NHK杯に出場しているダリア・ダニロワ、ミシェル・ツィバ組【写真:中戸川知世】

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GPシリーズ第4戦NHK杯

 フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第4戦・NHK杯は8日、大阪・東和薬品RACTABドームでペアのフリーが行われ、ダリア・ダニロワ、ミシェル・ツィバ組(オランダ)が98.46点をマーク。合計155.20点で7位だった。2人で日本語を勉強中の親日家。プロフィールの趣味の欄に「日本で競技すること」と書くほど、日本を愛する理由を聞いた。

「日本のファンは素晴らしいです」

 SP後の取材エリア。ツィバは少し照れくさそうに、だが滑らかな日本語で観客に感謝した。他にも「元気ですか?」「お腹ペコペコ」などと学んだフレーズを披露。昨年のNHK杯が始まる数週間前から勉強を始め、「センセイ」もいるという。お気に入りの言葉は2人揃って「もしもし」。長岡柚奈・森口澄士組と練習を共にした時に、森口が電話に応答する姿が印象に残っているようだ。

 初来日は2022年札幌のNHK杯。翌年には埼玉開催の世界選手権にも出場するなど、今大会で日本6戦目となる。「札幌で初めて来た時から日本が大好きになり、埼玉も特別だった。毎回来るたびにどんどん愛が増しているんだ。ファンがたくさんいるから、彼らと日本語でも話せたら、もっと気持ちもわかるし素晴らしいだろうなと思ったんだ」。ツィバは日本語を学び始めた理由をこう説明する。

 親日ぶりは国際スケート連盟のプロフィール欄にも表れている。ツィバの「Hobbies(趣味)」の項目には「competing in Japan(日本で競技すること)」と記されている。そのことを問うと、「ああ。ここ3年で6回も日本で大会に出て、趣味になったんだ」と嬉しそうに笑い、こう続けた。

日本のファンは「私より詳しいんじゃないか」

「今日(のSP)は正直、全然良くない演技だったけど、それでもここでスケートできることをとても嬉しく思っている。ファンからもらうこの感動のおかげで気持ちがマシになるんだ。首位争いをしているわけじゃない私たちのことも、日本のファンは他のチャンピオンたちと同じように鑑賞してくれる。誰かに『世界で最もステキなことは?』と聞かれたら、『日本で競技すること』と答えるよ」

 これほど絶賛する日本は他の国と何が違うのか。「欧州だと最も人気のスポーツというわけじゃないけど、ここではそれに近い人気がある。欧州のファンと話すと『アクセルってなに?』みたいな時もあるけど、ここのファンは『この技術が、あの技術が!』と私よりも詳しいんじゃないかってぐらいに話してくれる」とツィバ。熱量と知識量は選手も舌を巻くほどだという。

「日本に来ると、一時の有名人になった気分になるよ。でも、有名人でいられるからというわけではなく、ここの人たちがとても気にかけてくれていると感じるから嬉しいんだ。日本で1つ大会に出るたびにとても感動して、もう1年スケートできるぞ、という気持ちになるよ」。それぞれの国の国旗を掲げ、分け隔てなく声援を送る日本の観客の想いは、しっかりと選手たちの背中を押していた。

(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)