【イラン攻撃】アメリカ・イスラエル先制に対する報復で中東被害拡大…原油輸送路や進出企業社員含め静岡県内影響は?
アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃に対し、イランも報復攻撃に出たことで中東各国への被害が拡大しています。原油輸送ルートも事実上の閉鎖になるなどし、静岡県内への影響も懸念されています。
アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃で、最高指導者ハメネイ師らが殺害されてことを受け、イランが報復を行いました。
イスラエル中部ではミサイル攻撃により9人が死亡。
このほか、カタールの首都ドーハでもミサイルの破片が落下し工場で火災が発生しました。
こうした中、ロイター通信によりますと、ホルムズ海峡近くのオマーン沿岸で、パラオ船籍のタンカーが攻撃され4人がけがをしたということです。ホルムズ海峡は世界的な原油輸送のルートにあたりますが、イランの軍事組織・革命防衛隊は、「いかなる船舶の通過も許可されていない」と警告していて、イギリスやアメリカに関連する石油タンカー3隻をミサイルで攻撃したと発表しています。
今回の攻撃についてイスラム諸国では抗議の動きも広がっています。パキスタンの南部カラチではデモ隊がアメリカ総領事館に押し寄せ、一部が敷地内に侵入し破壊行為を繰り返しました。鎮圧に乗り出した治安当局とデモ隊が衝突し、パキスタン全土で23人が死亡したということです。
一方でトランプ大統領は、「イランの核やミサイル開発を阻止するため始めた。軍事作戦は目的達成まで継続する」と表明、戦闘は長期化しそうです。
(アメリカ トランプ大統領)
「戦闘作戦は現在も全勢力で継続中で、我々の目標が全て達成するまで継ける」
トランプ大統領は1日 SNSに動画を投稿し、イランの革命防衛隊の施設など数百の標的を攻撃し、海軍の艦艇9隻を破壊したなどと軍事作戦の成果を誇り、目的達成まで攻撃を続けると表明しました。
また、トランプ氏はイギリスメディアのインタビューで、軍事作戦の終了まで「4週間程度」かかるという見方を示しています。さらにアメリカ兵3人が死亡したことに言及し、「さらに多くの犠牲者が出るだろう」という見方を示して「報復する」と宣言しました。
こうした中、高市首相は国会でイランに対し、「外交的解決を強く求める」と強調しました。
(高市首相)
「わが国としては、イランに対して 核兵器開発及び周辺国への攻撃を含む地域を不安定化させる行動をやめるとともに、交渉を含む外交的解決を強く求めるものです」
高市首相が、「外交的解決」を強調し、これ以上エスカレートすることを避けたい背景には、日本が原油の9割以上を中東地域から輸入し、その大半がイランが面するホルムズ海峡を経由しているという事情があります。また、高市首相は、イラン国内に滞在する約200人をはじめとする、日本人の安全確保に全力を挙げると強調しました。
静岡県内企業にも影響を与えています。周辺に営業拠点を持つ県西部の企業では、社員の一時帰国などを進めています。
ヤマハは、UAE・アラブ首長国連邦のドバイに営業拠点があり、4人の日本人社員と、その家族全員を、一時帰国させるよう航空チケットの手配を進めています。
浜松ホトニクスは、イスラエルの営業拠点で現地採用の社員が働いており、安全確保に向けた情報収集を進めています。
今後の静岡県内経済に与える影響について専門家に聞きました。
(静岡経済研究所 恒友 仁 専務理事)
「この地図を見て分かる通りですね、イランの周辺国には、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、イラク、クエートなど、イランを含めて原油の産出国が集約されている、いわば世界のエネルギー源がこのエリアに集中をしている。世界の消費量の2割、日本で言うと原油の生産量の8割が、ここのホルムズ海峡を通過しているものですから、いわばここのホルムズ海峡というのは世界経済の要衝の海峡だというところがあると思います。ここの閉鎖によって、原油の供給懸念が出てきたというところが一番大きな問題だと思います」
また、原油高はさらなる物価高の要因となり、県民の生活にも大きく影響しそうだと話します。
(静岡経済研究所 恒友 仁 専務理事)
「原油価格が上昇すると、数週間から1か月の間にガソリン価格がこう上昇してきます。少しタイムラグがありますけれども、3か月から5か月ぐらいかけて、光熱費にも影響してくる。企業は工場を回す燃料が高くなり、モノを作っても、その輸送費がかかってしまう。消費者、家計から見ると、日頃の光熱費が上がるということも考えられますし、いろいろな製品がですね、また上がってきてしまうリスクが出てきた」
長期化が懸念される中東情勢。県内へも大きな影響がありそうです。
