『ももふく』ももふく鳥重 1300円 ねぎまやつくねに使うタレは甘さ控えめで醤油の風味を立たせ、これまたご飯が進む味わい

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近年、高級化した感のある「焼鳥」。もっと手軽に楽しめないものか……。そこで辿り着いたのが「ランチ」です。昼から炭を熾して焼く鶏がご飯にのったり、卵をとろりと絡めたり、鶏ダシで作るラーメンもあって贅沢なんです。気軽においしく、職人の技を堪能あれ!人形町〜日本橋界隈は焼鳥屋さんがひしめき、昼営業多し。江戸を感じる街で愉悦に浸りましょう。

ご飯を埋め尽くす串とそぼろの完成度、これぞ頂点の焼鳥重『ももふく』@人形町

備長炭を熾した焼き台の前で串を操る職人の真剣な眼差しに、食べる前から“当たり”の予感がした。間も無くやってきたお重に挑めば、それは確信に。ねぎまのモモは穏やかな燻香から熱々のエキスが飛び出して、火入れジャストに仕上げたササミはぷりっと跳ねるような弾力だ。

ももふく鳥重1300円

『ももふく』ももふく鳥重 1300円 ねぎまやつくねに使うタレは甘さ控えめで醤油の風味を立たせ、これまたご飯が進む味わい

つくねに練り込んだ山椒の香りも爽やかなアクセントになっている。ご飯の半分を覆っているのが鶏そぼろ。2度挽きしたミンチのさらりとした口当たりが、粒立ちよく硬めに炊いた米の食感と馴染み合い、両者の一体感に膝を打つ。

さらに女将さんが丹精こめた糠漬けやコクのある鶏スープとお膳に乗るすべてに拍手喝采!こんな見事なランチに出合えた喜びに帰りの足取りも軽くなる。

『ももふく』店主 (左)能登謙二さん、(右)玲さん

店主:能登謙二さん、玲さん「鳥重は10時までの予約でテイクアウトOK」

『ももふく』

[店名]『ももふく』

[住所]東京都中央区日本橋人形町2-26-14

[電話]03-6661-6422

[営業時間]11時半〜13時LO、17時半〜22時(21時半LO)※昼夜共に串がなくなり次第終了

[休日]土・日・祝、月の夜

[交通]地下鉄日比谷線ほか人形町駅A3出口から徒歩3分

ひと串ごとに鶏の旨さ引き出す手間と工夫『江戸路(えどじ)』@人形町

店主・山田さんの実家は東京を代表する鳥料理の老舗『玉ひで』。生まれた頃から身近にあったわけだから、鶏肉に関しちゃサラブレッドだ。とはいえ25年前に構えた自身の店はぐっとカジュアルな焼鳥屋。そんな店で創業時から出すランチの看板がタレ焼き串と塩焼き串をあい盛りにした「江戸路丼」だ。

江戸路丼1100円

『江戸路(えどじ)』江戸路丼 1100円 脂の強いセセリは大根おろしや大葉が入った自家製の薬味でさっぱりと。つくねには鴨肉も混ぜコクを出す

20分かけてじわじわ火入れする大きなつくねにかぶりつけば、香ばしいタレの風味から旨みたっぷりの肉汁があふれてきた。塩焼きのササミはあらかじめ低温調理してしっとりと。どの串も鶏の旨さを引き出す技と工夫があっぱれだ。

さらに米粉を衣にカラッと揚げ自家製ポン酢で食す「江戸前からあげ定食」にも腹ペコの胃袋をがっしりつかまれる。

『江戸路(えどじ)』店主 山田麻友美さん

店主:山田麻友美さん「会食向けにランチコース(2500円)も用意しています」

『江戸路(えどじ)』

[店名]『江戸路(えどじ)』

[住所]東京都中央区日本橋人形町1-19-2

[電話]03-3668-0018

[営業時間]11時20分〜13時半LO、17時〜23時(22時半LO)、土・日・祝:11時20分〜14時LO、17時〜21時半(21時LO)

[休日]無休

[交通]地下鉄日比谷線ほか人形町駅A6出口から徒歩1分

味もコスパも最高!炭の香り広がるふわとろ親子丼『日本橋ぼんぼり』@茅場町

鶏肉と卵というセオリーを守りつつ、焼鳥屋らしい工夫を凝らした親子丼がこの一杯。丼の半分を覆うのは炭火で燻すように炙った大山どりのモモ肉。もう一方の卵は火入れに注力し、艶めくような半熟とろとろに仕上げている。

炭火焼親子丼1000円

『日本橋ぼんぼり』炭火焼親子丼 1000円 玉子と炭火焼きした鶏肉の味わいや香りのコントラストも楽しみたい。どの定食や丼もサラダ、味噌汁、小鉢の冷奴付き。大盛りは+100円

両者を一緒に頬張れば卵やダシのふくよかな甘みから、やんちゃな燻香が顔をのぞかせ噛むほどに鶏の旨みが立ってくる。22年前の開業時から不動の人気No.1。毎日、口開け前から行列を作る、この界隈の名物グルメと言っていいだろう。

またランチはほかに、衣に染みた甘辛ソースが白飯を呼ぶ「鶏唐揚げ油淋ソース」や鶏の炭火焼きを乗せたカレー丼など5種類を揃えて、どれも並盛り千円と手頃な価格もうれしい限り!

『日本橋ぼんぼり』副料理長 金子友拓さん

副料理長:金子友拓さん「夜は焼鳥のほかに一品料理も豊富に揃えてます」

『日本橋ぼんぼり』

[店名]『日本橋ぼんぼり』

[住所]東京都中央区日本橋蛎殻町1-5-1

[電話]03-3664-2777

[営業時間]11時半〜13時半LO、17時〜21時半LO※土は〜21時LO

[休日]日・祝

[交通]地下鉄東西線ほか茅場町駅4a出口から徒歩5分

オリジナルの串で欲望のままに昼からビール!『創作焼き鳥秀』@茅場町

自慢は部位ごとにソースや薬味をあしらったオリジナルの焼鳥。例えばあっさりとしたフリソデには香草バターでコクを足し、はたまた脂の強いセセリにはハチミツ漬けしたレモンを乗せ爽やかな味わいに。これが狂おしいほどビールを呼ぶ味わいなのだ。

お昼のちょい飲みセット(3本)1500円

『創作焼き鳥秀』お昼のちょい飲みセット(3本) 1500円 日替わりのおつまみ2品に漬物、おろしポン酢が付く。この日の串はフリソデ、セセリの他に黒酢タレにクリームバルサミコを添えたレバーも

せわしないビジネス街のランチ時、背徳の昼から一杯を叶えてくれるのがこのちょい飲みセット。冒頭の創作串が3本に、日替わりのおつまみを含めた4品の小鉢と鳥スープ付き。いろんな味をチョイチョイつまみたくなる飲んべえの心を的確に射抜いてくる。

とはいえ定食だって、ふわとろの親子丼に濃厚玉子のTKG、コチュジャンソースを効かせた鶏ギョプサル丼など6種類あり、選ぶ楽しさでいっぱいだ。

『創作焼き鳥秀』店主 茅本直樹さん

店主:茅本直樹さん「このエリアでは珍しく日・祝も営業しています」

『創作焼き鳥秀』

[店名]『創作焼き鳥秀』

[住所]東京都中央区日本橋箱崎町17-8ノーベルコート箱崎3階

[電話]03-6661-0297

[営業時間]11時半〜14時(13時45分LO)、17時〜23時(フード22時LO、ドリンク22時半LO)※日・祝は〜22時(フード21時LO、ドリンク21時半LO)

[休日]土

[交通]地下鉄半蔵門線水天宮前駅2番出口から徒歩2分

選りすぐりの食材を手頃に味わえる八丁堀の良心『焼鳥うちやま』@八丁堀

昼の営業は火・水・木のみで13時にはラストオーダー。そんなハードルを乗り越えてもやって来たくなるのがこのランチ。半熟に仕上げた奥久慈卵の上に盛るのが朝締めした岩手産あべどりのそぼろ。若鶏に親鶏の粗挽きも混ぜて食感のコントラストを生んでいる。

とりそぼろ丼定食1350円

『焼鳥うちやま』とりそぼろ丼定食 1350円 自家製の鶏スープをたっぷり含んだ卵はふんわりとした口当たりで歯応えのあるそぼろを優しく包む

「ミニ焼鳥丼とミニ鳥からあげのセット」は全くミニじゃない、むしろ大きな唐揚げが4〜5個も。一方の焼鳥丼は紀州備長炭で炙り、燻香をまとった身に店主の修業先であった老舗仕込みのタレが絡んでご飯が進む。

ちなみに米は農家直送の魚沼産コシヒカリで噛むほどに甘みが膨らんでくる。選りすぐりの食材を使いながら日常使いできる値段で出すのも、二人三脚で厨房を守る息子と母の良心だ。

『焼鳥うちやま』店主 内山忠樹さん、光子さん

店主:内山忠樹さん、光子さん「丼類や唐揚げはディナーでも用意できますよ」

『焼鳥うちやま』

[店名]『焼鳥うちやま』

[住所]東京都中央区八丁堀2-11-1

[電話]03-6280-5652

[営業時間]11時半〜13時LO(火・水・木のみ)、17時半〜23時(焼き物:22時、その他:22時20分LO)

[休日]土・日・祝

[交通]地下鉄日比谷線八丁堀駅A5出口から徒歩3分

撮影/小島昇(ももふく、うちやま)、小澤晶子(江戸路)、西崎進也(ぼんぼり、秀)、取材/菜々山いく子(ももふく、江戸路、ぼんぼり、秀、うちやま)

『おとなの週末』2025年8月号

※月刊情報誌『おとなの週末』2025年8月号発売時点の情報です。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

…つづく「神楽坂の夜の魅力とは?【厳選】日本料理と焼鳥の2軒 “ひっそり”と名店あり」では、神楽坂にある素通りしてしまうような路地に佇む店や、ビルの2階にひっそり構える店お店をレポートしています。

【画像】これが5選!とろっとろの玉子と鶏の炭火焼きがたっぷりのって1000円!コスパも味も良い焼鳥ランチ(36枚)