道路標識・道路標示で歩道を通行できるとされている場合 駐車車両などで、車道の左側を通行することが難しい場合 交通量が多い・車道が狭いなど、通行すると事故の危険がある場合 13歳未満・70歳以上の人が運転する場合 身体障がいを有する人が運転する場合

普通自転車歩道通行可の標識

4.逆走(右側通行)|反則金6,000円

訪問先の建物が道の右側にある場合でも、道路の左側端に寄って通行しなければなりません。右側の路側帯を走る逆走は「通行区分違反」に該当し、反則金6,000円の対象です(法第17条第4項、第18条第1項)。

逆走は、対向車・対向自転車との衝突リスクも高くなるため、少し遠回りになっても左側を走行してください。

5.一時不停止|反則金5,000円

時間が押している状況でも、一時停止せずに交差点へ進入すると「指定場所一時不停止等」として、反則金5,000円の対象となります(法第43条)。住宅街の見通しの悪い交差点は、標識がなくても徐行・確認を習慣にしておくと安心です。

6.傘を差しながらの運転|反則金5,000円

自転車の傘差し運転は「公安委員会遵守事項違反」として反則金5,000円の対象となります(法第71条第6号)。傘をさしながら走ると、ハンドルやブレーキの操作が難しくなるうえ、バランスも崩れやすく、転倒や接触事故につながります。雨天時はレインコートやポンチョを着用して走行してください。

7.無灯火走行|反則金5,000円

夜間の無灯火走行は、反則金5,000円の対象となります(法第52条第1項)。無灯火での走行は、周りの状況を確認しづらくなるだけではなく、車や歩行者から自分の存在が見えにくくなる危険もあります。事業所を出発する際に、ライトの点灯・電池残量を確認しておくと、うっかりを防げます。

8.イヤホンをしながらの運転|反則金5,000円

自転車の走行中に音楽を聴いたり、ハンズフリーで通話したりする場合も「公安委員会遵守事項違反」として反則金(5,000円)の対象となります。

ただし、イヤホンを片耳に装着している場合や、オープンイヤー型のイヤホン・骨伝導イヤホンの場合など、安全運転に必要な音や声が聞こえる場合は違法にはなりません。

自転車が対象とされている主な違反行為と反則金の一覧はこちら(タップで展開します)▼
違反行為 違反内容 反則金の額 携帯電話使用等(保持) スマホを手に持っての通話や画面の注視 12,000円 放置駐車違反 駐車禁止場所等に自転車を停めて離れる
(反則金は場所により変動) 9,000~12,000円 駐停車違反 駐停車が禁止されている場所での一時停止や駐車 6,000~9,000円 速度超過 指定された最高速度を超えて走行 6,000~12,000円 信号無視 赤信号や黄信号での進入、点滅信号の無視 6,000円
(点滅は5,000円) 通行区分違反 右側通行(逆走)や許可されていない歩道の走行 6,000円 遮断踏切立入り 遮断機が閉じ始めている、または警報機が鳴っている踏切への進入 7,000円 踏切不停止等 踏切の直前での一時停止と安全確認をしない 6,000円 指定場所一時不停止等 「止まれ」の標識がある場所での一時停止をしない 5,000円 交差点安全進行義務違反 交差点進入時の他者への不注意や、安全な速度・方法での走行義務違反 6,000円 横断歩行者等妨害等 横断歩道を渡る歩行者の通行を妨げる、または直前での一時停止をしない 6,000円 安全運転義務違反 手放し運転や周囲に危害を及ぼすような速度・方法での運転 6,000円 公安委員会遵守事項違反 傘差し運転やイヤホン使用など 5,000円 無灯火 夜間にライトを点灯せずに走行 5,000円 歩道徐行等義務違反 歩道通行時に徐行しない、または歩行者の通行を妨げる 3,000円 路側帯進行方法違反 路側帯走行時に歩行者の通行を妨げるような速度での進行 3,000円 並進禁止違反 2台以上の自転車が横に並んで走る 3,000円 交差点右左折方法違反 左折時に左側に寄らない、または二段階右折をしない 3,000円 軽車両乗車積載制限違反 許可されていない大人同士の二人乗りなど 3,000円 自転車道通行義務違反 自転車道がある場所で、車道や歩道を走る 3,000円 警音器使用制限違反 みだりにベルを鳴らす 3,000円 通行禁止違反 「自転車を除く」表示のない一方通行路の逆進入など 5,000円 通行帯違反 普通自転車専用通行帯(自転車レーン)がある場所で、車道や歩道を走る 5,000円 追越し違反 不適切な方法での追い越し 6,000円 急ブレーキ禁止違反 危険防止のためやむを得ない場合以外の急ブレーキ 5,000円 車間距離不保持 前の車両との間に安全な距離を保たない 5,000円 進路変更禁止違反 無理な進路変更や合図なしでの変更 5,000円 泥はね運転 泥除けをつけずに歩行者に泥を跳ねさせる 5,000円 軽車両整備不良 ブレーキやベルの不備など、整備が不十分な状態での運転 5,000円 自転車制動装置不良 ブレーキがない、または故障した自転車の運転 5,000円

違反するとどうなる?

違反を起こしたからといって、必ず青切符を交付されるわけではありません。違反の内容や状況によって、対応は以下の3つに分かれます。

・指導警告(反則金なし) ・青切符(反則金あり) ・赤切符(刑事手続)
軽微な違反は「指導警告」

「自転車で歩行者がいない歩道を通行した」など悪質・危険な違反ではないと判断された場合、これまでと同様に指導警告による注意が中心となります。自転車指導警告カードを受け取っても、前科がつくことも、反則金の支払い義務が発生することもありません。

引用:警察庁交通局|自転車を安全・安心に利用するためにー自転車への交通反則通告制度(青切符)の導入ー【自転車ルールブック】 指導警告票(警視庁の例)
悪質・危険と判断されたら「青切符」

16歳以上の運転者が違反を起こし、「悪質・危険」と判断された場合、その場で青切符が交付されます。

悪質・危険な違反の例

違反によって、ほかの歩行者が立ち止まったり、ほかの車両が急ブレーキや急な進路変更といった回避措置をした場合 違反を同時に2つ以上おこない、事故の危険が高まっている場合 警察官による指導警告に従わず違反行為を続けた場合 警察官の指導警告や、近くで取締りがおこなわれていることを認識しながら、違反行為を続けた場合 携帯電話を手に保持して通話した場合や、手に保持して画面を注視した場合 遮断踏切に立入った場合など

青切符を受け取り違反を認めた場合は、交付された翌日から原則7日以内に、銀行や郵便局の窓口で反則金を仮納付する必要があります。

7日以内に仮納付できなかった場合は、切符に記載された指定の期日に交通反則通告センターへ出頭し、反則金の通告書と納付書の交付を受ける必要があります。なお、通告書と納付書を受けとった10日以内に反則金を納付しなかった場合は、刑事手続に移行します。

引用:警察庁交通局|自転車を安全・安心に利用するためにー自転車への交通反則通告制度(青切符)の導入ー【自転車ルールブック】
飲酒・あおり運転は「赤切符」

酒酔い・酒気帯び運転、あおり運転などによって実際に交通の危険を生じさせたり、重大な違反や事故を起こしたりした場合は、赤切符が交付されます。赤切符を交付された場合、検察へ送致され裁判で有罪となれば罰金刑が課されます。

引用:警察庁交通局|自転車を安全・安心に利用するためにー自転車への交通反則通告制度(青切符)の導入ー【自転車ルールブック】

業務中の違反は事業所にも責任が及ぶ可能性も

青切符の反則金はあくまで違反した本人が支払うものであり、事業所が代わりに支払う義務はありません。

しかし、業務中に従業員が第三者に損害を与えた場合、民法715条(使用者責任)に基づき、事業者が賠償責任を問われる可能性があります

また、従業員が「個人賠償責任保険」に加入していても、業務中に起こした自転車事故による損害賠償は補償の対象とはなりません。業務に自転車の利用を認めている事業所では、事業者用の賠償責任保険へ加入することをおすすめします。

参考

警察庁交通局|自転車を安全・安心に利用するためにー自転車への交通反則通告制度(青切符)の導入ー【自転車ルールブック】