レーザーディスクは直径30cmの光ディスクにアナログ映像・音声信号を記録した映像メディアで、1980年代〜90年代に普及しました。テクノロジー系YouTubeチャンネルのTech Tangentsが子ども向けの液晶モニター付きデジタル顕微鏡をレビューする動画で、レーザーディスクを顕微鏡で見る実験を行っています。

Microscopes can See Video on a LaserDisc - Andonstar AD246S-P - YouTube

これがレーザーディスク。



レーザーディスクは、CDやDVDと同じく表面の細かな凹凸をレーザーで読み取る光ディスクですが、記録している中身は基本的にデジタル映像ではなくアナログのコンポジット映像信号で、ディスク表面のピットとランドの並びから再生機が元の映像信号を復元する仕組み。



使用した顕微鏡はAndonstar AD246Sで、価格は約2万円。Tech Tangentsがこの顕微鏡を選んだのは、HDMI出力が可能だったからだそうです。



顕微鏡に映し出された映像は申し分なく、HDMI出力も問題なくできました。手元にあったコインを拡大した結果が以下。



より倍率の高い対物レンズを取り付けたところ、シリコンウエハーに刻まれた非常に小さな文字を読むことができました。



これだけ美麗に拡大映像を映し出せるということで、Tech Tangentsはレーザーディスクの表面を拡大してみました。



当時の画面はもともと1本ずつの走査線で描かれており、レーザーディスクの信号を見ると画面の端から次の行へ戻るための水平同期区間や、画面の下から上へ戻るための垂直同期区間があります。



レーザーディスクには主にCAVとCLVという2つの回転方式があり、CAVはディスクを一定回転数で回す方式で、NTSCでは1回転ごとに1フレームを対応づけられるため、静止画やコマ送りに向いています。CLVは記録密度を稼ぐために回転数を変えながら再生する方式で、より長時間を記録できます。今回用意したレーザーディスクはCAV方式のもの。



レーザーディスクのディスク表面には映像信号の並びが物理的な模様として刻まれているため、顕微鏡でのぞくと映像が浮かび上がります。



実際の画面(左)と比較するとこんな感じ。



レーザーディスクに記録されているのが完成した2次元画像そのものではなく、時間に沿って並んだ映像信号なので、通常の場面だと顕微鏡で見てもそれが人間にとって「絵として認識できる形」にはなりにくくなります。しかしスタッフクレジットのように文字が並んでいて、しかも画面が比較的ゆっくり動く場面ではCAVでは、1回転が1フレームに対応するので、その周囲に映像信号の規則性が現れやすくなります。つまり、顕微鏡でのぞくと文字らしきものまで見えたのは、記録されている信号の並びの規則性が、人間の目にも「これは文字だ」とわかる見え方に現われたというわけです。



Tech Tangentsは単なるおもしろ実験で終わらず、レーザーディスクの表面から有意義な画像を実際に取得できたこと、そしてAndonstar AD246Sの顕微鏡自体も十分に優秀だったことを、かなり前向きに評価しています。