「あとはどれだけ投げるか」大谷翔平はサイ・ヤング賞を手にできる? 米投球分析家が見た“可能性”「スキーンズも完璧だが、オオタニは別次元の怪物だ」

エンゼルスとのオープン戦最終戦で登板した大谷。マウンド上では生き生きと躍動した(C)Getty Images
「本当に頭一つどころじゃないくらいに抜けている」
レギュラーシーズン開幕に期待感が高まる快投だった。現地時間3月24日に行われたエンゼルスとのオープン戦で、今春2度目の先発登板を果たした大谷翔平(ドジャース)は、5回途中(86球)を投げ、11奪三振という圧巻の奪三振ショーを見せた。
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今春はワールド・ベースボール・クラシックの日本代表に「打者専任」で参加し、実戦登板機会からは離れていた大谷。だが、不安など微塵も感じさせなかった。
初回からエンジン全開だった。先頭のザカリー・ネトと、続くマイク・トラウトを空振り三振に斬ると、2回は無死一、二塁のピンチを招いたものの、そこから圧巻の6者連続三振。4回も無死一塁から3者連続三振をマークし、観る者に衝撃を与えた。
打っても2打数1安打で連続試合安打を「3」に伸ばすなど、約3年ぶりに迎える投打二刀流での開幕に向け、順調な大谷。そんな偉才の快投には、投球のプロフェッショナルも舌を巻く。
投球分析家として知られる“ピッチングニンジャ”ことロブ・フリードマン氏は、米スポーツ専門局『ESPN』の番組「ESPN MLB」に出演した際に、「仮に地球を守るための運命が懸かった試合で投手を選ぶなら誰?」というユニークな質問を受け、「これは難しい」と回答。メイソン・ミラー、ポール・スキーンズ、山本由伸の名を列挙した上で、「ただ、相手が宇宙人だとするならショウヘイ・オオタニだ。私は彼が人間だとは思っていない」とスタジオを笑わせた。
この4イニングで11奪三振をマークした投球について「信じられないほど素晴らしかった」と熱弁を振るったフリードマン氏は、他の選手と大谷は比較にならないという持論を展開している。
「この男(大谷)は、他のMLBスターとは別次元にいるってことを忘れてはいけない。本当に頭一つどころじゃないくらいに抜けている存在なんだ。人は『凄さ』ってものに慣れてしまったり、粗探しみたいなものをしたくなるものだけど、オオタニに関しては絶対に慣れない。今のMLBレベルで4回11奪三振なんて本当にありえない」

打者としても年間50本塁打を放ち、投手としても二桁勝利をマークするようなら――(C)Getty Images
ピッチングニンジャが見たサイ・ヤング賞を受賞するための“課題”
日夜、アマチュアからメジャーリーグまで、ありとあらゆるレベルの分析、そして解析を行い、“ピッチング”の真髄を探求している。だからこそ、フリードマン氏が大谷を「別次元」と評する言葉の意味は重い。
さらに大谷を「天才。やっていることは人間ではないよ」とも激賞するフリードマン氏は、投手版MVPとも言われるサイ・ヤング賞を手にする可能性についても言及。他のライバルの名を挙げつつ、受賞するための“課題”を論じている。
「手にできるだけの球は持っている。そこはもう疑いようがない。イニングごとの質も問題はない。だから、あとはどれだけ投げられるかだと思う。もしも、彼が(受賞のために)求められるイニング数に近づき、十分な成績を残すなら、かなりの有力候補として考えないといけない。
もちろん、私はスキーンズもかなり好きだ。彼は『正しい投手像』を体現していると思っているし、やることなすこと完璧だ。ただ、繰り返すけど、オオタニはもう別次元の怪物だ」
例年、サイ・ヤング賞を手にする投手たちの投球イニング数は、だいたい180〜200と見られている。投打二刀流を継続する大谷の場は、消化できる登板数とイニング数も限定的となるため、この水準に届くかは微妙なライン。仮に規定投球回に達しなかった場合に、どう評価されるかは懸念材料となるだろう。
それでも毎登板のように、ライバルよりも圧倒的な投球を見せることがあれば、サイ・ヤング賞争いへの追い風は強まるかもしれない。
いずれにしても、久々に挑む投打二刀流でのフルシーズンを、大谷はどう走るのか。一挙手一投足に注目が集まるのは間違いない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
