トヨタ「新型ランドクルーザーFJ」世界初公開! 全長4.5m級の“小さいランクル”なぜ投入? 車名「FJ」に込められた意味は? 開発者が語る注目のポイントとは!
全長4.5m級の“小さいランクル”なぜ投入?
2025年10月21日、トヨタは「ランドクルーザー」ファミリーに加わる全く新しいモデル、新型「ランドクルーザーFJ」を世界初公開しました。
この新型車は、ランドクルーザーの核となる「信頼性・耐久性・悪路走破性」を受け継ぎながらも、「もっと多くの人にランクルの持つ独自の魅力を届けたい」という思いから生み出された一台です。
【画像】超カッコいい! これが新型「ランクルFJ」です!(52枚)
新型ランドクルーザーFJはどのようなモデルとして開発されたのでしょうか。

チーフエンジニアを務めた内山征也氏は次のように語ります。
「ランドクルーザーは、特定の地域ではお客様から大変なご愛顧をいただいていますが、世界的に見れば、まだまだランドクルーザーに縁遠い地域、そして世代というものがあります。
トヨタが現在掲げるキャッチフレーズ『TO YOU』の精神のもと、そういったこれまで接点のなかった人たちにもランドクルーザーの価値をお届けするために、このコンパクトなサイズのランドクルーザーFJを世に送り出すことになりました」
ランドクルーザーの歴史は、1951年に誕生した「トヨタBJ型」にまで遡ります。このBJ型が、当時日本車としては前例のなかった富士山6合目への登頂を達成して以来、「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」という使命を掲げ、70年以上にわたって世界中の道なき道を走り続けてきました。
その結果、現在までに190以上の国と地域で愛され、累計販売台数は実に1215万台を超えています。
現在のランドクルーザーシリーズは、最新技術を採り入れフラッグシップとして君臨する「300シリーズ」、過酷な使用環境に応える高耐久性を誇るワークホース「70シリーズ」、そして2024年に登場し、伝統と現代性を融合させた中核モデル「250シリーズ」という、明確な個性を持つ3つの系統によって構成されています。
そして今回、新たに加わることになったランドクルーザーFJは、既存の系統からさらに派生し、「ランドクルーザーの原点にある実用性」と、「誰もが気軽に楽しめる自由」という要素を融合させた新モデルとして登場します。
車名の「FJ」は、かつての「FJ40」といった歴史的モデルや、人気を博した「FJクルーザー」を想起させるかもしれませんが、開発陣は、それらの直接的な後継車という位置づけではないと説明。現代の価値観に合わせ、「Freedom & Joy(フリーダム アンド ジョイ)」、の頭文字から採られました。
内山氏も「FJ40などとの歴史的なつながりは若干意識していますが、それ以上に、新しい世代のお客様へ、新しいモビリティとしての“自由”と、新しい“楽しみ”を提供するという意味を持つ、この『FJ(Freedom & Joy)』という名前が、このクルマのコンセプトにピッタリだと考えました」と、その名に込めた思いを語ります。
エクステリアデザインは、「サイコロ」をモチーフにしたというユニークなフォルムが特徴です。
これについて内山氏は、「角の取れた六面体のサイコロをイメージしましたが、よく見るとただ四角いだけでなく、角が取れたデザインとしています。それはイコール『取り回しの時に障害物に引っ掛けない』という実用性も考えてのことです。ボディ下部も大胆に切り上がっているため、デパーチャーアングルやアプローチアングルといった対障害物性能にも優れており、ぎゅっと凝縮感のある、ランクルらしい力強い形を表現しています」と語ります。
コンパクトだからこそ、ランドクルーザーらしさが凝縮されて見えるこのデザインは、FJの大きな魅力となっています。
また、フロントとリアのバンパーを分割式とし、損傷時も一部だけ交換可能とした設計は、まさに悪路を走るために生まれたランクルならではの実用的な配慮と言えるでしょう。
インテリアは、機能性を最優先した設計思想が貫かれており、オフロード走行時でも車体の傾きを把握しやすい水平基調のインストルメントパネルを採用。モニターやスイッチ類は、ドライバーの視線移動が最小限で済むよう機能的に集約配置され、どのような状況でも自然な姿勢で直感的に操作できるよう設計されています。
さらに、低いカウル位置と広いガラスエリアが、悪路でも路面状況を把握しやすい優れた前方視界を確保しています。
2.7リッターガソリンを搭載する理由とは?
新型ランドクルーザーFJの最大の特色は、そのコンパクトで取り回しやすいボディサイズにあります。
全長4575mm×全幅1855mm×全高1960mmというサイズは、都市部の狭い道でも運転しやすい運転できる機動性を備えています。そして、この機動性を実現する上で鍵となったのが、プラットフォームの選択です。
ランドクルーザー250や300が採用する最新の「GA-F」プラットフォームとは異なり、FJは世界各地の過酷な現場で鍛え上げられてきた「IMV」プラットフォームを採用しました。

この理由について内山氏は、「ランドクルーザーのプラットフォームとして重要なのは、それが『いかに鍛えられてきたか』、そして『いかにお客様の生活を支えてきたか』という実績です」と、商用車にも用いられ、その耐久性が証明されているIMVがFJにふさわしいと強調します。
新型ランドクルーザーFJは、この信頼と実績のIMVをベースとしながら、さらに徹底したオフロード耐久テストを実施。ランクルとしての「信頼性・耐久性・悪路走破性」を徹底的に作り込みました。
そして、もともとのIMVのホイールベースを切り詰め、2580mmという“スーパーショート仕様”としました。この数値は、中核モデルであるランドクルーザー250の2850mmと比較し270mm短く、FJがいかにコンパクトで機敏なモデルであるかがわかります。
このショートホイールベースは、最小回転半径の小ささ(5.5mと公表)に貢献し、街中での扱いやすさを高めるだけでなく、悪路走破性においても大きな武器となるでしょう。
また、それに伴い床下には補強ブレースを追加し、ボディ剛性を高めることで、オンロードでの操縦安定性も確保しました。
搭載されるエンジンは、信頼性に定評のある2.7リッターガソリンエンジン(2TR-FE型)です。
最高出力163PS・最大トルク246Nmを発揮し、6速AT(Super ECT)とパートタイム4WDシステムを駆動します。耐久性と整備性を兼ね備えたこのエンジンは、世界各地の過酷な環境で高い信頼を得てきたユニットです。
一方で、日本仕様の他のランクルシリーズがディーゼルエンジンもラインナップする中、新型ランドクルーザーFJはグローバルで2.7リッターガソリンエンジンのみの設定(発表時点)となっています。
内山氏は「まずは価格をアフォーダブル(手頃な価格)に設定することで、日本国内はもちろん、世界中のこれまで縁のなかった地域や世代の方々にも、ランクルFJを使っていただきたいと考えている」とコメントしました。
そのほか、現代のクルマとして求められる安全装備も充実しており、最新の「トヨタセーフティセンス」を搭載し、高い予防安全性能も備えています。
なお、今回、新型ランドクルーザーFJ向けの純正アクセサリーも発表されました。
外観では、さらなる個性的なスタイルを演出する「丸目ヘッドライト」や、水中や砂埃が多い地域でも走ることができる「シュノーケルマフラー」、悪路走破時のガードとなる「ロックガード」、ルーフに荷物を積載できる「ルーフレール」など、内装は、室内のユーティリティ効率を上げる「モールパネル」などが設定される予定です。
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新型ランドクルーザーFJは、2025年10月30日から開催される「ジャパンモビリティショー2025」の会場で一般公開される予定です。
正式な発売は2026年の年央頃を見込んでいます。

