広告入りで安くするより値上げで勝負…Apple TV+の独自ストリーミング戦略
動画ストリーミングサービスの昨今の流行は、「広告ありプラン」。サブスク有料プランの中に、安い価格設定でちょっとだけ広告が入るというプランがこれです。無料ユーザーは広告表示、有料ユーザーは広告なしと、白黒ハッキリさせる時代は終わりました。しかし、Apple(アップル)はこれに反対のようです。
Apple TVを担当する中の人たち、それもエラい人たちが、イギリスのScreen Internationalの取材にて、ストリーミングサービスの展望について語っています。いわく、近い将来に広告ありプランを出す予定はないと。Appleのサービス部門トップのエディ・キュー氏はこう語ります。
「一生ないと言いたいわけではないものの、今はその予定はありません。
積極的な価格改定を維持できれば、消費者にとってもコンテンツの途中で広告に邪魔をされるよりはいいと思うからです」
日本版でもNetflixやYouTubeなどが、広告あり割安プランを新設。アメリカでは、Disney Plus、HBO Max、Paramount Plusなど軒並み導入で、この手法がトレンドになっています。
しかし、Appleはこのトレンドに乗らず、価格アップを善とする考え。日本でのApple TV+は値上げに至っていませんが、アメリカでは今年8月に価格改定。月額9.99ドルから12.99ドルと30%値上がりしています。2023年にも6.99ドルから9.99ドルへの値上げを実施。2019年のサービス開始時が4.99ドルだったので、6年で160%も値上げされてことになります。
戦略の鍵はコンテンツ
Appleのストリーミングサービスの運営戦略は、(価格改定もだけど)コンテンツを重視。
The Informationによれば、Apple TV+は年間10億ドル(約1540億円)の赤字。しかし、エミー賞にもノミネートされた『セヴェランス』など、質の高いコンテンツ制作を続けています。また、『ブレイキング・バッド』で知られるクリエイター、ヴィンス・ギリガンによる新シリーズ『プルリブス』も、今月配信が始まったばかりで話題を集めています。
Apple TVのCCO(チーフ・コンテンツ・オフィサー)であるJamie Erlicht氏は、「既存の知的財産やライブラリをもとにするのではなく、完全オリジナルでサービスを築いています」と語っています。

