『ばけばけ』“ヘブン先生フィーバー”は続いていく トキ×なみ×サワの距離感にも変化
NHK連続テレビ小説『ばけばけ』第78話は、まだまだ“ヘブン先生フィーバー”の真っ只中だ。
参考:『ばけばけ』第79話、なみ(さとうほなみ)に身請けの話が届くが一歩を踏み出せない
梶谷(岩崎う大)による『ヘブン先生日録』がスタート。ヘブン(トミー・バストウ)とトキ(髙石あかり)は街を少し歩いているだけで、人々から声をかけられる存在に。この日はなんと英語を話してみてほしいとお願いされた。たどたどしくも英語で自己紹介を披露すると、今度はヘブンとの会話もリクエストされる。
第77話で「ヒト、ジロジロ、イツモノコトデス」と話すほど好奇の目に晒されることにうんざりしているヘブンだが、こういうときには、トキや周りの人に伝わらないからといって適当なことを言わない。「you are the sweetest woman in the whole world(=あなたは世界で一番かわいい女性です)」とデレデレに惚気て、トキにも日本語でしっかり伝え、幸せな様子を見せた。松江に来た当初、いつもイライラし不機嫌だったヘブンは、トキや錦織(吉沢亮)など彼を本当に理解しようとする人の支えでここまで穏やかになったのかと、“愛の力”を感じてしまった。
一方、トキが川向こうに行ったことで以前よりさらに“そちら側”を意識するようになったサワ(円井わん)となみ(さとうほなみ)にも変化が訪れる。
「自分の力でここを出る」と決意したサワは教員試験に合格するために勉強時間と場所を確保しようと紹介された勉強サロンである“白鳥倶楽部”へ。そこに集まっていたのは、弁護士や土木技師を目指す青年たちだった。しかし、サワが先生になりたいという夢を話すと“先生”という言葉をキーワードにヘブン“先生”と一緒にいるトキを引き合いに出され、「つまりあんたは、おトキさんになりたいっちゅうことだろ?」と笑われた。
「先生になって家族を支えたい」というのはサワの小さい頃からの夢で、その意志の強さがキラキラして見えたトキが「自分も先生になる」と影響を受けたほどだ。家に帰って、母の様子を見、すぐに夕食の支度をするサワは、まさに「家族を支える人」となっていた。あとは、十分な給金を得るだけ。白鳥倶楽部で笑われても「違います!」と大きな声で否定するサワの本来の性格は、小学生の頃からなんら変わっていないし、今でも夢を叶えるために努力をしている。でもいつの間にか環境が変わってしまって、もう自分の力だけではどうにもできないところにいる。心が満たされない顔でため息をつくサワの姿に胸が締め付けられた。
なみには身請けの話が舞い込む。天国町を出ることだけを考えていた一昔前の彼女なら喜んで受けた話なのだろうが、今は何か思うところがあるらしく、なみは答えを数日待ってもらうこととした。
それぞれの場所でぼんやりとトキがいるほうの川向こうを眺めるなみとサワ、箸を隙間に落としたなんてことも『ヘブン先生日録』に載せられ、それを拾おうと玄関前に人が押し寄せるトキ。3人の溝はさらに深くなるばかりだ。(文=久保田ひかる)

