インホイールモーターで540馬力 ルノー新型『5ターボ3E』がドリフト披露
限定1980台のうち、約半分が予約済み
ルノーは、間もなく発売予定の高性能EV『5ターボ3E』の走行性能をアピールする動画を公開した。
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合計出力540psを誇る5ターボ3Eは動画内で、フランスのコルシカ島のクローズドコースを舞台にドリフトを披露した。この地では、1982年と1985年にルノー5ターボがツール・ド・コルス・ラリーで優勝している。

ルノー5ターボ3E ルノー
今回のデモンストレーションは、ツール・ド・コルス・ヒストリック開催に先立って行われたものだ。
動画では5ターボ3Eの量産仕様のインテリアも初めて公開された。デジタル・ディスプレイは現行ルノー5と共通化しているようだが、ラリー仕様の油圧式ハンドブレーキが新たに採用されている。
5ターボ3Eは、初代ルノー5ターボへのオマージュとなる電動ホットハッチであり、大胆なスタイリング、完全専用プラットフォーム、スーパーカー並みの性能を備えている。
生産台数は、初代モデルの発売年にちなんで1980台限定となるが、現時点ですでに1000台以上が予約済みだという。価格は14万ポンド(約2800万円)からで、発売当初の13万5千ポンド(約2700万円)から若干値上がりしている。
プロジェクトリーダーのミシェル・グロージャン氏は7月、AUTOCARに対し「現在、予約が全世界で総生産台数の半分に達しています」と語った。
「2028年分は完売しました。それでもまだ1年半分の生産枠が予約可能です」
来年にも顧客への納車を開始する予定だとグロージャン氏は述べた。価格はルノー史上最高額だが、これまで多様な層の顧客から関心を集めているという。
「顧客層はさまざまですが、共通しているのは、ワイルドなクルマやスポーツカーに情熱を注いでいるという点です。オリジナルのR5ターボのオーナーもおり、新型の購入も希望されています」
「アルピーヌやフェラーリ、ポルシェなど複数のクルマを持つ顧客もおり、(5ターボ3Eが)他車と比べてもエキゾチックな存在だと感じているようです」
5ターボ3Eの生産は2029年に終了予定であり、グロージャン氏は現時点で同様の限定モデルを投入する計画はないと述べた。ただし、他のモデルで可能性はあるという。
例えば、電動クロスオーバーのルノー4でダカール・ラリー仕様を作る可能性について問われると、グロージャン氏は「計画はありませんが、可能性はあります」と答えた。
標準車との共通点はほんのわずか
5ターボ3Eは、レトロスタイルの現行ルノー5をベースとしつつ、専用プラットフォームと専用ボディ、そして2基のインホイールモーターを備えている。
最大トルクは約490kg-m(4800Nm)に達するというが、実際に路面に伝達されるトルクはその10%程度と思われる。

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0-100km/h加速は3.5秒以下、0-200km/h加速は9.0秒以下、サーキット専用モードでの最高速度は270km/hに達するとされている。
後輪に内蔵されるインホイールモーターは、従来型のモーターよりも素早く動力を伝達できるほか、車輪をより精密に制御し、「大幅な」軽量化と省スペース化が可能になると言われている。
このインホイールモーター技術は英国のプロティアン・エレクトリック社が開発したもので、電子制御ディファレンシャルは不要とのことだ。
70kWhバッテリーも俊敏性を重視して配置され、「驚異的な」ドリフト能力を実現したとされている。専用のドリフトモードやラリーカースタイルのハンドブレーキも装備される。
航続距離は最大400kmだが、サーキットで全開走行した場合、バッテリーが15分から20分しか持たないことはルノー自身も認めている。
サーキット走行を想定した熱管理システムにより、最高速度の270km/hで走行した後、350kWで急速充電で15分に15〜80%の充電が可能だという。
ルノーのCEOであるファブリス・カンボリーヴ氏は、次のように述べている。
「5の顧客ニーズを可能な限り幅広くカバーすることが重要でした。魅力的な価格帯からスタートしつつ、極限の感覚を求める人々にもこのクルマを提供したいと思いました」
「こんなに運転が楽しいクルマがあるのなら、限界に挑戦しない手はありません」
オールアルミニウム製のプラットフォームは、アルピーヌが開発した。「スーパーカーに匹敵するレベル」を目指し、性能、軽量化、敏捷性、効率性を徹底的に追求した。
ボディもカーボン複合素材による専用設計で、標準のルノー5から引き継がれたのはサイドミラー、ドアハンドル、テールライトのみ。車両重量は約1450kgで、バッテリーの大型化やモーターの追加にもかかわらず、標準車よりわずか1kgの増加にとどまる。
目指したのは小さなスーパーカー
スタイリングとしては、初代の5ターボと5ターボ2を踏襲しながら、スーパーカーのような外観に仕上げられた。空力特性を重視した前後バンパー、フロントスプリッター、ダウンフォースを強化する大型エアアウトレット付きのボンネットを装備する。
サイドのエアスクープはリアライト下部に空気を導き、乱流を抑える働きがある。また、リアフェンダーのエクステンション(延長部)、モーター冷却用の大型インテーク、20インチホイールなどを備え、全体的に低く重厚な印象を与える。

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ボディサイズは全長4080mm、全幅2030mm、全高1380mmで、標準車と比べて全長が158mm、全幅が256mm、全高が118mm増している。フロントガラスを後退させ、ホイールベースを2570mmに延長することで、「スーパーカーの全幅とシティカー(Bセグ車)の全長」というコンセプトを実現した。
ルノー・グループのデザイン責任者であるヴァン・デン・アッカー氏は、設計時に直面した課題について次のように語っている。
「最大の敵は、バッテリーによる重量です。このクルマの車重は1450kgですが、アルミ製のアルピーヌA110が1000kg強であることを踏まえ、さらなる軽量化を目指しています。重量と価格が最大の難点です。重量との戦いには終わりがありません」
車内には、アルカンターラ張りのバケットシート2席、手織りのタータンチェックのダッシュボード、6点式ハーネス、そして軽量カーボン素材がふんだんに使用されている。標準の5と同じ10.1インチのインストゥルメント・ディスプレイと10.25インチのインフォテインメント用タッチスクリーンが搭載されるが、1980年代風のデザインとなっている。運転席は専用カラーだ。
開発過程で得られた気づきについて問われると、ヴァン・デン・アッカー氏はこう答えた。
「夢を現実のクルマに落とし込めることを学んだと思います。わたしは長年、デザインの仕事を続けてきましたが、コンセプトカーの前で『これは将来の方向性を示すものだが、さまざまな理由で実際のクルマはこうはならない』と説明してきました。最大の気づきは、会社が全面的に支援してくれればコンセプトにいかに近づけるかということです」
